朝鮮学校生徒や校長が「いじめだ」と反発・・・補助金の再考促す文科省通知

4月12日(火)19時18分 弁護士ドットコム

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自治体の判断にゆだねられている朝鮮学校への補助金について、文部科学省が3月下旬、28都道府県の知事あてに、再考を促す通知を出した。こうした動きを受けて、朝鮮学校の校長と生徒などが4月12日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開いて、通知の撤回を訴えた。



●馳浩大臣「減額や停止を求めたのではない」


3月29日に発表された文科省通知は、朝鮮学校について「政府としては、北朝鮮と密接な関係を有する団体である朝鮮総連が、その教育内容、人事および財政に影響を及ぼしているものと認識している」と述べた。さらに、「補助金の公益性、教育振興上の効果などに関する十分な検討」や、「補助金の趣旨・目的に沿った適正かつ透明性のある執行の確保」などを求めている。



馳浩文科相は3月29日の閣議後会見で、あくまで「補助金の交付の権限は自治体にある」と説明した。そのうえで、「減額や停止を求めたのではない」として、北朝鮮の核実験やミサイル発射、拉致問題への対応などをめぐる「制裁」という位置づけを否定した。



一方で、全国朝鮮高級学校校長会などは3月30日、「自民党内において『朝鮮学校への補助金を打ち切るべき』との理不尽な声があがる中で出されたことは明らかだ」と指摘。「極めて政治的で差別的措置」「子どもたちの学ぶ権利を侵害し、民族差別を助長する」として、通知を批判する談話を発表した。



●生徒「朝鮮学校は失うことができない大切なもの」


在日朝鮮人人権協会の金優綺さんは、この日の記者会見で、朝鮮学校が自治体から補助金を支給されてきた歴史的経緯や、すべての人に教育を受ける権利を認めた国連の社会権規約(日本政府は1979年批准)を引き合いに、「日本政府が行っていることは『朝鮮学校解体』をヘイト・スピーチデモで声高に主張するレイシストたちとまったく同じだ」と批判した。



東京朝鮮中高級学校の慎吉雄校長は「補助金を打ち切られると立ちゆかなくなる」と苦しい状況を訴えた。補助金が打ち切られた自治体の朝鮮学校は、授業料と保護者の寄付などで運営されているという。慎校長は「教師の給与や校舎修繕費用などが出せなくなってきているところもある」と話した。



東京の朝鮮学校に通う玄水香さん(高校3年)は「私たち在日朝鮮人への差別、ヘイトスピーチがあふれる異常な社会で、自分のルーツや歴史を知り、アイデンティティを確認できる朝鮮学校は失うことができない大切なもの。今回の通知は、朝鮮学校いじめだと思う。日本政府が差別を煽っているようにしか思えない」と、通知の撤回を求めていた。


(弁護士ドットコムニュース)

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