【大阪万博】「飲食が高すぎ」「大行列」「虫が……!」ネットで話題の場内トラブル、実際は?

2025年4月26日(土)13時50分 All About

4月13日(日)に開幕した「大阪・関西万博」は、ゲートの混雑や会場内での混乱ぶりがネット上にあふれた。「一般デー」に入場してみた筆者が、現状をリポート。

大阪・関西万博が4月13日(日)に開幕。その初日から、駅やゲートの混雑が次々報じられ、会場内でも混乱ぶりがネット上にあふれた。その後、どうなったのか。大阪在住で一般デーも入場した筆者が、現状をリポートする。

「ゲート前でネットがつながらない!」その後の対策は?

万博でまず問題となったのが、ネットがつながらずに「入場チケットが表示できない」ことで、ゲート前が大混乱した。大多数の人が同じ場所でネットに一斉接続したため、回線がパンクしたのだ。
その後、どうなったか。筆者は、開幕から3日後に訪れた際、東ゲートの外に、携帯キャリア各社の臨時中継局の車がずらりと並ぶのを目撃した。早速、対策を講じていたのを確認した。会場内でもネットがつながりにくくなったことは一度もなかった。筆者は格安SIMの「ahamo」を使っているが、これが普段よりつながるのが速かったほどだった。

毎回ログインとワンパスワード入力に「面倒くさい」の声

ただ、ネット接続には違う問題があった。スマートフォンで入場チケットを表示する際に、毎回ログインで「ID」「パスワード」、さらに「ワンパスワード」が送られてくるのを待って入力しなければならない。この手間には正直うんざりさせられた。画面を表示したままでも、しばらく経つとログアウトされる仕様と聞いた。ゲートでのチケット表示、パビリオンの予約や時間の確認、また予約したパビリオンに入場するのにQRコードをスキャンする際など、毎回この操作を強いられる。実際、予約済みの「日本館」へ入場する際、そのログイン画面の操作で手間取る人々が続出して列の流れが詰まっていた。
結局、チケットのQRコードの表示画面とパビリオンの予約時間の一覧を画面キャプチャで保存。これを提示するのがスムーズだった。ただ、それは「セキュリティー的にどうなの?」という疑念も抱いた。
主催者は、画面キャプチャかチケットのQRコードを紙に印刷してくるよう呼び掛けていた。確かにその方法だとスムーズだが、「デジタル万博」を提唱する割にいきなりそれもどうかと、誰しも思ったのではないだろうか。

気になる「パビリオン」行列待ち、時間帯によって差

今回の万博は「並ばない万博」を掲げる中、開幕初日からどこも並ばされたことで、いろいろ非難されている。これは実際どうだったのか。まずゲートからの入場は、平日でも多少の行列ができている。パビリオンは、事前予約しても並ぶことは多々あり、予約なしだとさらに並ぶことになる。一方、平日夕方以降だと並ばずに入場できるところもある。
例えば、「フランスパビリオン」は予約不要で、午前から夜までずっと行列だったが、筆者が平日20時過ぎに行くと待ち時間なしで入場できた。他の海外パビリオンは平日日中でも待ち時間が15分〜長くても1時間ほどが多かったように思えた。
パビリオンに関しては、事前予約できればそれに越したことはない。ただ、事前抽選に外れたり予約が満員だったりしても、当日予約できるパビリオンもある。人気の「日本館」は、筆者は10時30分過ぎの入場後に「18時30分〜」の枠を予約できた。「UAEパビリオン」は、事前予約はずっと「×」だったが、夕方に行くと待ち時間ゼロだった。

「トイレ」も行列? 穴場の場所もある!

会場内に「トイレ」の数は多いが、場所によって行列。ただし、空いているトイレも少なからずある。
例えば、大屋根リング上にあるトイレ、また、パビリオン内にあるトイレは空いていて、いわば「穴場」と言える。もし、これらの場所でトイレを見かけたら、急を要さずともひとまず利用しておく方がいい。
また、夢洲駅の駅構内にあるトイレは混んでいる一方、夢洲駅を出て東ゲート方向でなく、チケットセンターの右にあるトイレは数も多く、動線からやや外れているためか比較的空いているようだ。

必ず持って行くべきアイテム、ナンバー1は断トツ○○

会場の内外で「スマートフォン」を何かとよく使う。チケットのQRコードや会場マップの表示、また、写真や動画もあれこれと撮ってしまう。ちなみに、紙の会場マップは有料のため公式アプリで検索する機会も多く、そのたびにネットに接続する。会場内での支払いは現金不可、キャッシュレス決済のみだ。すると、スマートフォンのバッテリーを瞬く間に消耗する。スマートフォンの電池残量がないと、いろいろ困る。満充電したモバイルバッテリーは、この万博では必携アイテムの1つだ。

「飲食が何でも高い」ってホント? 実はコンビニもある!

開幕前から「3850円のえきそば」「550円の有料席」をはじめ、会場内の飲食が高いというニュースが次々報じられている。これに関しては「高いものも確かにあるが、リーズナブルなものも少なからずある」のが正しく、高いものは「イベント価格」と考えるのが適切だろう。また、会場内には外からの飲食物の持ち込みが可能だ。テーマパークなどで持ち込み不可が多いことを考えると大変ありがたい。ただし、缶やビンなどは持ち込みできない。
会場内にはセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンといったおなじみのコンビニエンスストアや、ドリンクの自動販売機もある。コンビニは、会場外の通常店舗と価格は変わらないのがうれしい。ただ、混雑時などは行列ができて品切れも懸念されるため、万博へ向かう途中で調達するのがいい。会場内には給水所も点在し、マイボトルがあれば無料で水が入れられる。
フードコートなどは「やや高め」である一方、海外パビリオンに併設するレストランともなるとワンプレートで3000〜4000円、コーヒーが1000円近くするのも珍しくない。しかし異国体験と捉えれば高くはないかもしれない。
ちなみに筆者が「クウェートパビリオン」併設レストランで食べた大豆スープは税込2000円超だったが、クウェートはなかなか行きづらい国でもある。

「屋根が少ない」「虫が多い」問題は今後の対応に期待か

開幕初日の悪天候で「雨宿りする場所がない」問題。これは確かに、現地を訪れて少し心配になった。混雑する休日だと確かに屋根が少なく、大屋根リングの下などでは足らない気がした。夏の暑さも心配だ。近年、大阪の夏は非常に暑く、屋外に長くいると健康な大人でも身体に危険なレベル。パビリオンの外で入場を待つ間に熱中症になる人が続出するのではとも懸念する。酷暑対策は自ら万全に行って会場へ向かいたい。
また「虫」の多さも少し気になった。大屋根リングの上を歩いていると、入場者たちがあちこちで「虫が多い」と手で払っていた。4月半ばの時点で気になったので夏になるとどうなるのか、これも心配だ。
開幕当初に露呈したいくつかの問題は、速やかに対策が講じられるなど、すでに解決しているものもある。これから行くならば、最新情報や直近で入場した人々の発信をチェックするなどし、しっかり準備して行ってほしい。
この記事の筆者:シカマ アキ
大阪市出身。関西学院大学社会学部卒業後、読売新聞の記者として約7年、さまざまな取材活動に携わる。その後、国内外で雑誌やWebなど向けに取材、執筆、撮影。主なジャンルは、旅行、飛行機・空港、お土産、グルメなど。ニコンカレッジ講師をはじめ、空港や旅行会社などでのセミナーで講演活動も行う。
(文:シカマ アキ)

All About

「万博」をもっと詳しく

「万博」のニュース

「万博」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ