30代からでも老眼鏡を使うべき理由「使用が早いと老眼が早く進むのでは?という人もいますが…」眼科医が実践する目の休め方
2025年4月8日(火)12時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
「人生100年時代」少しでも長く健康でいたいと思うものの、予防医療や健康術が世の中にあふれ、結局何が健康にいいのかわからない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、スーパードクター17名が専門医ならではの知恵ある健康習慣を解説した書籍『名医に聞く健康法』から一部を抜粋し、医師自身の〈私の健康法〉をお届けします。今回紹介するのは、二本松眼科病院副院長・平松類先生の健康法です。
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早めの老眼鏡をおすすめ
遠くを見て目を休める
毎日の診察に手術、一方で書類仕事もあり、何かと目を酷使する生活だと思っています。眼科医としても目は大切にしたい。酷使しすぎたらケアすることを意識しています。
手元を見る作業が続くときは、1時間に1回は遠くを見て目を休めるようにします。もちろん、手術中はさすがにそんなわけにはいきませんが……。
6メートル以上遠くを見るのが理想的ですが、家の中やクリニックではそんな環境は作れません。屋内ではせいぜい2メートルぐらいの距離になりますが、それでも充分、目を休めることにつながります。
壁に何か目印になるようなものを貼っておいて、1時間に1回はそこを見るようにするといいでしょう。
湯舟に浸かりながら温タオルもいい
目の疲れをとるには、温めることが有効です。お風呂に入って湯船につかりながら温かいタオルを目に当てるというのでもいいと思います。目には微細な血管がたくさんありますから、温めることによって血行が促進され、疲労物質を排出するのに役立ちます。
私は寝る前に、市販のグッズで目を温めるのが日課です。目が温まると気分的にもリラックスして入眠モードに入るのでしょうか、スムーズに眠りにつけます。
近年、ドライアイの症状を訴える人がとても増えていますが、目が乾くのもよくありません。眼精疲労のもとになりますし、目の表面が傷つきやすくなります。
私も目の乾きを覚えたらこまめに目薬をさすようにして予防しています。1日4~5回はさしていると思います。
緑内障予防のため野菜ファースト
私の両親が緑内障を患っていることもあり、自分自身もそのリスクが高いだろうと考え、予防を意識しています。食事は、野菜から先に食べるなどして、なるべく血糖値を上げない食べ方を心がけています。
というのも、緑内障は、高血圧、糖尿病といった生活習慣病や血管の衰えで悪化します。目はすごく小さな臓器ですから、ちょっと血流が悪くなっただけでも、その影響を強く受けてしまうのです。
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
黄斑変性などの病気を予防するルテインが豊富に含まれているほうれん草をよく食べています。また、黄斑変性には、ビタミン不足もよくないとされているので、マルチビタミンのサプリメントを摂ってビタミン不足にならないようにしています。
緑内障の予防には、運動もとても大切です。とはいえ、なかなかまとまって運動の時間をとるのは難しいので、仕事帰りにちょっとジムによって軽めの筋トレをするという感じです。週3回は行くように頑張っています。
老眼鏡を30代から使用
私が老眼鏡を使い始めたのは、30代後半です。特別、老眼の進み方が早かったということではなくて、最も目に負担をかけるのは手元を見るときなので、その負担を減らそうと長時間のデスクワークのときに使い始めました。
皆さん、老眼鏡にはどうも年寄りじみたイメージがあるようで、できるだけ使わずにがまんしている人をよく見かけるのですが、積極的に使っていただきたいですね。見づらいのにがまんして見るほうがよっぽど目に負担をかけることになるからです。30代からでも老眼鏡を使うことをおすすめします。
また、老眼鏡を使うのが早いと老眼が早く進むのでは? という人もいるのですが、そんなことはありません。老眼は加齢とともに誰でも進むもの。老眼鏡の使用歴とはまったく関係がないので、ご安心を。
※本稿は、『名医に聞く健康法』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
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