これがホントの「どこの馬の骨ともわからん」...ってやつ? 由比ガ浜でまさかの遺物が発見される

2024年4月13日(土)8時0分 Jタウンネット

「あんなどこの馬の骨ともわからんヤツを拾って来るなんて!」

こんなセリフを見たり聞いたりしたことが、読者の皆さんにも1度くらいはあるだろう。ここでいう馬の骨は「素性がわからない」「身元不明」といった意味だ。

しかし、場所によっては文字通り「どこの馬の骨かわからんヤツ」が拾えることがあるようだ。

こちらは、群馬県在住の会社員・群馬化石好き(@gunmakasekisuki)さんが2024年4月12日に投稿した写真。

特徴的な形をした灰色の石のような物体を持っているようだが、添えられた呟きは——。

「馬の骨を拾いました」。ま、マジの馬の骨!?

Jタウンネット記者が11日、本人に話を聞いたところ、発見場所は由比ヶ浜海岸(神奈川県鎌倉市)。意外な「落とし物」に、X上ではこんな声が寄せられている。

「時代を感じる」
「リアル『どこの馬の骨』」
「どこの馬の骨とも知らんやつを拾うなw」

一体、どうして海岸に馬の骨が落ちているのだろうか? 記者は群馬化石好きさんに詳しい事情を聞いた。

結構見つかっているらしい

群馬化石好きさんが「馬の骨」を発見したのは10日15時頃。海岸を散歩しながらビーチコーミング(海岸への漂着物の収集や観察)をしていた時のことだった。

「由比ヶ浜海岸で見つかる物をネット検索したら、鎌倉時代の馬の歯や骨が見つかるとのことで骨を意識して探しました。
まさかすぐに見つかるとは思いませんでしたが、本当に鎌倉時代の馬の骨であればロマンを感じます」(群馬化石好きさん)

群馬化石好きさんいわく、骨は「馬の上腕骨と思われます」とのことだが、断定はできないという。

由比ヶ浜海岸で鎌倉時代の馬の骨や歯が発見されるということは、よくあることなのだろうか? 記者は12日、鎌倉市教育委員会にも話を聞いた。

取材に応じた同会文化財課の職員によると、鎌倉時代のものに限らず、骨や歯といった過去の遺物が鎌倉の海岸で採集されることはある。

特に、由比ヶ浜と滑川を挟んで東に位置する材木座海岸周辺での発見例が多いとのことだ。

海岸に打ちあがる理由は?

馬の骨や歯が漂着していることも驚きだが、過去には国産の土器や陶磁器、中国から輸入された青磁や白磁などの陶磁器が採集されたこともある。

こうした過去の遺物たちは、どこからやってきているのだろうか。

記者が改めて理由を聞くと、「かつて相模湾東部の人工島・和賀江嶋に寄港した貿易船の積荷が海へ流出したものが流れ着いてきている」というのがこれまで言われてきた説だった、と文化財課職員。

鎌倉市観光協会公式サイト上でも、和賀江嶋は日本国内で現存する最古の築港遺跡(港の遺跡)と紹介されており、可能性としては十分に考えられそうだ。しかし......。

「現在では当時の街中から廃棄されたゴミが、滑川などに流されて海へ至った、という考え方が主流の様です」(文化財課職員)

いずれにしろ、由比ヶ浜近辺に流れ着くものは、長い時を超えてきたものである可能性が高いようだ。

なお文化財課職員は、こうした遺物は原則的に遺失物法の適用を受けると説明する。

「(発見したら)むやみに移動させたりしないで、そっとしておくのがよい方法だと思います」(文化財課職員)

Jタウンネット

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