「帰ってこない夫を待つのに疲れ家出した私。息子を抱いて座り込んでたら『赤ちゃんがかわいそう』と言われて...」(愛知県・50代女性)

2023年4月15日(土)8時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Uさん(愛知県・50代女性)

その日、Uさんは幼い息子を連れて家出をし、当てもなく歩いていた。

やがて疲れて座り込んだ店先で、彼女に声をかけてきたのは......。

<Uさんの体験談>

待てど暮らせど帰ってこない夫を待つことに疲れた私は、ある日生後2か月の息子だけを連れて家を出ました。

しかし、親の反対を押し切って結婚した私は実家に帰ることもできず......あてもなく彷徨い歩くしかありませんでした。

「あなたはいいけど......」

やがて歩き疲れてしまい、あるお店の前に座り込みました。するとカランカランと音が鳴り、床屋さんのおかみさんが出てきて、こう言ったのです。

「あなたはいいけど、赤ちゃんがかわいそうよ。中に入りなさい」

そんな風に優しく諭してくれたおかみさんのお言葉に甘えて、私は床屋の中に入らせていただくことに。そして、きれいなグリーンの緑茶を出していただきました。

「好きなだけいていいから」

おかみさんのその一言で、私は張り詰めていた糸が切れたかのように、涙が後から後から溢れて止まりませんでした。

そうしてしばらくして泣くだけ泣ききったら、すっきりしました。深々とお礼をし、息子を連れて絶対にお礼に来ようと思いました。

「あのひと時のおかげで今の私と息子がいます」

ただ、それからなかなかお礼に行けずに、行動に移そうとしたときには数年が経ってしまっていました。その頃にはもう場所の記憶もあやふやで、床屋さんということだけをたよりに探しましたが、ついに見つけられず......。

もう、26年も前のことになります。ご健在かもわかりませんが、今ここで改めてお礼を言わせてください。

その節は本当にありがとうございました。あの一言、あの一杯のお茶、あのひと時のおかげで今の私と息子がいます。

心から感謝しております。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko[a]j-town.net、[a]を@に変更)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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