南極の氷、全部消してみた!氷の下に広がる未知の世界、最新マップが暴く“本当の姿”とは?

2025年3月26日(水)16時0分 tocana


 地球最後の謎といっても過言ではない南極大陸。その氷の下に、いったい何が眠っているのか——。この疑問に挑んできた国際研究チームが、ついに“これまでで最も詳細な”南極の地形図を完成させた。その名も「Bedmap3」。英・南極観測局(BAS)が主導し、60年以上に及ぶ膨大な観測データを統合した成果である。


もしも氷がすべて消えたら? 明らかになった巨大峡谷と山脈

 Bedmap3が明らかにしたのは、もしも南極の2700万立方キロもの氷がすべて消えたとしたら露わになる未知の山脈や峡谷の姿だ。従来「最も氷が厚い」とされていたアストロラーベ海盆(Astrolabe Subglacial Basin)ではなく、ウィルクスランドにある無名の谷で、厚さ4757メートルという驚異的な記録が確認された。


 この地図は単なるビジュアル資料ではない。温暖化によって氷床がどう動くのかを予測するための基盤でもあるのだ。研究責任者であるハミッシュ・プリチャード博士は、「ケーキの上にシロップをかけたとき、凸凹によって流れ方が変わるのと同じ。南極の地形が氷の流れを左右する」と説明している。


 Bedmap3には8200万点以上のデータが盛り込まれており、特に東南極や南極半島、トランスアンタークティック山脈(南極横断山脈)といった、これまで手薄だった地域もカバーしている。氷床の高さや形状、氷棚の厚さ、そして「接地線」と呼ばれる大陸氷と海水の境界までもが、かつてない精度で描かれている。


氷の下には生命が? 隠された“別世界”の可能性

 今回の調査から、南極の氷床はこれまで想定されていたよりも厚く、より多くの部分が海面下の岩盤に接していることが判明した。つまり、暖かい海水が流れ込めば、氷が溶けるリスクがより高まるというわけだ。


 南極の氷の下に生命が存在する可能性や、未知の生態系が眠っている可能性も以前から指摘されており、今回の地図はそうした謎に迫る手がかりにもなるかもしれない。とくに“氷の下の湖”の発見は、地球外生命探査ともつながる重要なヒントとなっている。


レーダーが捉えた深層構造、地下に広がる“もう一つの南極”

 この調査の一環として、衛星からレーダーを照射し、音波として跳ね返った信号をもとに地下の構造を3D化する技術も駆使された。こうして明らかになったのは、深さ2000メートルを超える場所に広がる広大な谷、階段状の構造、そして水系まで。南極の地下には我々の知らない“別世界”が広がっている可能性があるのだ。


 南極の氷の奥底には、歴史の書き換えを迫る“何か”が潜んでいるのだろうか? 真実にたどり着ける日は、そう遠くないのかもしれない。


参考:Anomalien.com、ほか

tocana

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