【ぶらり循環バスの旅】渋谷駅西口発・渋谷駅西口行「ハチ公バス」で松濤・富ヶ谷を満喫しよう
2024年4月13日(土)15時0分 ロケットニュース24
桜の開花を待っていたのに、気が付けばもう散ってしまいましたね。暖かくなったのは良いですけど。ちょっとさみしい気持ちにもなります……。こんにちは、佐藤です!
今日はJR渋谷駅の西口にやってきました。渋谷のコミュニティバス「ハチ公バス」で街をぶらり循環してみたいと思います。今回はどんな景色に出会えるのかな? じゃあ、さっそく行ってみましょう。レッツゴー!
・ハチ公バスでぶらり
このバスは、2001年より2ルートで運行を開始した路線です。現在(24年4月)は、恵比寿・代官山を循環する「夕やけこやけルート」、原宿、表参道などを経由する「神宮の杜(もり)ルート」、上原・富ヶ谷をまわる「丘を越えてルート」、初台、笹塚を経由する「春の小川ルート」の4つ路線が運行しています。
ちなみに夕やけこやけ・神宮の杜を東急バスが、丘を超えて・春の小川を京王バスがそれぞれ運行しているそうです。
運賃は大人・子ども同額の1乗車100円。ハチ公にちなんで “ワン” コインということでしょうね。今回は丘を越えてルートで、街をめぐります。
最初の停留所は渋谷駅西口ってことなんですが……。
西口はずいぶん様子が変わりましたねえ。ここ1〜2年はずっと駅周辺を工事していて、景観が変わりすぎて、どこがどこだかサッパリわからない。目印になる建物が続々と取り壊されてしまって、知らない街の駅みたいですよね。
え〜と……、バス停の案内を見ると、ハチ公バスの乗り場は〜……。
ココ!? ハチ公口側じゃないか! 一応駅の西側ではあるけど、ハチ公口を出た方が近かったような……。渋谷西武の前か、とりあえずそっちに行きましょう。
今日は天気がいいから、平日の午前でも人が多いなあ。外国人観光客でハチ公像の前は行列ができていますよ。
渋谷駅前交差点をわたっていたところ……、あ! バスが来ちゃってる!! 急がないと、置いてかないで〜!
ギリギリ発車時刻に間に合いました。駆け寄る私の存在に、運転手さんが気づいてくれて助かりました。ハチ公のラッピングを施したノンステップのミニバスです。車長は短いですが天井が高いので、狭い感じはしないですね。
窓を見たところ「雨の日はここまで!」の注意書き。開けっ放しにしちゃう人がいるのかな?
最後部の座席にはひじ掛けがあって、ちょっと優雅な気持ちで座れます。
普段は歩いて回る渋谷の街を、バスから眺めるのは新鮮ですね。それにしても、この辺の道路は複雑で交通量が多く、歩行者も多いです。運転するのは大変だろうなあ。運転手さん、ご苦労様です!
この路線のルートが興味深く、渋谷駅西口を出ると高架をくぐって東側へ。宮下公園前を通って再び西側に出て、代々木上原駅の方面に向かうんですよね。だから2度、渋谷駅前交差点を通るんです。
・松濤美術館
文化村通りを通って、まずは最初の寄り道「松濤美術館入口」。美術館に行ってみましょう!
現在やっているのは、奇想のガラス作家といわれた「エミール・ガレ展」です(6月9日まで)。ガレは、19世紀末のヨーロッパで開花した装飾芸術運動「アール・ヌーヴォー」の旗手として有名な工芸家です。
また、ガラス工芸の技術を高めて世に広めることにも尽力したそうです。産業革命以降、ガラス工芸品は単なる実用品としか見られていませんでした。デザインや技法を発展させることによって、そんな実用品をより美術価値の高いものに飛躍させたのだとか。
芸術には疎(うと)く難しいことはわかりませんが、そんな私でも繊細な作り込みや、ガラスならではの美しい色合いに感動しました。入館料は大人800円、驚くべき天才作家の美しいガラス工芸を楽しめます。
・美味しいブラウニー
美術館を離れて、次のバスに……。と思ったけど、次の便が来るまで待ちそうなので、少し歩きましょう。そのうちバスが追いついてくるんじゃないかなあ。東大前・東大裏の停留所を通過して、「富ヶ谷ニ丁目」まで歩いてしまいますか。
だいぶ歩いたけど、まだ時間はありそうなのでちょっと寄り道しちゃお。ちょうど良くカフェを発見! 「Letter press Letters(レタープレスレターズ)」というお店ですね。
カフェだと思ったんですけど、実は活版印刷のスタジオでした。1階がカフェで2階がスタジオ。あとから調べたところ、1960年代に作られたビンテージのレタープレス機や木版、金属のアルファベット書体を多数揃えているそうです。
ここでコーヒー(税込420円)とブラウニー(税込550円)を頼んでみました。コーヒーだけにしようと思ったんですけど、並んでいる焼き菓子やケーキがあまりにも美味しそうだったもので、つい……。
それらと一緒に、今日の日付(4月11日)の入った封筒付きカード(税込605円)も買ってみました。このカードはリソグラフ印刷ですね。レトロな印象で可愛らしいです。
ちょっと時間を潰すつもりで立ち寄ったのですが、ここのブラウニーが驚くほど美味しかった! 表面はサクっとしていて、中がふんわりと柔らかな食感。口に入れると綿雪のようにスッと溶けて、チョコレートの濃厚な甘さが余韻のように残る。
このお店、また来たい! きっとほかのスイーツも絶対美味しいはずです!! フラリと立ち寄ったお店で驚くべき味に出会える。だから、バス旅は楽しいんですよね〜!
もちろん、いつも良いことばかりではないけど……。
・時刻表を見間違えて…
良いことばかりではない。それを象徴するような出来事がこのあと起きました。どうやらここに来るまで、時刻表の見方を間違っていたみたいなんです。私は1時間に1本のペースでバスが来ると思っていました。時刻表の左端に「平・土・日祝 共通」とあったから、てっきり横に見るものだと……。
でもコレ、曜日に関係なく縦に見るべきだったようです! 1時間に1本ではなく、毎日毎時3本ずつの運行だった〜!! しまった……。
で、結局次のバスはいつ来るの!? 幸いバス停に、リアルタイムの運行状況を確認できるサイトのQRコードがありました。コレを読み込んでみたら……。
お、もう来る! 今来る!!
キターーー! 待ってたよ、ハチ公バス!!
ずいぶんムダに歩いたけど、おかげで美味しいブラウニーに出会えて結果オーライ……。
・古賀政男音楽博物館
次は「古賀音楽博物館」で降りました。古賀政男音楽博物館に行ってみますよ。
古賀政男とは、昭和の代表的な作曲家です。没後に音楽家として初めて国民栄誉賞を贈られた人物でもあります。生涯で制作した曲は5000曲にのぼるとも言われており、作り出された名曲の数々は「古賀メロディー」と称されています。
代表曲に「丘を越えて」(藤山一郎)、「東京ラプソディ」(藤山一朗)、「柔」(美空ひばり)など、枚挙に暇がありません。作曲だけでなく、日本作曲家協会・日本レコード大賞を創設し音楽界に多大な功績を残しました。
この博物館には、彼にゆかりのある品々と共に、日本の大衆音楽・歌謡史に関する資料も展示されています。入館料は大人550円です。
個人的には、1000曲以上の古賀メロディーを聞くことができるミュージックライブラリーが興味深かったです。日本の大衆音楽の歴史を知りたかったら、ここにくれば大抵のことはわかるのではないでしょうか。音楽資料だけでなく、図書資料もかなり充実しています。
実は同じ敷地に、見たことのある建物が……。
JASRAC(日本著作権協会)!
JASRACは1939年に前身の「社団法人大日本音楽著作権協会」を創設。古賀政男も1974年に会長に就任しています。どういった経緯でここに本部を構えているのかは不明ですが、いずれにしても博物館もJASRACも日本の音楽に関する重要な場所であるに違いないでしょう。
・ミ・チョリパン
そろそろお腹が空いたので昼食にしましょう。ここのすぐ近くにとても良いお店があるんですよね。日本で本格的なアルゼンチンのソウルフード「チョリパン」を食べられるお店、「ミ・チョリパン」です。
2013年のオープン当時、当サイトでも紹介させて頂きました。チョリパンとは、ソーセージ(チョリソ)をパンで挟んだ、いわばホットドッグです。ソーセージは完全手作り、ブエノスアイレスで修行したオーナーが本場の味を提供しています。
注文したのは、スペシャルチョリパン・サイドディッシュ・ドリンクのついた「ランチCセット」(税込1530円)です。サイドはエンパナーダ、ドリンクはマテ茶を選びました。
エンパナーダは具入りの揚げパンみたいなもの。サクサクの生地の中にはとろ〜りトロけるチーズが入っていました。
チョリパンは、半割にして焼いた自家製チョリソとレタス・トマト。それから炒め玉ねぎ・ネギマヨネーズ・アルゼンチンサルサ・チミリョリソース・マスタードが入っています。粗挽きソーセージの肉感とソースの酸味が絶妙。何より、それらを包むパンが美味しい!
コレにかぶり付きながら、サッカー観戦したら盛り上がりそう。野球観戦でも良いけどね!
・歩いてしまう
このままバスで折り返し地点の代々木上原駅まで行くべきなのですが、富ヶ谷の停留所まで歩きます。今日は歩きの多いバス旅になってしまった……。
山手通りと井の頭通りの交差点を過ぎた辺りで空地で、意外なものを見つけました。コレ、何かわかります? 田舎育ちの私は懐かしく感じましたよ。
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)という雑草です。夏前頃になると、実がカラカラに乾燥するので、中身を取って半割にすると笛になるんですよ。うちの地元では「ピーピー豆」と呼んでいました。
笛にするにはまだ若いなあ。それにしても渋谷でピーピー豆を見つけるとは思いませんでしたよ。こんなところにも生えてるんですねえ。
「富ヶ谷一丁目」の停留所を目指して歩いていたら、豆売りのコーヒー屋さん「豆虎」を見つけました。
ここは焙煎した豆も生豆も売ってるし、ドリップも売っているんですけど、少量で挽き豆も売っていたんですよね、「マンデリンゴールデンリントン」(税込195円)と「キアンブスイート」(税込184円)を買ってみました。
この売り方、助かります! 豆の味を覚えたいので、いろいろな種類を買いたいんだけど、だいたいどこも100グラム単位でしか販売してないんですよ。そうすると飲み切るまで次のを買えないでしょ。でも、少量のスティックなら味をみて気に入ったら、まとめて買えばいいし、気に入らなかったらすぐに次のに行ける。良い売り方ですよね。
・名曲喫茶ライオン
「富ヶ谷一丁目」で乗って、「東急百貨店本店前」で降りました。バス停はありますけど、東急百貨店はありません。ここも建て替えのための取り壊しで跡形もなく……。本店のない本店前ですね。
最後にここにも寄って行きます。歴史ある店「名曲喫茶ライオン」です。創業1926年だから、もうすぐ100周年ですよ!
ちょっと特殊な喫茶店で、店内は劇場型になっていてクラシック音楽を立派なオーディオで流しています。お店ではそのオーディオシステムを「立体音響装置」と呼んでいます。古くから音楽ファンに愛されていて、他のお店にはない特別なルールに私語禁止があるんですよね。お客さんは誰もしゃべりません。お店の人も小声でオーダーを取りに来ます。
私も20年前に初めて訪ねた時はかなり驚きましたけど、以来、静かに音楽を聞きたい時に来ています。いいんですよね、ただ黙って音楽を聞くって。頭を空っぽにして音楽に浸れる時間は心地よいものです。
コーヒーを1杯頂いて、歩いて渋谷駅に帰ってきました。都合4時間の行程、今回はバスの時刻表を見間違えたことの影響で、バスに乗ってる時間が短かった……。
まだまだぶらりバスの初心者ですね。できるだけ歩かずに移動しないと、反省です……。次はもっとしっかりバスを楽しみたいと思います。それでは、次の循環バスでお会いしましょう。それまで、ごきげんよう〜!!
参考リンク:渋谷区ハチ公バス、松濤美術館、Letter Press Letters、古賀政男音楽博物館、ミ・チョリパン
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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今日はJR渋谷駅の西口にやってきました。渋谷のコミュニティバス「ハチ公バス」で街をぶらり循環してみたいと思います。今回はどんな景色に出会えるのかな? じゃあ、さっそく行ってみましょう。レッツゴー!
・ハチ公バスでぶらり
このバスは、2001年より2ルートで運行を開始した路線です。現在(24年4月)は、恵比寿・代官山を循環する「夕やけこやけルート」、原宿、表参道などを経由する「神宮の杜(もり)ルート」、上原・富ヶ谷をまわる「丘を越えてルート」、初台、笹塚を経由する「春の小川ルート」の4つ路線が運行しています。
ちなみに夕やけこやけ・神宮の杜を東急バスが、丘を超えて・春の小川を京王バスがそれぞれ運行しているそうです。
運賃は大人・子ども同額の1乗車100円。ハチ公にちなんで “ワン” コインということでしょうね。今回は丘を越えてルートで、街をめぐります。
最初の停留所は渋谷駅西口ってことなんですが……。
西口はずいぶん様子が変わりましたねえ。ここ1〜2年はずっと駅周辺を工事していて、景観が変わりすぎて、どこがどこだかサッパリわからない。目印になる建物が続々と取り壊されてしまって、知らない街の駅みたいですよね。
え〜と……、バス停の案内を見ると、ハチ公バスの乗り場は〜……。
ココ!? ハチ公口側じゃないか! 一応駅の西側ではあるけど、ハチ公口を出た方が近かったような……。渋谷西武の前か、とりあえずそっちに行きましょう。
今日は天気がいいから、平日の午前でも人が多いなあ。外国人観光客でハチ公像の前は行列ができていますよ。
渋谷駅前交差点をわたっていたところ……、あ! バスが来ちゃってる!! 急がないと、置いてかないで〜!
ギリギリ発車時刻に間に合いました。駆け寄る私の存在に、運転手さんが気づいてくれて助かりました。ハチ公のラッピングを施したノンステップのミニバスです。車長は短いですが天井が高いので、狭い感じはしないですね。
窓を見たところ「雨の日はここまで!」の注意書き。開けっ放しにしちゃう人がいるのかな?
最後部の座席にはひじ掛けがあって、ちょっと優雅な気持ちで座れます。
普段は歩いて回る渋谷の街を、バスから眺めるのは新鮮ですね。それにしても、この辺の道路は複雑で交通量が多く、歩行者も多いです。運転するのは大変だろうなあ。運転手さん、ご苦労様です!
この路線のルートが興味深く、渋谷駅西口を出ると高架をくぐって東側へ。宮下公園前を通って再び西側に出て、代々木上原駅の方面に向かうんですよね。だから2度、渋谷駅前交差点を通るんです。
・松濤美術館
文化村通りを通って、まずは最初の寄り道「松濤美術館入口」。美術館に行ってみましょう!
現在やっているのは、奇想のガラス作家といわれた「エミール・ガレ展」です(6月9日まで)。ガレは、19世紀末のヨーロッパで開花した装飾芸術運動「アール・ヌーヴォー」の旗手として有名な工芸家です。
また、ガラス工芸の技術を高めて世に広めることにも尽力したそうです。産業革命以降、ガラス工芸品は単なる実用品としか見られていませんでした。デザインや技法を発展させることによって、そんな実用品をより美術価値の高いものに飛躍させたのだとか。
芸術には疎(うと)く難しいことはわかりませんが、そんな私でも繊細な作り込みや、ガラスならではの美しい色合いに感動しました。入館料は大人800円、驚くべき天才作家の美しいガラス工芸を楽しめます。
・美味しいブラウニー
美術館を離れて、次のバスに……。と思ったけど、次の便が来るまで待ちそうなので、少し歩きましょう。そのうちバスが追いついてくるんじゃないかなあ。東大前・東大裏の停留所を通過して、「富ヶ谷ニ丁目」まで歩いてしまいますか。
だいぶ歩いたけど、まだ時間はありそうなのでちょっと寄り道しちゃお。ちょうど良くカフェを発見! 「Letter press Letters(レタープレスレターズ)」というお店ですね。
カフェだと思ったんですけど、実は活版印刷のスタジオでした。1階がカフェで2階がスタジオ。あとから調べたところ、1960年代に作られたビンテージのレタープレス機や木版、金属のアルファベット書体を多数揃えているそうです。
ここでコーヒー(税込420円)とブラウニー(税込550円)を頼んでみました。コーヒーだけにしようと思ったんですけど、並んでいる焼き菓子やケーキがあまりにも美味しそうだったもので、つい……。
それらと一緒に、今日の日付(4月11日)の入った封筒付きカード(税込605円)も買ってみました。このカードはリソグラフ印刷ですね。レトロな印象で可愛らしいです。
ちょっと時間を潰すつもりで立ち寄ったのですが、ここのブラウニーが驚くほど美味しかった! 表面はサクっとしていて、中がふんわりと柔らかな食感。口に入れると綿雪のようにスッと溶けて、チョコレートの濃厚な甘さが余韻のように残る。
このお店、また来たい! きっとほかのスイーツも絶対美味しいはずです!! フラリと立ち寄ったお店で驚くべき味に出会える。だから、バス旅は楽しいんですよね〜!
もちろん、いつも良いことばかりではないけど……。
・時刻表を見間違えて…
良いことばかりではない。それを象徴するような出来事がこのあと起きました。どうやらここに来るまで、時刻表の見方を間違っていたみたいなんです。私は1時間に1本のペースでバスが来ると思っていました。時刻表の左端に「平・土・日祝 共通」とあったから、てっきり横に見るものだと……。
でもコレ、曜日に関係なく縦に見るべきだったようです! 1時間に1本ではなく、毎日毎時3本ずつの運行だった〜!! しまった……。
で、結局次のバスはいつ来るの!? 幸いバス停に、リアルタイムの運行状況を確認できるサイトのQRコードがありました。コレを読み込んでみたら……。
お、もう来る! 今来る!!
キターーー! 待ってたよ、ハチ公バス!!
ずいぶんムダに歩いたけど、おかげで美味しいブラウニーに出会えて結果オーライ……。
・古賀政男音楽博物館
次は「古賀音楽博物館」で降りました。古賀政男音楽博物館に行ってみますよ。
古賀政男とは、昭和の代表的な作曲家です。没後に音楽家として初めて国民栄誉賞を贈られた人物でもあります。生涯で制作した曲は5000曲にのぼるとも言われており、作り出された名曲の数々は「古賀メロディー」と称されています。
代表曲に「丘を越えて」(藤山一郎)、「東京ラプソディ」(藤山一朗)、「柔」(美空ひばり)など、枚挙に暇がありません。作曲だけでなく、日本作曲家協会・日本レコード大賞を創設し音楽界に多大な功績を残しました。
この博物館には、彼にゆかりのある品々と共に、日本の大衆音楽・歌謡史に関する資料も展示されています。入館料は大人550円です。
個人的には、1000曲以上の古賀メロディーを聞くことができるミュージックライブラリーが興味深かったです。日本の大衆音楽の歴史を知りたかったら、ここにくれば大抵のことはわかるのではないでしょうか。音楽資料だけでなく、図書資料もかなり充実しています。
実は同じ敷地に、見たことのある建物が……。
JASRAC(日本著作権協会)!
JASRACは1939年に前身の「社団法人大日本音楽著作権協会」を創設。古賀政男も1974年に会長に就任しています。どういった経緯でここに本部を構えているのかは不明ですが、いずれにしても博物館もJASRACも日本の音楽に関する重要な場所であるに違いないでしょう。
・ミ・チョリパン
そろそろお腹が空いたので昼食にしましょう。ここのすぐ近くにとても良いお店があるんですよね。日本で本格的なアルゼンチンのソウルフード「チョリパン」を食べられるお店、「ミ・チョリパン」です。
2013年のオープン当時、当サイトでも紹介させて頂きました。チョリパンとは、ソーセージ(チョリソ)をパンで挟んだ、いわばホットドッグです。ソーセージは完全手作り、ブエノスアイレスで修行したオーナーが本場の味を提供しています。
注文したのは、スペシャルチョリパン・サイドディッシュ・ドリンクのついた「ランチCセット」(税込1530円)です。サイドはエンパナーダ、ドリンクはマテ茶を選びました。
エンパナーダは具入りの揚げパンみたいなもの。サクサクの生地の中にはとろ〜りトロけるチーズが入っていました。
チョリパンは、半割にして焼いた自家製チョリソとレタス・トマト。それから炒め玉ねぎ・ネギマヨネーズ・アルゼンチンサルサ・チミリョリソース・マスタードが入っています。粗挽きソーセージの肉感とソースの酸味が絶妙。何より、それらを包むパンが美味しい!
コレにかぶり付きながら、サッカー観戦したら盛り上がりそう。野球観戦でも良いけどね!
・歩いてしまう
このままバスで折り返し地点の代々木上原駅まで行くべきなのですが、富ヶ谷の停留所まで歩きます。今日は歩きの多いバス旅になってしまった……。
山手通りと井の頭通りの交差点を過ぎた辺りで空地で、意外なものを見つけました。コレ、何かわかります? 田舎育ちの私は懐かしく感じましたよ。
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)という雑草です。夏前頃になると、実がカラカラに乾燥するので、中身を取って半割にすると笛になるんですよ。うちの地元では「ピーピー豆」と呼んでいました。
笛にするにはまだ若いなあ。それにしても渋谷でピーピー豆を見つけるとは思いませんでしたよ。こんなところにも生えてるんですねえ。
「富ヶ谷一丁目」の停留所を目指して歩いていたら、豆売りのコーヒー屋さん「豆虎」を見つけました。
ここは焙煎した豆も生豆も売ってるし、ドリップも売っているんですけど、少量で挽き豆も売っていたんですよね、「マンデリンゴールデンリントン」(税込195円)と「キアンブスイート」(税込184円)を買ってみました。
この売り方、助かります! 豆の味を覚えたいので、いろいろな種類を買いたいんだけど、だいたいどこも100グラム単位でしか販売してないんですよ。そうすると飲み切るまで次のを買えないでしょ。でも、少量のスティックなら味をみて気に入ったら、まとめて買えばいいし、気に入らなかったらすぐに次のに行ける。良い売り方ですよね。
・名曲喫茶ライオン
「富ヶ谷一丁目」で乗って、「東急百貨店本店前」で降りました。バス停はありますけど、東急百貨店はありません。ここも建て替えのための取り壊しで跡形もなく……。本店のない本店前ですね。
最後にここにも寄って行きます。歴史ある店「名曲喫茶ライオン」です。創業1926年だから、もうすぐ100周年ですよ!
ちょっと特殊な喫茶店で、店内は劇場型になっていてクラシック音楽を立派なオーディオで流しています。お店ではそのオーディオシステムを「立体音響装置」と呼んでいます。古くから音楽ファンに愛されていて、他のお店にはない特別なルールに私語禁止があるんですよね。お客さんは誰もしゃべりません。お店の人も小声でオーダーを取りに来ます。
私も20年前に初めて訪ねた時はかなり驚きましたけど、以来、静かに音楽を聞きたい時に来ています。いいんですよね、ただ黙って音楽を聞くって。頭を空っぽにして音楽に浸れる時間は心地よいものです。
コーヒーを1杯頂いて、歩いて渋谷駅に帰ってきました。都合4時間の行程、今回はバスの時刻表を見間違えたことの影響で、バスに乗ってる時間が短かった……。
まだまだぶらりバスの初心者ですね。できるだけ歩かずに移動しないと、反省です……。次はもっとしっかりバスを楽しみたいと思います。それでは、次の循環バスでお会いしましょう。それまで、ごきげんよう〜!!
参考リンク:渋谷区ハチ公バス、松濤美術館、Letter Press Letters、古賀政男音楽博物館、ミ・チョリパン
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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