ただ辛いだけじゃない! 「タバスコ」シリーズ6種類を全部味わってみた
2020年3月29日(日)12時0分 食楽web
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「タバスコ」は、1868年にアメリカ・ルイジアナ州のエイブリーアイランドで誕生したスパイシーなソースです。ピザやパスタに使うイメージが強いのではないでしょうか。日本では1970年代にアントニオ猪木氏が日本に広めたことで有名になりました。
そんなタバスコ、実は多彩なバリエーションがあるのをご存知ですか? 今回はタバスコソース6種類を食べ比べてみました。辛いものが好きな人だけでなく、辛いのはちょっと苦手な人でも使えるタバスコもご紹介しましょう。
タバスコの定番といえば「TABASCO オリジナルソース」
写真は60mlボトル(チポトーレイソースは150ml) 。ほかに150ml、350ml、1ガロン、ミニチュアボトル(22.2ml)、3mlパウチなど種類も豊富
ファミレスなどでもよく見かけるのが「TABASCO オリジナルソース」。原材料はタバスコペパー、ビネガー、岩塩。タバスコは塩分は控えめで、カロリーもゼロというヘルシーなソースでもあるんです。
辛味単位のスコヴィル値は2500〜5000
オリジナルソースに合うのは肉料理、卵料理、パスタソース、ピザ、牡蠣、ブラッディメアリーなど。トマトソースに混ぜると程よい唐辛子の辛味と酸味が加わり、味が引き締まります。
調理後に加えると辛味と酸味が感じられるが、加熱中に加えると酸味が飛び、辛味だけが残る
改めて食べてみると、「タバスコ=辛いもの」というイメージでしたが、酸味も大きな特徴のひとつであることに気付かされます。辛いものが苦手な人でも、適量であれば抵抗なく使えそうです。
筆者は辛い料理が得意ではないが、タバスコは味のアクセントとしてよく使う
マイルドな刺激が加わる「TABASCO ハラペーニョソース」
宅配ピザなどでも付いてくることがあるので、比較的馴染みがあるソースだ
「TABASCO ハラペーニョソース」は、マイルドな辛さの緑のハラペーニョを使ったソースです。カクテルのマルガリータやピニャコラーダに数滴加えるなどの使い方ができます。
スコヴィル値は600〜1200と辛さ控えめ
登場したのは1993年で、オリジナルソースよりも辛さは控えめ。ハラペーニョペパーの種を取り除いたり、刻んだりする手間をかけないために使うといいのだとか。
ついビールが飲みたくなるような爽やかな辛さが楽しめる
メキシコ料理や野菜料理、ドレッシングなどとの相性が良く、オリジナルソースよりも酸味は控えめ。爽やかであとを引く辛さがあるので、料理の味わいに清涼感が生まれます。
「TABASCO ハバネロソース」はオリジナルソースの2倍の辛さ
数滴垂らすだけで十分な辛さが感じられる
もっと刺激的な味にしたいと思う人におすすめなのが、「TABASCO ハバネロソース」です。マンゴー、パパイヤ、タマリンド、バナナ、ジンジャー、黒胡椒を激辛のハバネロペパーとブレンドしており、シンプルに辛い!
オリジナルソースに比べると色が赤い。スコヴィル値は5000〜8000
ケイジャン、メキシカン、アジアンなどさまざまな国のスパイシーな料理との相性が良く、サルサやマリネ、BBQなどで重宝するのだとか。ただし、辛いものが苦手な人には決しておすすめしません。
ほんの少し使うだけでもハバネロの辛さが口いっぱいに広がった
実際に味見をしたところ、トマトソースで少し垂らすだけで「辛い!」と感じました。これはオリジナルソースと同じ感覚で使うと痛い目を見そう。最初はほとんど辛くないのですが、あとからどんどんやってきます。これまでのタバスコの辛さが物足りなかった人には満足できる辛さでしょう。
甘みはあるが辛さもスゴイ「TABASCO スコーピオンソース」
一見するとオリジナルソースと同じような印象だが、あなどると痛い目をみることに……
多少辛いだけでは満足できない! という人に使ってみてほしいのが、「TABASCO スコーピオンソース」です。辛さはなんとオリジナルソースの10倍! 日本では2019年に登場したばかりなので、まだまだ知られていないかもしれません。
スコヴィル値は23000〜33000とケタ違い
エビ、スープ、シチュー、ピザ、ディップ料理で使うのに適しているそうですが、やはり使用量は控えめにしたほうが安全。特種のスコーピオンペパーとグアバ、パイナップルをオリジナルソースに組み合わせており、辛さだけでなく甘みも感じられるのが特徴です。
怖いので2〜3滴しか加えなかったが、それでもほかのTABASCOソースに比べるとダントツに辛い
とはいえ、辛さに弱い筆者にとっては激辛。トマトソースに加えてみると、最初は平気なのですが、最後の最後に強烈な辛さが襲ってきます。
ガーリックの香りが楽しめる「TABASCO ガーリックソース」
お皿に出すだけでふんわりとガーリックの香りが感じられる
「辛さ」ではなく「香り」を楽しみたいときにおすすめなのが「TABASCO ガーリックソース」です。カイエンペパー、熟成したタバスコペパーマッシュ、まろやかなレッドハラペーニョをブレンドし、そこにガーリックをプラス。
スコヴィル値は1200〜1800。ハラペーニョとオリジナルソースの中間くらいの辛さ
ピザ、パスタ、チキン、ディップ料理との組み合わせが絶妙だそう。酸味をしっかり感じるソースなので、ジャンクフード寄りな料理にいいのかもしれません。
ペパーとガーリックのバランスがよく、いろんな料理に使えそう
決して辛くないわけではなく、ほかのものに比べると穏やかな辛さです。隠し味としていろいろな料理にちょい足ししてみるといいですよ。
燻製香をプラスした「TABASCO チポートレイソース」
ほかのタバスコソースに比べると色が茶色い
タバスコソースのなかでも異色の存在感を放つのが「TABASCO チポートレイソース」ではないでしょうか。このソース、ピーカンの木で燻製した赤い完熟ハラペーニョペパーを使用しており、ソース自体にスモーキーな香りが残っているんです。
スコヴィル値は1500〜2500
燻製したペパーを天然スパイス、ビネガー、岩塩、水をブレンドしたタバスコペパーパルプと合わせて作られており、味わい自体はBBQソースのような印象。オリジナルソースの辛さを控え目にして、燻製の香りをプラスしたような感じです。
ステーキなどの肉料理やチリスープとの組み合わせに定評があり、ビールカクテルのミチェラーダに使うのもいいそうです。最後にピリッと辛さが来るのがクセになります。
最後だけ辛さを感じる程度。スモーキーな香りが個性的なソース
これだけさまざまな種類のタバスコがあれば、料理によって使い分けることもできます。お気に入りのフレーバーを見つけて、いつもの料理を変身させてみましょう!
●DATA
TABASCOブランド
http://www.ncc.co.jp/foods/tabasco.html
●著者プロフィール
今西絢美
編集プロダクション「ゴーズ」所属。デジタル製品やアプリなどIT関係の記事を執筆するかたわら、“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事も執筆中。旅先でその土地ならではのローカルフードを探すのが好きで、利酒師とフードツーリズムマイスターの資格も持つ。