ツイッターは実名でやるに限る、と考える理由

4月8日(月)16時0分 NEWSポストセブン

年金機構は即更迭した(時事通信フォト)

写真を拡大


 ネットでの不適切な言動がもとで仕事を失い、賠償などの厳しい現実に直面するのは、「バカッター」や「バイトテロ」で知られる若者たちだけではない。社会的な地位もあり、経済的にも余裕があるいい大人が匿名アカウントでやらかし、身バレしていることが少なくないのだ。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、ツイッターで思い切った発言をしたい人こそ、実名でやるに限ると訴える。


 * * *

 韓国人や在日に対し、「食糞民族がこれ以上、来日することは、日本の社会不安の増大、特に治安の悪化に直結する」などと、ヘイトスピーチをツイッターに書きまくっていた人物が、世田谷年金事務所の所長であることがバレ、更迭された。様々なメディアに報じられ、彼の名前と愚かな行為はネットに残り続けることに。


 いい年したオッサンだったが、匿名を笠にロクでもない発言をしていた人物が身バレしたら当然炎上はするし職場に抗議電話は殺到。職場にもいづらいだろう。こうした身バレ案件の度に思うのが、「過激なことを言いたいのであれば、ツイッターは実名でやるに限る」ということである。


 今回元所長の身元がバレたのは、実名と所属を明らかにして使っていたインスタグラムの投稿を誤って匿名のツイッターに投稿してしまったことにあるとみられる。


 元所長は、「土井たか子(本名・李高順、昭和三十三年十月二十六日帰化)」なんて在日認定のデマを書く典型的ネトウヨだった。そんな男が身バレした途端、しおらしくなって「傷ついた皆様に深くお詫びいたします」としたうえで、二度と不適切発言をしないと宣言した。


 人は何を思おうが自由だが、公の場に出してはならない言葉というものがある(差別を肯定しているわけではない)。元所長はそうした言葉をこれまで使い続けてきただけに、今回の件では因果応報というか自業自得でまったく同情には値しない。


「実名でやるに限る」の理由だが、実名の利点は「抑止力が働く」ことが最大のものである。実名の場合、デマや差別的なことを書いたら信用が低下すると考え、投稿時にも慎重になる。匿名だと実生活に影響がないと思い込み、投稿は加速度的に過激になってくる。反対派とバトルしたり、同様の差別主義者から応援を受けたらもう止められない。


 また、身バレというものは、実生活に相当なダメージを与えられるため、被害を受けた側からすれば、その正体を暴きたいと考える。今回は、インスタに投稿すべきものをツイッターに投稿するというあまりにも迂闊な誤爆により身元が容易にバレたが、元々明かしていたら「正体暴き」という報復が通用しないのである。「お前、○○社の××だろ」「だからなんだ。そんなことは明かしているわ」で終わりだ。


 どんなに慎重にSNSをやっていようが、差別的なことや過激なことを書いている時点で、敵対者は絶対に生まれるもの。身元暴きを虎視眈々と狙う人々がいるだけに、最初から身元を明かしたうえで、慎重にSNSへ投稿するのが吉である。「節度ある過激」ってやつをせめて心掛けるべきなのである。


 昨今バイトが不適切行為をSNSに投稿する「バカッター」「バイトテロ」が流行っているが、身バレで失脚する人間はいい年した正規雇用の立場あるオッサンが多い。これはまさに「中高年バカッター」「正社員・正職員テロ」である。


●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など


※週刊ポスト2019年4月19日号

NEWSポストセブン

「ツイッター」をもっと詳しく

「ツイッター」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ