泊まるのを避けたい「危ない宿泊施設」ってある? 事前にチェックしたいポイントは【旅行のプロが解説】
2025年4月22日(火)21時25分 All About
宿泊施設の好みは人それぞれ。せっかく予約した宿を同行者に「なんか怪しい」と言われたら……? 危ない宿泊施設の見分け方を、「All About」旅行ガイドの古屋江美子が回答します。
「All About」旅行ガイドの古屋江美子が回答します。
(今回の質問)
実は泊まるのを避けたい「危ない宿泊施設」ってありますか? せっかく予約した宿を夫が「なんか怪しい」と言います……。
(回答)
日本では本当に身の危険が迫るような宿泊施設は少ないと思いますが、避けた方がよい宿泊施設はあります。
以下で詳しく解説します。
避けたい宿泊施設のポイントは
リアルな施設の様子は行ってみなければ分かりませんが、ハズレや危険を避けるために事前にチェックしたいポイントを紹介します。口コミが極端に低い
Googleや宿泊予約サイトの口コミはリアルな声なので参考になります。「評価が低い」順などにソートして気になるエピソードを確認するとよいでしょう。接客などソフト面は人によって感じ方が違うので、必ずしも当てはまるとは限りませんが参考にはなります。また、低い口コミに対する返信に、宿泊施設側の姿勢が現われることもあります。ただ、最近はAIによる偽レビューが問題になることもあり、似たような内容や不自然な内容が集中している場合には注意が必要です。一方、設備や清掃状態などのハード面は参考にしやすいでしょう。Googleの口コミの投稿写真などはリアルな雰囲気を知るのに役立ちます。そのほか、SNSで宿名を検索することで、リアルな口コミが見つかることもあります。
周囲の相場と比較して極端に安い
必ずしも安かろう悪かろうではないですが、安いことには理由がある場合が大半。不便な場所にあってどこへ行くにもお金がかかったり、逆に歓楽街で夜中まで騒がしかったり、設備が古かったり……。安さを追求したい場合はよいですが、そうでなければ避けるのが無難です。一見良さそうに見えても、予約サイトの写真と現実が大きく乖離(かいり)している写真詐欺の可能性もあります。サイトの情報が極端に少ない
新規オープンのホテルでもないのに、予約サイトや公式ページの情報があまりに少ない場合は、そもそも実体を把握するのが難しく、怪しく感じられるかもしれません。予約サイト自体が怪しい
最近、増えているのがホテル予約時のフィッシング詐欺。ホテル予約サイトを装い、「支払いがエラーだった」などの偽のメールを送り、クレジットカード情報を盗取しようとします。正規のURLなのか、本当に事前にクレジットカード決済が必要なのか、などを確認しつつ、怪しいと思ったら直接ホテルへ連絡して聞くのが確実です。繁華街近くのホテルも注意?
日本では本当に危険な場所というのはほとんどありませんが、例えば繁華街の安めのホテルに女性一人で泊まると、夜間の出入りなどに不安を感じることも。窓を開けても周囲が騒々しいと落ち着きません。以前、筆者が繁華街近くにある安めのビジネスホテルに一人で宿泊したとき、深夜1時ごろ、突如、女性が異常な大声で泣きわめく声がフロアに響き渡りました。いつまでも泣き止まず、さすがに怖くなってフロントに電話をすると、ほかの部屋からも通報があったようで、その後すぐに警察官が来て事情を聞いていました。「酔っぱらって……」という男性の声が聞こえましたが詳細は不明(私はずっと自室内にいましたが、壁が薄くやりとりが聞こえました)。場所柄もあり、恐怖を感じました。もちろんこれは個人的な一体験に過ぎません。繁華街といっても雰囲気はさまざま。繁華街近くのホテルは飲み歩きに便利などのメリットもあるので、避けた方がよいかは人に寄ります。悩んだときには、やはり口コミなどが頼りになるでしょう。
なお、海外ではリアルに危険なエリアもあるので注意。また民泊の場合、場所が分かりにくいこともあるので、Googleのストリートビューなどで行き方の確認を兼ねて、周囲の様子をチェックしておくのもおすすめです。
正直、「この宿は絶対に怪しい」と言い切るのは難しいですが、「何かが気になる」「何となく怪しい気がする」と勘が働いたときは、その宿との相性が悪い可能性も高いです。悩んだときはやめておく、というのも1つの選択肢かもしれません。
この記事の筆者:古屋 江美子
旅行やグルメを中心にWebや雑誌などさまざまな媒体で活躍。これまでに訪れた国は約40ヶ国。出産後は育児ジャンルにも活動の場を広げ、出身地である山梨県の「やまなし大使」としてもさまざまな情報を発信中。現在は神奈川県在住。
(文:古屋 江美子)