人事異動後、秒速で組織に馴染むコツ

2025年4月3日(木)16時0分 マイナビニュース


春の風物詩を三つ挙げるならーー、桜、お花見、そして人事異動だろう。異動事情はさまざまでも、「新たなチームに早く馴染みたいか?」と問われれば、ほぼ満場一致の答えになるはずだ。今回は、改めて確認しておきたい「新たな組織に馴染むコツ」について、社員の個性・才能を発掘する"タレントマネジメントシステム"を提供するカオナビ エンタープライズビジネス本部 本部長の福田智規氏に解説してもらった。
自らチーム情報を取りに行こう
Q.「4月1日付で新たな部署に異動になりました。今回が初めての異動なのですが、チームに馴染んで自分の力を発揮していくためには、どのようなことをしたらよいのでしょうか。」(20代後半・会社員)
A. 福田氏の回答
この時期には特有の期待と不安がありますよね。私もこの質問で、これまで幾度か経験した異動時の気持ちが蘇ってきました。
さて、この「チームに馴染めるか」「力を発揮できるか」という点で最も重要になるファクターが「情報」だと、私は考えています。情報さえあれば、自分自身がどんなチームでどんな仕事をしていくかイメージもすぐつき、コミュニケーションも容易になりますが、情報がないとコミュニケーションにもたつき、成果を出すまでに時間もかかってしまいます。
ですから、異動当初に情報不足に陥らないため、「情報を事前に取りに行く」というのが、自分を落ち着かせ、なおかつ新たな環境にスムーズに馴染むコツだと私は思っています。
スタートを左右する"事前準備"
新たな職場の情報収集は、タレントマネジメントシステムを活用しているかどうかによっても難易度が変わってきます。このあたり、私の経験を踏まえてお伝えしますね。
まず、私が前職で営業の現場から、立ち上げ3カ月目の新規プロジェクトチームへ異動になったときの話です。前提として、欠員が出たための急遽の異動であり、これまで一緒に働いた経験のある方もおらず、メンバープロフィールを調べられるシステムもありませんでした。
このとき私がとった行動は二つです。
一つ目は、メンバーの方々の同期の中で、自分の知っている方を見つけて連絡を取ることでした。「一緒になるメンバーの方はどんなキャリアの方で、どんな性格で、どんな役割で、どんなことが好きなのか」と、ちょっと泥臭いですが根掘り葉掘り聞いて回ったのです。
二つ目は、配属日より前にメンバーの方と直接コミュニケーションをとることです。実際、私は飲みに行ったりもしました。これは、昭和的な方法だと見る方もいるかもしれませんが、かなり効果が高いです。すでに調べた事前情報があるので、ある程度話のネタは用意できますし、ここで一度打ち解けておくことで、配属当日にはすでに「話したことがある人がいる」という状態を作ることができるわけです。
ただ、自ら情報をキャッチしようと動く必要があるとはいえ、こうしたコミュニケーションに苦手意識がある人にとっては難しい場合もあると思います。その場合、タレントマネジメントシステムがあれば、それが大きな助けになります。
私がカオナビに中途入社した際は、誰も知り合いがいないゼロベースでのスタートでした。ですが、自社開発のシステムが当然活用できますので、自分の配属先に誰がいて、それぞれどんな役割で、どんな職務のバックグラウンドを持った人なのか、顔写真付きのプロフィールにすぐアクセスすることができました。
「野球が好き」といったパーソナルな情報も得ることが出来るので、そこで自分との共通点を見つけ、配属初期のコミュニケーションの準備を非常に効率的かつ円滑に進めることができました。
ご在籍の会社に、もしこうしたシステムがあるなら、ぜひ今すぐ情報収集に活用してみてください。実際のチームの雰囲気など、入ってみないと分からない部分が多いのは事実ですが、事前の情報収集が済んでいれば、業務上のコミュニケーションがかなりスムーズに進められるはずです。
慌てずに、組織と自己のすり合わせを
ここまでお伝えしたように、配属先でのコミュニケーションのための情報収集をしておくことが、異動先で素早く馴染むためには重要です。
しかし、これと共に押さえておくべき大前提が、二つあります。それが、「組織の目指す方向性を知ること」と「組織の自分に対する期待値を知ること」です。私達は組織の一員として、みんなでどこへ向かおうとしているのかを知り、その中で自分にはどのような動きが求められているのかを理解する必要があります。
こうした点を見落とすと、例えば「自分に求められているのは新規法人の大型契約獲得だ!」と先走り、「アイツは大手ばっかり営業をかけて、功を焦っている」と誤解されるなど、自分のバリューを発揮しづらい状況になってしまうかもしれません。
新たなチーム内でのコミュニケーションで大切になるのは、こうした認識のすり合わせや個々のメンバーの目指すことの共有ですから、その点を忘れないようにしてください。
私は、仕事において一番大事なのは「自分自身がどんな仕事でバリューを出したいか」だと思っていますので、今回のアドバイスが異動先でご自身の色をしっかり出すことにつながっていけば嬉しいです!
福田智規(カオナビ) ふくだ とものり 株式会社カオナビ エンタープライズビジネス本部 本部長 大手メーカー系IT関係会社に新卒入社。主にITインフラ全般のソリューション営業業務に従事。営業企画を経験後、グループ共通サービスの企画、クロスセルなど間接販売業務も経験。大手企業向け営業ノウハウを学ぶ。2019年カオナビに入社しエンタープライズ領域の新規開拓を担当、2024年より現職。 この著者の記事一覧はこちら

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