郵便受けを連続で破壊された住民らがリベンジを決行、その方法とは?
2025年4月21日(月)17時0分 カラパイア
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もう限界だ…ケリつけるぞ。繰り返される郵便受けへの攻撃に嫌気がさした住民らが、断固たる決意を胸に一致団結した。アメリカの郊外で繰り広げられた熱い逆襲劇が大反響を呼んでいる。
アメリカの郊外では、配達員が車で効率よく回れるよう、車道沿いに各家庭のメールボックス(郵便受け)が設置されるのが普通だ。
この合理的なシステムは配達時間を大幅に短縮する反面、一般ドライバーの目につく郵便受けが、いたずらなどの標的にされるケースもしばしばある。
信じがたい所業だが、車でよそのご家庭の郵便受けを壊す行為を楽しむ者がときおり現れる。その犯人は、免許取りたての十代だったり、ピンポンダッシュよろしく度胸試しに浮かれた若者だったりする。
だが今回、何度も破壊に苦しめられた住民らがついにリベンジを決行。ガチで実話な逆襲に、共感と絶賛の反応が相次いだ。
郵便受けの連続破壊に嫌気がさした住民たち
Redditに寄せられたある投稿によれば、それは30年前のこと。当時被害に遭っていたのは、田舎の車道沿いに建つ4軒の家の住民たちだった。
投稿者を含む彼らの郵便受けは、これまでに何度も車に衝突され、支柱が折れたり、台座が壊される被害が相次ぎ、そのうち週末ごとに取り替え作業を余儀なくされた住民らは「もう限界!」と思うようになっていた。
当時子どもだった投稿者の記憶では、その日が来たのは、4回か5回目の被害の後だったという。彼らが断固たる決意を固めたときだ。
近所の人と作戦を練っていた父が、前日に「今夜は早く寝ろ。明日は作業がたっぷりあるからな」と言ったんです
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全員で最強無敵の郵便受けを設置
そして翌朝。投稿者と他の3軒の隣人たち、その息子たち全員が郵便受けが立っていた場所に集結した。
トラクターに掘削機、鉄道用枕木や補強材、セメント、小型ミキサーなどあらゆるツールを駆使して、土台となる頑丈な構造物の作業にとりかかった。
まず6フィート(約1.8m)の深い穴を2つ掘り、各穴に12フィート(約3.7m)の枕木を立て、その上からコンクリートをたっぷり注ぎ込むという、DIY番組レベルの徹底的かつ本格的な作業が行われた。
みんなの願いはただ1つ。この先何があろうと絶対に壊れない、象が踏んでも壊れない、最強無敵の郵便受けを建てることだ。
そして作業が終わると、すべてを尽くした全員が、長かった苦しみから解放されるであろう、今後の結果に期待をかけた。
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衝撃の衝突と少年ドライバーの代償
それが目に見えたのは、約1ヵ月後のことだ。投稿者らが学校に向かうついでに郵便受けを見ると、目を疑う光景が飛び込んで来た。
そこにはなんと、フロントグリルが潰れ、タイヤも歪んだ中古のビュイック・センチュリーが放置されていた。その中は無人だった。
後に判明したのは、事故を起こしたのは14歳のドライバーで、多少怪我したかもしれないが、幸いなことに命に別状などなかったこと。なおその地域では、14歳で昼間の運転免許を取得できるが、2年間で2回違反をすると、16歳になるまで免許失効となる。
そして問題の少年は、1週間前にスピード違反を起こしたばかり。さらに今回の事故でもスピード違反の切符を切られたため約18ヶ月間の免許停止に追い込まれた。つまり2度目の違反で16歳になるまで車の運転ができなくなった。
おまけに保険会社は事故の請求の支払いを拒否し、少年が当分運転できないことも承知の上でさっさと高リスク者に認定した
しかし話はまだ続く。事故を受け少年の父親が騒ぎ出したのだ。並外れて強靭な郵便受けに返り討ちされた息子の仇をとるかのごとく、「設置方法が合法的ではない!」と主張しだしたそうだ。
ただそれも結局虚しいものとなった。アメリカでは州または郡により郵便受けの設置が定められるが、その地域では郵便受けの設置方法に関する規制などはなく、強化しても違法にはあたらなかったのだ。
壊れない郵便受けは30年後も健在!
この事件以降、彼らの郵便受けに挑むドライバーはいなくなり、家族たちの良き思い出話になってるもよう。その強靭な郵便受けの実物がこちらだ。
image credit:imgur via reddit[https://imgur.com/oyzUgrC]
あれから30年経った今でも、壊れない郵便受けは健在。家に帰って見るたびについ笑ってしまいます
「その少年は連邦法違反者」「うちもやられた」の声
Redditユーザーburner_john_doeが明かしたこのエピソード[https://www.reddit.com/r/ProRevenge/comments/awue68/30_yrs_later_and_they_are_still_standing/]は大反響を巻き起こし、共感と賞賛のコメントが押し寄せ、同様の被害に遭ったユーザーからはこんな反応が集まった。
その少年は刑務所に入るべき。政府の所有物を破壊してる時点で連邦法違反だからな
うちでも隣人と同じ対策をしたよ。ただ、うちの場合は相手が地元の農家で、巨大な農機で壊されたケースだった…最終的には郵便配達員の安全のために郵便受けを移動する羽目になった
木製ポールの郵便受けだった時は、ハロウィン近くに十代の子どもが野球バットでいたずらしてた。ポールを金属製にしてコンクリートで固定にしたら、その子どもがアルミバットで自分の手を怪我してたよ
最悪なのはこっちを非難するやつらだ。自分たちの生活を守ろうとしてるのに、子どもが負傷したとかで責められる筋合いなんてない
私の父も。近所のティーンが飲んで横断歩道を走り回ってうちや近所の郵便受けを壊してた。それでキレた父が、2mぐらいの穴を掘り、重いパイプに取り付けて再度設置したら、数週間後に大事故が起きた。
見たら道を通ったトラックが全壊してた。「たかが郵便受け、邪魔だし多少引っかけてもいいや」なんてなめてかかると痛い目にあうときもあるんだよ
アメリカ各地で郵便受けの破壊は今も続いている
とまあ投稿自体は昔の話だが、こうした郵便受けの破壊事例は現在もある。
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道路脇に設置されるきまりから、例えば郊外では、大きなトラックが一般道を走った際に郵便受けにぶつかるのも気にせず引っかけてくこともあり、その積み重ねで車道に傾いてきた郵便受けが、ある日とうとう轢かれてぶっ飛び、中身がぶちまけられることも珍しくない。
またハロウィンなどには、夜に酔って車に乗った若者たちが、故意に郵便受けを壊しながら走り去ったり、大きなカボチャを投げつけて逃げるところも実際に見たことがある。
ほかにも積雪地域では、ボックス部分が突如消失することも。幅広な除雪板を着けた車が盛大にはね飛ばしてゆくためで、後に雪の中から郵便物ともに残骸の状態で発掘されたりする風景も冬のあるあるだったりする。
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いつから始まったのかは不明だが、映画でもこんなシーンがあったりするから、この手のいたずらはけっこう前からあるようだ。それともこれで流行ったとか?
ちょっと日本では信じがたい話だし、どうよ?と思うが、そんな地域の家のオーナーなどは毎日郵便受けの角度や状態をチェックしている。
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ただ近年はその破壊行為も防犯カメラでとらえられるようになり、悪質なものは逮捕対象になったもよう。現地警察によると、郵便受けの値段によっては、連邦法違反になる可能性があり、現行犯なら逮捕されるとのこと。
以下は2023年10月、ケンタッキー州で夜中に郵便受けを壊しまくる不審人物。「無差別に郵便受けを壊して逃げる」TikTok動画がトレンド入りし、子どもたちの間で流行ってるという声もある。
一方こちらは迷惑なのに笑いを誘う系。2025年2月、フロリダ州の公園で男性が真昼間から芝刈り機で複数の郵便受けを壊す奇妙な行為が防犯カメラに捉えられてニュースに。警察により捜査中と報じられている。
てことで郵便受けを車道沿いに設置っていうのがそもそも問題な気もするけれど、昔からあるきまりで、交通の流れや配達ルートの最適化の結果らしいのでしかたがないのが現状ってところかな。
References: Twistedsifter[https://twistedsifter.com/2025/04/family-got-fed-up-with-a-vandal-knocking-over-their-mailbox-so-they-built-one-that-was-virtually-indestructible-causing-the-vandal-to-total-his-car-and-his-license/]