闇バイトによる強盗から身を守るための防犯対策とは?元警部補「冷静さを失った素人ほど怖いものはない。なので犯人に捕まってしまったら…」

2025年4月11日(金)6時30分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

警察庁が公表した「令和5年の刑法犯に関する統計資料」によると、2023年の侵入強盗の発生件数は414件で、前年と比べて約1.5倍に増加したそう。闇バイト強盗をはじめ、新手の犯罪が増えているなか、元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課警部補の佐々木成三さんは、現在メディアに多く出演し、防犯について発信しています。今回は、佐々木さんが最新の防犯対策について解説した著書『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』より、一部引用・再編集しお届けします。

* * * * * * *

警備会社に頼めば安心


闇バイトによる強盗から身を守るための方法として、強力な防犯対策があります。

それは、警備会社と契約することです。

警備会社と契約すると、24時間365日の警備体制で、侵入者などの異常を感知したり、住人が非常通報ボタンを押したりすると特別な訓練を受けたガードマンが駆けつけてくれます。

それと同時に、状況によって警察への通報もしてくれます。

つまり、住人は何もしなくても、あるいはボタンをひとつ押すだけで侵入者から身を守ることができるというわけです。

ただし、コスパが……


また、防犯カメラや人感センサー、開閉センサーなど、身を守るために必要な機器は、警備会社側がプロの目で判断して設置してもらえます。あなたが玄関のカギを付け替えたり、窓ガラスに保護フィルムを貼ったりすることはありません。

さらに言えば、警備会社と契約すると、門扉や玄関、窓ガラスなどに警備会社のステッカーが貼られるため、ひと目で強固な防犯システムで守られている家であることが実行犯に伝わります。それが、大きな抑止力になります。

ただし、万全の警備をお願いするだけに、防犯システムを設置する費用と24時間365日監視してくれる警備費用がかかります。

いつ狙われるかわからないリスクにかける費用として高いか、安いか。

その判断はあなたにお任せしますが、少なくとも、警備会社と契約することで大きな安心を得られることは間違いないと思います。

犯人に捕まってしまったら、命が最優先


あらゆる手を尽くしても、警察が到着するまでに実行犯に捕まってしまう場合があるかもしれません。

そのときは、命を守るために抵抗しないでください。


(写真提供:Photo AC)

おそらく実行犯から、抵抗されないように手足を縛られることになるでしょう。そして、現金はどこにあるのか、キャッシュカードや通帳、クレジットカードがどこにあるのか、宝石や貴金属類はどこにあるのか、脅されることになります。

闇バイトは、指示役から「縛ってでも、暴行してでも、金品のありかを聞き出して奪ってこい」と言われているからです。

この段階になったら、抵抗しても命を危険にさらすだけです。

被害が最小限に済む方法


冷静さを失っている素人ほど怖いものはありません。彼らが何をするのかまったくわからないからです。

金品を守るためにできることとしたら、家の中に現金や貴金属をできるだけ置かないようにするとか、例えば、貯金残高がない「空のキャッシュカード」などを事前に用意して、何かあったときに犯人の手に渡っても被害が最小限に済む方法も考えられます。

基本的には、実行犯の言うことに従いながら、実行犯の特徴を観察してください。年齢、身長、髪の色・長さ、服装、話し方など、何でもいいので覚えていると、実行犯が逃走したときに捜査の役に立ちます。

こういう事態にならないように、実行犯と対面しないための二手、三手の仕掛けが大切なのです。侵入に気づいたときに110番通報できていれば、その仕掛けのおかげで助かる確率は格段に高くなります。

※本稿は、『闇バイト強盗、特殊詐欺、盗難から身を守る いますぐ防犯』(アスコム)の一部を再編集したものです。

婦人公論.jp

「闇バイト」をもっと詳しく

「闇バイト」のニュース

「闇バイト」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ