普通の人は『すき家』の「牛丼」と『浅草今半』の高級「牛肉弁当」の違いがわかるのか? 目隠しして食べ比べてみた!

2023年4月23日(日)10時50分 食楽web


左が『すき家』の牛丼(並)400円、右が『浅草今半』の牛肉弁当1296円 | 食楽web

●老舗『浅草今半』の牛肉弁当(1296円)と『すき家』(400円)の牛丼を、目隠しをした状態で食べ比べ、見分けることができるのかテストしてみた。

『浅草今半』といえば、明治28年創業の老舗。東京・浅草の由緒正しきレストランでは選び抜いた国産黒毛和牛を使った極上のすきやきが名物で、デパートなどではその黒毛和牛を秘伝の割り下で煮た高級な「すき焼き弁当」や「牛肉弁当」なども販売しています。

 そんな『浅草今半』の「牛肉弁当」(1296円)と、牛丼チェーン店『すき家』の牛丼(400円)を食べ比べてみよう、というのがズバリ今回の企画主旨です。なんだその企画? と思う人も多いでしょうが、これには理由があるのです。それはある日、『すき家』で隣の席にいた小学生くらいの子ども連れの夫婦の会話を耳にしたのがきっかけでした。


気軽に入れる『すき家』

 そのご家族は、お父さんは牛丼の大盛り、お母さんは牛丼の並盛り、そして小学生の女の子はお子様牛丼セットを食べていました。そして食事中、そのお父さんが、お母さんと子供にこう言い放ったのです。

「やっぱりすき家の牛丼がこの世で一番ウマい。あの『イマハン』の牛肉弁当にも負けてない。むしろ、すき家のほうが牛丼として美味しい。何しろすき家の社員が総力を上げて考えに考え抜いて、ブラッシュアップしている牛丼だからね」と。


『すき家』の牛丼(並)400円

筆者は耳を疑いました。イマハンってまさかあの『浅草今半』のことか? その後の夫婦の会話は以下の通りです。

母:「『今半』は高級な肉を使ってるから、さすがにそれはないでしょ…」
父:「いやいや、ママだって目隠しして食べたらどっちがどっちかわからないと思う」
子:「じゃ、目隠しして食べ比べてみたら? テレビでそんな感じの番組やってるよね」

熱い父に対し、どこか冷たい妻と子供。そしてお子さんが言っているのは、たぶん一流芸能人が高級品と安物を見分けられるか試す番組『芸能人格付けチェック』のことだと思います。例えば目隠しをした状態で100万円のヴィンテージワインと5000円のテーブルワインを飲み比べて、高級ワインを当てる、というような内容ですね。大御所の芸能人がハズしまくったりするのが面白い長寿番組です。

しかし、さすがにあの『浅草今半』と『すき家』じゃ、目隠ししても誰でも一瞬で違いがわかるだろ…とは思いつつ、試しにやってみたわけです。これが、まさかの結果を生むことになるとは…。

意外や意外、舌だけでは不正解が続出!


『浅草今半』のお弁当を販売している渋谷ヒカリエ地下3階東横のれん街にある浅草今半弁当のメニュー

 さっそく、『浅草今半』のお弁当が売っている渋谷のデパートに行くと、何種類かありましたが、すき家の牛丼に一番近いと思われる「牛肉弁当」(1296円)を購入。続いて、近所の『すき家』に行き、「牛丼」の並(400円)もゲット。見てのとおり、価格の差は3倍以上もあります。


左が『すき家』の「牛丼」(並)400円(733 kcal)、右が『浅草今半』の「牛肉弁当」1296円(一折あたり747kcal)。カロリーに大差はない。

 画像を見る限り、どっちがどっちか、すぐにわかりますよね。パッケージからして『浅草今半』の「牛肉弁当」はいかにも高級そうです。そして、フタをとってみても、一目瞭然です。


右の『浅草今半』は、牛肉と大きなタマネギ、そして焼き豆腐、こんにゃく、グリンピース、紅生姜入り

『浅草今半』は、牛肉の上にきれいに重ねられたタマネギ、そしてサイドには焼豆腐、こんにゃく、グリンピースや紅生姜も入って彩り華やか。一方、すき家の牛丼は、アタマ(肉とタマネギ)で覆い尽くされ真っ茶色。無骨です。しかし、両者のアタマだけ取り出してみると…アラ不思議。けっこう見分けがつかなくなってくるのです。


それぞれ、肉だけを取り出してみました。左が『すき家』、右が『浅草今半』

 とはいえ、この状態でも、やっぱり『すき家』の“アタマ”はすぐわかる、という人も多いかもしれませんね。まぁ、実物を見ると、たいていの人はどっちが高級なのかすぐわかるのです。しかし、今回の企画のポイントは“目隠し”。ビジュアルは関係ないのです。

 というわけで、30代、40代、50代の男女3人に目隠しをしてもらい、ひと口ずつ食べさせて、「どっちが高級な『浅草今半』の牛肉弁当だと思うか?」を答えてもらいました。ちなみにこの3人は、『すき家』の牛丼も『浅草今半』の牛丼も、ほとんど食べたことがない人たちです。


左がすき家、右が浅草今半

 というわけで、ちょっとずつアタマとご飯をお椀に入れ、アイマスクで目隠しして食べてもらいました。最初に食べてもらったのが『すき家』(A)、次に食べてもらったのが『浅草今半』(B)の順。果たしてどっちが高級なのか…回答は以下のとおりでした。

●50代女性(主婦):回答A
理由:Aは肉がふんわりしていて、なおかつダシがしっかり染みていて、ご飯との相性もよい。すき焼きの残りのご飯にかけたかのような贅沢な味がした。Bは肉がちょっとボソッとしていた。

●40代男性(自営業):回答A
理由:Aは食べた瞬間、肉に生姜の風味が感じられ、肉も柔らかかった。脂にも旨味があって食べやすく、ご飯に合うと思った。Bも美味しいけど、口の中でご飯が先になくなり、肉だけがいつまでも口に残った。

●30代男性(IT関係):回答B
理由:AもBもどちらも美味しいけれど、Aはよく食べる『松屋』の牛丼の味に少し似ている気がしたので消去法で。ただ、風味としてはBが肉の食感や旨味がしっかりしていたのと、何よりご飯が美味しい。

検証結果


国産黒毛和牛のモモ肉を使用した『浅草今半』の牛肉弁当はロケ弁でも大人気(食楽web)

 というわけで、なんと、3人中2人がA(すき家の牛丼)と答え、高級な『浅草今半』を見分けられないという結果に…。ちょっと驚きですが、意外とブラインド状態で舌の感覚だけで高級品を見破るのは至難の業だと判明。

 もちろん、今回は一流芸能人ではなく、一般人3人の目隠し検証なので、一概に誰もが「高級な方を見分けられない」とは言えませんが、冒頭で書いた『すき家』で出会ったお父さんが言っていた「目隠しをして食べたらどっちがどっちか、わからないと思う」はあながち間違いではないのかもしれません。

 ちなみに国産黒毛和牛のモモ肉を使用した『浅草今半』の牛肉弁当は間違いなく美味しいので、未食の方はぜひ一度ご賞味あれ。

(撮影・文◎土原亜子)

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