深海2000メートルの熱水噴出孔で形成されていたのは、多様な生物に覆われた鏡のような鉱物の塔(メキシコ)

4月18日(木)22時30分 カラパイア

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Schmidt Ocean Institute:youtube

 カリフォルニア湾の深度2000メートルの海の底に、この世のものとは思えぬ世界が広がっていた——。

 塔のような鉱物がそびえ、無数の海洋生物が暮らす別世界の撮影に、シュミット海洋研究所の研究者が成功した。

 水中カメラと放射線測定器を搭載した遠隔操作探査機「SuBastian」は、高さ23メートル、幅10メートルもある金属を含む鉱物の柱の周囲を潜行。

 そこから噴出される熱水には硫化物が含まれており、まるで鏡のような幻想的な雰囲気を作り出していた。


Microbial Mysteries - Wrap Up Video - FK190211
 シュミット海洋研究所 サマンサ・ジョアイ氏は語る。

どこもかしこもさまざまな生物に覆われた素晴らしい塔を発見しました。色鮮やかなまさに”生きた岩”で、多様な生物と鉱物の存在が窺えます。驚異の生物を記録することができ、それらが極限環境の中でどのように生きているのか学べる天然の実験室です。


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メキシコ、カリフォルニア湾の熱水噴出孔「カテドラルヒル」。たまった熱水の反射によってウロコムシが逆さまに映る
(Schmidt Ocean)



・海洋生態系や温暖化に影響する海底の熱水とガス

 この研究では、熱水噴出孔のほか、海水や堆積物の中にメタンが蓄えられる仕組みについても調査が進められた。

 深海の底から突き出た熱水噴出孔と噴出するメタンは、海洋生態系や世界の気候に大きな影響を与えていると考えられている。

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「グライマス・ベイスン」の微生物が織りなす美しい光景
(Schmidt Ocean)

 回収された堆積物と液体のサンプル分析から判明したのは、熱水とガスには、二酸化炭素の30倍という強力な温室効果ガスが含まれているということだ。
 
海の底にはまったくの別世界があります。潜るたびに、SF映画の中に浮かび上がるような感じです。

こうした驚くべき海の風景を見ると、目には映らなくても、ここも人間の影響から無縁ではいられないのだということを思い知らされます。(シュミット海洋研究所 ウェンディ・シュミット氏)

 今後、研究チームは複雑なデータを解析して、カリフォルニア湾海底の理解を進め、世界のほかの海洋環境とどのようにつながっているの究明していく予定だそうだ。

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熱水付近に群がるガラパゴスハオリムシ、アルビネラ、バクテリアマット(大量に繁殖したバクテリアによっての敷物ようになった状態)。あらゆる隙間に生命がいる
(Schmidt Ocean)

・深海2000メートルにも人間の捨てたゴミが大量に

 しかし、がっかりさせられることもあったそうだ。

 この海底の美しい環境であってさえも、漁網、ポリエステルフィルムの風船、クリスマスツリーなど、そこかしこに人間が捨てたゴミも大量に発見されたという。

References:schmidtocean/ written by hiroching / edited by parumo

カラパイア

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