原宿に来た博多うどんの老舗「因幡うどん」を食べてみた → なんだこのゴボウの天ぷらは!?!? 福岡のうどんは一枚岩ではないということか…!
2025年4月22日(火)14時55分 ロケットニュース24
関東でも好調のようで、関東を支配していた讃岐うどん&醤油フレーバーとは異なる、甘い味付けと独特の柔らかい麺の虜になった者は多いようだ。私も4年前に小倉で初めて食べた際には驚愕したし、最近は両国の店舗にも行った。
そういうわけで私の中で 福岡のうどん=資さんみたいなやつというイメージが出来上がっていたのだが、どうやら違ったらしい。2025年4月21日に原宿に進出した「因幡(いなば)うどん」が、新たなうどん体験をもたらしたのだ……!
・東急プラザ原宿
ということでやってきたのは原宿。明治神宮前駅のそばだ。件の「因幡うどん」は東急プラザ原宿の5階にある。トップの写真の建物がそうだ。入ると、秒で看板が出ていた。もうこれ説明とか不要だな。
東急プラザ原宿の各フロアは、そんなに広くない。適当に行っても迷うことは無いだろう。私も細かい位置は確認せず向かったが、5階にて「因幡うどん」はすぐに見つかった。
ぱっと見た感じ、カウンターとテーブルを合わせて20席くらいだろうか? 飲食店が複数入っているフロアの一角にあり、「因幡うどん」ブースという感じだ。
先に券売機で商品を選び、完成したら番号で呼び出される仕組み。つまり松屋などと同じ。メニューは英語にも対応。
どれどれ……
色々あるが、やはり初手なので、変化球ではなく最もベーシックなものを選びたいところ。ここはやはり、温かい「肉ごぼう天うどん」だろうか。その他のメニューや価格は記事の最後に写真を掲載しておく。
モダンとクラシックがあるが、モダンが一番ビッグに表示されているのでこちらにしておこう。麺は大盛りだ。あとは……「かしわいなり寿司」も試してみよう。合計で1610円。
・博多うどん
ほどなくして出てきたのがこちら。立派な丸いゴボウの天ぷらが目をひく。
そしていなり寿司。
まずはこのゴボウの天ぷらだが……おぉ、凄まじい勢いでスープを吸って溶けるぞ……!?
こちら、構造が独特だ。大きな気泡が全面にあり、だいぶエアリー。まるでスポンジのようにスープを吸い上げ、ふやけ、崩れていく。うおおおお、なんだこれは!?!?
この他に、小さなゴボウの天ぷらがいくつも入っている。こちらは、それなりの耐久性を持つ。2種類の異なる仕様のゴボウの天ぷらが仕込まれている……!
肉はよくある感じ。
そして麺だ。表面の光の反射のしかたが、明らかに讃岐うどんとは違う。
食べてみると……おぉ、もっちりふわふわソフトだが、噛み切る際にパツっと確かな弾力を感じさせる、絶妙なテクスチャー……!! これは「資さんうどん」とも異なるな。
どちらもソフトだが、柔らかさの質が違う。資さんは粘度で構造を維持してそうな柔らかさで、因幡は弾力で構造を維持してそうな柔らかさって感じ。
お好みでどうぞと何かをテーブルに置かれたので見てみると、七味と一味であった。いいねぇ。
だいたい七味しかないのがデフォだろう。しかし七味は味も風味も複雑にする。時には一味でピリッとシメるだけにしたい時もあるものだ。
食べていくと、あの円盤型の天ぷらがどんどん溶けていき、スープのトロみが増し、味わいが変化していく。天ぷらが二種類入っているのは、もしかしたら円盤型は溶けることを期待されたものなのかもしれない。
スープは資さんのような甘さではないと思う。まあでも、関東基準だと甘いと感じられるかもしれない。醤油ベースだと思われるが、塩味と同じくらいに昆布や煮干しのフレーバーが感じられる。
このスープは美味いな。気付いたら飲み干していた。因幡の武器は、テクニカルな2形態のゴボウの天ぷらと、このスープかもしれない。
ということで、関東に初上陸した博多うどんの老舗「因幡うどん」。原宿にてオープン初日に食べてみたが、これは新たなうどん体験だった。
我々関東民の多くは、未だ資さんしか福岡のうどんを知らないだろう。「因幡うどん」は、資さん同様に関東のうどん(関東といいつつ麺はだいたい讃岐だが)とは完全なる別物でありながら、しかし資さんとも異なる味わいだ!
一説によると福岡県内ではどこのうどんが好みかで派閥が存在するらしい。「因幡うどん」の進出によって、今後は都内でも福岡系うどん勢力同士の競争が激化するのかもしれない。アクセスの良さは原宿のベスポジの一角とぶっちぎっている。ぜひ食べてみてくれ!
参考リンク:因幡うどん
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
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