大阪・あいりん地区を紹介するVtuber"日雇礼子"にネット民騒然 「バーチャルなのにリアルを叩きつけてくる」
2018年4月21日(土)9時19分 キャリコネニュース
日雇労働者たちが多く宿泊するとして知名度が高い、大阪「あいりん地区」。宿泊料金の安い簡易宿泊所が集まるこの地名を耳にしたことはあっても、実際にどのような場所なのかよく知らない人も多いだろう。
そんな中、ユーチューブにあいりん地区などを案内するバーチャルユーチューバー「日雇礼子」さんが登場し、ネット上で話題となっている。日雇さんは自身を"バーチャルその日暮らしお姉さん"と称し、止むに止まれぬ事情で簡易宿泊所を寝床にしているという。
仕事は「大阪のディープな場所やライトな場所を、体を張って紹介すること」。今年3月下旬から投稿を始め、4月16日現在で投稿動画は4本、チャンネル登録者数は4423人となっている。
「あいりん労働福祉センターは朝5時に並ばないと仕事が貰えない」投稿された動画は、実際に街を歩きながら、撮った映像とともに案内するというものだ。あいりん地区について、日雇さんは動画内で「自分を普通の街だと思いこんでいるスラム街」と呼び習わしている。しかし、
「近頃のあいりんは安全面でかなりマシになっているのよ。だから外国人バックパッカーが宿泊費と食費の安さから結構利用しているの」
「昔と比べてめっちゃキレイになったわね。生ゴミが散乱して野良犬くんが徘徊していた10年前と比べたら嘘のようよ。これもここに住む日雇い労働者を使ってお掃除と見回りをさせた効果ね」
など、近年は環境改善されているとアピールする。他にも、あいりん地区の安旨グルメや、安宿、安全な宿の見分け方もレクチャーしている。
4月9日投稿の動画では、日雇労働の就労斡旋を行う「あいりん労働福祉センター」を撮影し、日雇労働のリアルを伝えた。
同センターの求人は建設労働が多いことから「肉体を鍛えてから来ることを強くオススメ」というが、肉体労働が多すぎることが問題になっているとも指摘する。また、センターで仕事をもらうためには、朝5時には窓口に並ばないといけないらしい。日雇労働の過酷さや労働者の多さを語った。
ほかにも、仕事がなかった場合の無収入の回避策として、条件を満たせばセンターから「アブレ手当」がもらえること、割の良くない仕事を斡旋する「闇手配師」がいることなども説明されている。あいりん地区でどのように収入を得、食と住居を安く手に入れるかのハウトゥーとなっている。
「バーチャルじゃなかったら毒が強い。見事なバランスのドキュメンタリー」異色のVtuberの登場にネット上では、称賛や困惑の声が多く寄せられている。
「日雇礼子はこう…バーチャルなのにリアルを叩きつけてくる訳だけどなんでだろうか見てしまう」
「日雇礼子、バーチャルじゃなかったら毒が強いので、ほんと見事なバランスのドキュメンタリーですよね。よく撮影したなあ。(略)こういうVTuberの活躍楽しみです」
今後の動画について、日雇さんはツイッターで
「アングラ的な空気のピークはセンターの動画で最後になると思う…というより、あいりんは周るけど美味しいお店とかオススメのドヤとかそんなのばかりだからこれ以上過激なのは、期待しないでね…」
とコメントしている。今後も日雇さんの"お仕事"から目が離せなさそうだ。