今にも動き出しそうな「ねじどうぶつ」が超キュート 金属に命を吹き込む溶接工に注目

2023年4月13日(木)20時0分 Jタウンネット

無機質な金属製品に命を吹き込む職人が東京にいる。

ツイッターユーザーのハタノ (@hatano_works)さんだ。大田区にある溶接会社「ハタノ製作所」の代表で、ホームセンターで販売されているねじや金具を組み合わせて溶接し、様々な動物を作っている。

2023年4月7日、ハタノさんはツイッター上で、これまで生み出してきた動物たちを紹介した。

上を向いたワニ、止まり木の上のフクロウ、カメにじゃれつくネコ。中にはフサフサの毛が生えているものもいる。

ハタノさんはこの、今にも動き出しそうな「ねじの動物(アニマル)」たちに「ネジマル」という名前を付けているようだ。

Jタウンネット記者は11日、ハタノさんに「ネジマル」を作り始めたきっかけやお気に入りの作品について聞いてみた。

細かい作業の練習として...

ハタノさんがどうぶつたちを作り始めたのは、2013年。溶接工場で働き始めたころだった。

「細かい作業の練習として作り始めました!工場の材料を勝手に使うと怒られてしまうので、たまたま落ちていた六角ボルトなら迷惑がかからないと思い『どうせなら可愛いものを作ろう』と考えて犬を模したフィギュアを作ったことがきっかけです」

そして、これまでに数百個ものどうぶつたちを生み出してきた。どれも可愛く思っているが、あえて「お気に入り」を選ぶなら「ケルベロス」だという。最初に作った「イヌ」から派生した作品だ。

「3つの頭をもつ冥府の番犬というストーリーから、金属同士を繋げる溶接にピッタリだと思い作りました。胴体を繋いだ部分に溶接の焼け色を綺麗に出すことが私のこだわりです。それまでの可愛いどうぶつだけでなく、『あれ、この人なにか変わったものを作っているぞ』と印象付けてくれたのもケルベロスが始まりです」

ハタノさんの過去の投稿を見てみると、他の「変わったもの」としては、尻尾が有線ケーブルになった「イヌ キメラ」(配線部品を扱う企業とコラボ)、全身にモフモフをまとった「イヌ アルパカフォーム」(アルパカ雑貨を扱う企業とコラボ)などがあるらしい。彼らは「特殊形状」と呼ばれている。

首のなが〜い最新作

ねじのどうぶつたちを作るときは、溶接面(マスク)を被って視界が暗い中で細かい作業を行う必要がある。それ自体は難しいのだが、ハタノさんは制作を楽しんでいると語る。

「製造業で働く身なので、慣れないハンドメイドイベントでの販売や準備をするのが大変ですが、日頃出会えない方々と交流したり新しいアイデアをいただけたりするのでやりがいを感じています!」

そんなハタノさんの最新作がこちら。

「ゾウ」「サイ」そして「首のなが〜い動物」だ。

ニョロっとしたゾウの鼻や、前に突き出したサイの角など、特徴をとらえた造形だ。首のなが〜い動物は、長すぎて頭が見切れてしまっている。キリンだろうか、あるいは新たな「特殊形状」だろうか......。

どうぶつたちの仲間は、これからも増え続けていくようだ。ハタノさんは今後の展望について、次のように語る。

「個人的に作りたい動物はゴリラやパンダ、そして神話やおとぎばなしに登場する架空の生物を作ってみたいです! 私の知らないねじや金具、そして可愛い動物がまだまだいるかもしれないので、もしアイデアがありましたら一緒に考えてもらえると嬉しいです!」

次は、どのような「ねじのどうぶつ」が誕生するのだろうか。新たなアイデアが楽しみだ。

Jタウンネット

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