10人家族の長男が塾なしで開成合格! きょうだいがいる家庭ならではの中学受験必勝法とは

2025年4月4日(金)20時45分 All About

きょうだいが騒がしくて勉強に集中できないという悩みを耳にしますが、8人きょうだいの長男が通塾なしで中学受験したオトクサさん宅では「その環境がプラスに働くこともあった」そう。『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から抜粋し、紹介します。

きょうだいがいるから家では勉強がはかどらない……中学受験をするきょうだいっ子からは、そんな声も聞こえてきます。しかし、8人きょうだいのオトクサさんの息子さんは、塾に通わずに中学受験の勉強をして、見事開成中学に合格! きょうだいがいることが、子どもの学習にプラスに働いたそう。
ここでは、『通塾なしで開成合格! 中学受験おうち勉強法』から「きょうだいのいる家庭ならではの勉強法」をご紹介。また、開成中のような難関校を目指すには、博物館や実験教室などの実体験をしたほうがいいのか? についてのオトクサさんの回答も取り上げます。

きょうだいのいる家庭ならではの勉強法

オトクサ家の場合、長男の受験直前期は「長男:6年生・次男:3年生・三男:2年生」、現在は「次男:5年生・三男:4年生・四男:2年生」という学年で中学受験に挑んでおり、3歳差・2歳差・1歳差の子どもの勉強を体験してきましたが、中学受験においては、一人っ子や年の離れたきょうだいがいる方が有利であり、親の負担も少ないのは間違いないと思います。
しかし、その中でも見つけた、きょうだいならではのメリットについてお伝えします。

1.下の子に教えるのは一石三鳥

オトクサが外出中に算数でわからない問題があった場合、三男や四男は先送りにせず長男や次男に聞くことにしています。また、弟の勉強において、理科や社会の新単元のインプットを、あえて「兄が弟に教える」という学習法で実践したこともあります。
これは、兄にとって決して時間の無駄ではなく、自分がすでに学習を終えている単元について、復習しながら曖昧な部分を見つけられるという効果もあります。弟も勉強になるし、オトクサが教える時間も省くことができる、まさに一石三鳥な勉強方法です。

2.学習習慣がつけやすい

きょうだいが同じ時間に勉強するので、自分だけ怠けるという意識は自然と少なくなるのかもしれません。朝起きなかったら他のきょうだいが起こすので、朝勉の支え合いにもなっていると思います。
また、長男の勉強と遊び時間のバランスを見てきた弟達にとっては、それが当たり前です。次男や三男が、高学年になるにつれて1週間で友達と遊べる日数が減ることを受け入れていることはもちろん、いま1日中ゲームをしている五男も小学生になったら勉強しなくてはいけないことを理解しています。
兄が勉強で活用していたYouTubeや電子辞書を遊び道具として触っていたため、既に使い方を体得しているのも強みかもしれません。

3.きょうだいで楽しく競い合う

教育家の先生は、「きょうだいで比べてはいけません」と注意しますが、スポーツやゲームのように楽しく競い合うことで学習意欲が高まるメリットもあると思います。
〈きょうだいで楽しく競うパターン〉
・同学年時の模試成績比較:テストの点数や順位について「お兄ちゃんに挑戦!」と目標にする
・学習時間の比較:勉強時間足りてないぞ〜の声かけ
・計算や漢字勝負:アイツに負けるな! スピードや正確性の訓練
〈上の子の経験を活かすパターン〉
・4教科の勉強量のバランス:低学年時は理・社より算数の比重を圧倒的に高めよう
・教材や勉強法の見直し:上の子と同じことをすると苦手な分野がわかり内容を変えられる
・つまずきや重要ポイントの強化:兄の受験で学んだ重要ポイントを先取り学習できる
その他にも、書き込みをしていない問題集は、弟が活用できるという金銭的なメリットもあります。実際に次男の勉強では、『新演習問題集』以外はほぼ何も購入せずに、小学6年生を迎えようとしています。

博物館や実験教室などの実体験は?

「教科書で勉強するのと、現地で体験するのは全然違います。できる限り、親子で色々なところへお出かけしました」なんていう体験記を読むと、すごいなあと思います。オトクサ家の場合、旅費も時間もなく、これといった実体験はしていませんでした。
知育教育や過去問の2周目と同様に、実体験は「やらないよりやった方がいい」という考えです。博物館や実験教室などの実体験は、確かに子どもの知識や経験につながるでしょう。ただ、そんな余裕があるご家庭は一握りなのではないでしょうか。
私は、現場で見たり聞いたりする以上に、それについて親子で会話をすることが重要だと考えています。極端に言えば、YouTubeでも、図書館にある図鑑でもいい、親子で一緒に見て会話できれば十分なのではないでしょうか。
実際にオトクサ家で行った工夫をご紹介します。小学6年生になる前の春休みに、オトクサと長男で「1日図書館デー」を作りました。目的は、ビジュアルでわかりやすい理科の図鑑や参考書を読み漁ることです。単元をひと通り終えて、問題集でさまざまな出題パターンを味わったこの時期だからこそ、あえて理科を視覚で振り返る機会を設けました。

オトクサ家の1日図書館デー

1. 受験と関連しそうな図鑑をピックアップ
中学受験向けの本ではなく、春の植物だけで1冊、台風だけで1冊あるような専門的な図鑑
2. どんどん机に積み上げ、長男は写真を中心にインプット
3. オトクサは読み終わった本を随時返却しながら、新しく図鑑をピックアップ
4. 合間に長男と一緒に図鑑を読みながら会話
6年生になる前の貴重な1日でしたが、長男にとっては良い息抜きとなり、プランを立てた時から楽しみにしていました。「すごいね、この断層」「昆虫の口って全部違うんだねぇ」といった会話をしながら、楽しく1日を過ごした記憶があります。
その後、『ビジュアル理科事典』(学研)という理科図鑑の存在を知り、「最初からこれを買っておけばよかった」と思いました。中学受験に適した図鑑で、出題可能性がある写真が網羅され、丁寧な解説も記載されているためおすすめです。次男はこの図鑑を使用して勉強していますが、あえて図書館に行って図鑑を見ながら会話する1日も作りたいと考えています。

きょうだい関係をうまく勉強に取り込んで

きょうだいが多いと、「お兄ちゃん・お姉ちゃんがもうすぐ受験だから」と下の子に我慢をさせたり、勉強しやすい環境が整うように下の子と親だけで外出したりする場面もあるでしょう。
それも一つの解決方法ですが、きょうだいの関係性をうまく活用して勉強に取り組む環境を整えるのも良さそうです。
オトクサ プロフィール
1981年大阪府大阪市出身。小学生の時、自ら志願し 中学受験に挑戦し、私立の中高一貫校である清風中学校へ進学。中学・高校は塾に通わずに大阪大学に現役合格。現在、妻と8人の子どもとともに東京で暮らしている会社員。長男が塾なしで中学受験に挑戦する様子を描いたプログ『オトクサのほったらかし受験』では、子どもたちが自ら学び進めるための取り組みや、大家族ならではの日常を発信している。
(文:オトクサ)

All About

「受験」をもっと詳しく

「受験」のニュース

「受験」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ