函館のハンバーガー店「ラッキーピエロ」が手掛けるラーメンのお味は? 全3種をマニアが徹底分析

2021年4月11日(日)11時0分 Jタウンネット

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第五十三回 函館「ラッキーピエロ」の袋麺3種 文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第五十三回目。

今回はカップ麺ではなく、北海道・函館のソウルフードとしておなじみのハンバーガー店、「ラッキーピエロ」が函館土産として売っている袋麺、「ラッキーピエロラーメン」3種類をご紹介します。

函館のソウルフード「ラッキーピエロ」の袋麺

「ラッキーピエロ」といえば、北海道・函館の誇るソウルフードのひとつ。長蛇の列ができることでおなじみのハンバーガー店です。

函館のご当地グルメは、イカ刺し、トラピストクッキー、五島軒のカレー、函館塩ラーメンなどなどキラ星の如く......という感じですが、その中にあって、「ラッキーピエロ」のハンバーガーと「ハセガワストア」という地元コンビニで作っている「やきとり弁当」は、若い世代を中心にご当地グルメの代表的な存在として人気を博しています。

ロックバンド「GLAY」のメンバーがインディーズ時代に通い詰めていたというエピソードが広まったことで全国的に有名になり、「ラッキーピエロ」には地元民に加えて多くの観光客が押し寄せるようになりました。

1番人気は「チャイニーズチキンバーガー」で、これは本当に美味。五稜郭公園のベンチに座って食べる函館名物セット(ラッキーピエロ&ハセストやきとり弁当)はなかなかオツなものがあります。

「ラッキーピエロ」はレトルトカレー、缶ガラナ、きびだんご、クッキーなど多岐にわたる函館土産をてがけています。今回紹介する「ラッキーピエロラーメン」もその一つ。

ハンバーガーほどメジャーな存在ではありませんが、果たしてどんなラーメンなのでしょうか。ラッキーピエロらしさはあるのでしょうか。

内容物を確認

「しお」「しょうゆ」「みそ」いずれも、「液体スープ」と「麺」の袋が入っています。麺はノンフライ麺で、3種とも同じ太さ、量のものが入っているようです。

いずれの商品も、製造は「藤原製麺」という会社が担当しています。「ラッキーピエロ」は函館ですが、「藤原製麺」は旭川市の企業。オール北海道体制で作られている商品となっています。

内容物のみだと具がなくてさみしいので、今回はスーパーで手に入れた東洋水産の「焼豚メンマ」と、業務スーパーの冷凍「カットほうれん草」を使用します。我ながら結構豪華ですよね。普段はこんなリッチなラーメン食べてないです。

超あっさり味の塩ラーメン

函館ラーメンといえば塩!

そのためか、3種の「ラッキーピエロラーメン」の中でも最初に発売され、看板商品的な扱いを受けています。函館土産として手に取るなら、醤油ラーメンや味噌ラーメンよりもイメージしやすいのではないかと思います。

豚ガラベースの透き通った塩味スープです。スープ表面に油脂が浮いていますが、かなりあっさりした味となっています。

あっさり塩味スープといえば鶏ガラをイメージしますが、「ラッキーピエロラーメン(しお)」のスープは豚ガラ。豚ガラが使われていることが多い函館ラーメンのスープを意識しているものと思われます。

色味からあっさり味だろうなとは思ったのですが、食べてみると想像以上で、あっさりというより薄味でびっくり。

パッケージに書かれている作り方を見ると、600ミリリットルの水を沸騰させることになっていますが、もっと麺量の多い他社製品と比べても多めの分量。ある程度濃い味が好きな方なら500ミリリットルくらいで作っても良さそうです。

麺は、中細でストレート形状のノンフライ麺。ラッキーピエロの通販サイトでは「生タイプラーメンを超えた」と豪語されていますが、超えているかどうかはともかくとして、確かにおいしい。生麺風の歯切れの良さと風味が感じられます。

小麦のほのかな甘みをしっかり感じ取れるのは、スープがかなり薄味なことが影響しています。麺のおいしさを前面に出すためにスープを敢えて薄味にしているのなら、納得。

あっさりな中で鶏ガラとメンマが光る醤油ラーメン

続いては、塩ラーメンに続いて発売された「ラッキーピエロラーメン(しょうゆ)」。函館ラーメンといえば塩で、北海道の醤油ラーメンは旭川ラーメンが有名ですが、道内のラーメン店ではほとんどの場合、「味噌」「塩」「醤油」を取り揃えています。函館の名店と呼ばれるお店も例外ではありません。

塩ラーメンに負けじと、こちら醤油ラーメンも薄い色合いで、味もあっさり薄味。ただ、塩ラーメンに比べると薄味の中でも鶏ガラの芯が一本ハッキリ立っており、薄味が苦手な方でも比較的おいしさを感じ取りやすい味なのではないかと思います。

また、スープにもともと入っているメンマの風味(自分で入れた具のメンマではない)も目立っており、薄味とはいえ、塩ラーメンのスープに比べるとだいぶわかりやすい味となっていました。

薄味のスープが麺の甘みを引き立てているのは、塩ラーメンと共通。こちらも水の量600ミリリットルより少なくする方がスープのおいしさは増すでしょうが、麺の旨みを引き立てる薄味のスープも悪くないように思います。

味噌ラーメンはこってりマイルド系

最後は味噌ラーメン。味噌といえば札幌ラーメンですが、醤油同様、函館ラーメンのお店は味噌ラーメンも提供していることが多いです。味噌ラーメンは何となく、札幌に留まらず北海道の代表的なラーメンというイメージもあるので、北海道土産として最適かもしれませんね。

塩ラーメンや醤油ラーメンにはない、「しあわせみそラーメン」という別名がつけられています。まさか「合わせ味噌」とかけていたりするのでしょうか。

塩と醤油はスープが澄んでいましたが、味噌はがっつり味噌色。油も結構浮いており、見るからにこってりしていそう。オマケに、3作目にして水の量を550〜600ミリリットルと幅をもたせています。塩と醤油が600ミリリットルで作って薄く感じたので、今回は550ミリリットルで作ってみました。

最も特徴的なのが甘みの強さで、まろやかな味噌の味の中でガツンと甘さが際立っています。お店の「チャイニーズチキンバーガー」に通じるちょっとジャンキーな甘み。あっさり系の塩と醤油とは明らかに毛色が違いました。

ほのかに感じられる玉ねぎなどの旨みや粒ごまの風味も甘い味噌味スープを盛り上げており、こってり味を楽しみたいなら間違いなく三味の中で味噌味がいちばんでしょう。

「ラッキーピエロ」なのでチャイニーズチキン味に期待

函館のソウルフード「ラッキーピエロ」の袋麺でしたが、塩と醤油に関してはハンバーガー店らしからぬあっさり味。唯一、味噌ラーメンの甘さにハンバーガーに通じるジャンキーさが感じられました。

次に袋麺が出るとすると豚骨ラーメンあたりが有力ですが、せっかく「ラッキーピエロ」の商品なので、「チャイニーズチキンバーガー味」とか、お店で供されている「チャイニーズチキン焼そば」の再現に期待したいです。

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