行列ができる下北沢のピンク色の炒飯とは? 老舗町中華『みん亭』の通称“ピンクチャーハン”を食べてきた
2022年3月31日(木)10時50分 食楽web
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ようやく桜の季節が到来中。あちこちで薄ピンク色の花びらが舞う美しい景色が楽しめるようになりました。ところで、桜の花といえばピンク。ピンク色と言えば……ご覧ください、冒頭の写真のチャーハン。見事なピンク色なんです。これは東京・下北沢にある1964年創業の老舗町中華『みん亭』(※みん=王+民)の通称“ピンクチャーハン”と呼ばれる名物料理。
この“ピンクチャーハン”は、雑誌などでも多数紹介されていて、筆者も前々から食べてみたかったのですが、とにかく『みん亭』は大人気で、昼時、店の前を通るといつも行列。時間の余裕がない時は、なかなか食べることができなかったのです。しかし最近、ようやく時間が取れたので、並んで実食してみることにしました。
1964年創業の老舗『みん亭』。1階と2階の座敷がある
行列はおそらく30人ほど。最後尾につき、20〜30分待ちを覚悟で、本を読みながら待っていると、ここで意外な事実が判明。筆者の後ろに着いた女性2人が「これはカレーの列ですか? みん亭の列ですか?」と聞いてきたのです。「どういうこと?」と思ったら、『みん亭』の隣の隣にカレー屋さんがあり、そのお店も大人気のようで、2つの店の列が交錯していたのです。そして筆者が並んでいたのは、まさかのカレーの列。人気店が連なると、こういうことが起こるんですね…。
というわけで、仕切り直して『みん亭』の列へ。すると覚悟していたよりも待つことなく、10分程度で入店できました。
気になる“ピンクチャーハン”ってどんな味?
厨房では絶え間なく中華鍋を振りチャーハンが作られていきます
入店すると、もちろん満席。一人客である筆者はカウンター席に案内されました。今回の目的は“ピンクチャーハン”一択。メニューも見ずにすぐに注文しました。待っている間に厨房を見ていると絶え間なくピンクチャーハンが作られ、運ばれていくのもピンクチャーハン、ラーメンといった感じです。
壁に渋いメニュー表がかかっています
しかし、ここでまたちょっとしたミスに気づきました。運ばれるチャーハンやラーメンをよく観察していると、やや小ぶりなのです。ん? と思ってメニューをよくよく見てみると、「サービスセット」なるメニューがあり、その中の「ラーチャン」(935円)という半ラーメン+半チャーハンのセットを発見。そして、お店のほとんどのお客さんがこれを注文しているようなのです。うーん、自分もそれにすれば良かったかな…と少し後悔。
メニューをよく見れば、チャーハンとラーメンの量が選べるセットがあった!
そうこうしているうちに筆者のチャーハンが登場しました。目の前のピンク色のチャーハンは鮮やかで美しく、形容しがたい神々しさを感じます。しかもこんもり山なりでかなりボリューミー。お茶碗で言えば軽く3杯分はありそうです。
チャーハン880円(スープ付き)
そして、美しいピンク色のお米を見ていると、勝手に口の中が酸っぱくなってきます。ちなみに、このピンク色の正体はチャーシュー由来の食紅。頭ではわかっていても、ピンク色の食べ物を見ると、ついつい梅干しやトマト、はたまた紅生姜の酸味を想像してしまうのです。それにしてもなんとも心に訴えかけてくるツヤツヤ感です。
具材はチャーシューと卵のみと至ってシンプル
さっそくレンゲですくってひと口食べてみると、当然ながら酸味はありません。しっとり&ふんわりとしたお米は、まろやかな塩味をまとっています。そして噛むとパラリとした食感。油っぽさもなく、まるで炊き込みご飯のようにまろやかです。期待を遥かに超え、ウキウキするような美味しさ!
レンゲが止まらずあっという間に半分ほど食べて、隣のスープもひと口。こちらもまた衝撃の美味しさ! チャーハンに付くスープといえば、あくまで口直しのおまけ程度のものという認識があったのですが、このスープは別格でした。雑味がなく塩加減が絶妙で、非常に穏やかな味わい。これは、今まで飲んできた町中華のチャーハンスープの中でもダントツに美味しいです。
チャーハンに付いてくるスープがまた旨い
最後に、チャーハンをスープに浸して食べてみることに。炒飯好きの人ならわかると思いますが、美味しいチャーハンを美味しいスープに浸すと、旨さが倍加して天井知らずの口福を楽しめます。こうして夢中で食べ進めていった結果、かなりボリュームあったチャーハンもあっという間になくなってしまいました。
ピンクチャーハンとスープを一緒に食べると最高です
というわけで、念願叶って食べた『みん亭』の“ピンクチャーハン”は行列ができるのも納得の逸品でした。加えて、サイドのスープにも並々ならぬこだわりを感じられました。いやぁ、半チャーハンにしなくて良かった! 次回はチャーハン単品、ラーメン単品の両方頼んでみようと思います。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
[食楽web]
店名:みん亭
住:東京都世田谷区北沢2-2-8
TEL:03-3466-7355
営:11:30〜23:30
休:月曜(月曜祝日の場合は営業、翌日休)