所得による教育格差、保護者6割「やむをえない」「当然」

2018年4月5日(木)16時15分 リセマム

教育格差に対する意識

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所得による教育格差を容認する保護者が6割を超えることが2018年4月5日、ベネッセ教育総合研究所と朝日新聞社による共同調査の結果から明らかになった。「ゆとりがある層」72.8%、「ゆとりがない層」55.7%と、保護者の経済状況で差もみられた。

 「学校教育に対する保護者の意識調査2018」は2017年12月〜2018年1月、全国の公立学校に通う小学2年生、小学5年生、中学2年生の保護者を対象に実施した。有効回答数は7,400人。

 「所得の多い家庭の子どもの方がよりよい教育を受けられる傾向にある」という教育格差に対する意識は、「やむをえない」52.6%、「当然だ」9.7%と、あわせて62.3%が許容。「問題だ」は34.3%だった。

 保護者の経済状況別に許容する割合をみると、「ゆとりがある層」72.8%、「ゆとりがない層」55.7%と、17.1ポイントもの差があった。過去の調査結果と比較すると、許容層は2004年46.4%、2008年43.9%、2013年59.1%と増加傾向にあり、「ゆとりがある層」も「ゆとりがない層」も同じ傾向にあった。

 習い事、通信教育、塾、レッスンなど、学校外における子ども1人あたりの1か月の教育費は平均1万4,963円。2004年から継続して増えている。学校段階別では、小学生1万3,724円、中学生1万7,588円。保護者の学歴別では、父母ともに大卒1万9,114円、父母ともに非大卒1万1,838円。

 教育費の負担感については、「かなり負担を感じる」16.0%、「やや負担を感じる」27.4%、「少し負担を感じる」26.7%、「あまり負担を感じない」17.8%、「まったく負担を感じない」6.0%。負担を感じる保護者は、2004年から少しずつ増え続け、2018年では7割を超えている。

 教育無償化に対する意識として、「税金で負担すべき」と考える保護者の割合は、「公立高校の授業料」の78.8%がもっとも高かった。そのほか、「国公立大学の授業料」63.4%、「幼稚園・保育園の保育料(授業料)」54.4%、「経済的に恵まれない家庭の子どもの通塾費用」49.6%など。2013年との比較では、「私立高校の授業料」を「税金で負担すべき」と考える保護者は、33.2%から42.6%へと9.4ポイント上昇した。

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