セブンで買える「すじ青のり」推しカップ麺2種が凄すぎた 具が少なくても高級感バツグン
2025年4月27日(日)11時0分 Jタウンネット
セブンプレミアム「すじ青のり天ぷらうどん」(左)と「塩焼そば」
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百五十五回 セブンプレミアム「すじ青のり」を使った「天ぷらうどん」と「塩焼そば」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百五十五回目となる今回は、セブンプレミアムのカップ麺、「すじ青のり天ぷらうどん」と「塩焼そば」を紹介します。
海藻類の研究・開発・生産を行う合同会社シーベジタブル製の「すじ青のり」を使用したカップ麺となっています。
「すじ青のり」を使ったカップうどんとカップ焼そば
「すじ青のり」とは、一般的に「青のり」と呼ばれる「アオノリ」「アオサ」「ヒトエグサ」のうち「アオノリ」に分類されるそうです。
筆者は今回の商品に出会うまで、「すじ青のり」どころか「アオサ」と「アオノリ」の区別すらろくにできていませんでしたが、「アオノリ」は風味の良さや栄養価で「アオサ」など他の「青のり」を上回り、中でも最高級品で風味の良さが際立つのが「すじ青のり」なんだとか。
カップ焼そばなどではよく用いられている「アオサ」でも十分に風味が良いので、今回はその「アオサ」より風味の良い「すじ青のり」が使用されているということで、どれだけ素晴らしい香りなのか期待が膨らみます。
パッケージを見ると、セブンプレミアムの他に東洋水産とシーベジタブルのロゴが入っており、3社によるコラボ商品であることがわかります。
今回のカップ麺2品では、高知県に本社がある「シーベジタブル」製の「すじ青のり」が用いられています。
かつて高知県の四万十川河口は、国内の「すじ青のり」生産の9割を占める大産地でしたが、水温上昇に伴って収穫量が激減。現在は「シーベジタブル」の設備や技術を活かし、地下海水を用いた陸上栽培によって、香りの強い「すじ青のり」の生産に成功しているとのこと。
普段カップ麺で用いられることの多い「アオサ」などと比べて、わかりやすい形で香りなどの違いを見出すことはできるのでしょうか。
「すじ青のり天ぷらうどん」と「塩焼そば」の内容物
「すじ青のり天ぷらうどん」の内容物。
別添袋は入っておらず、麺やスープ粉末の他に、天ぷら、かまぼこ、たまご、ネギが入っています。
「すじ青のり天ぷら」はスープ粉末をまとって信玄餅みたいになっていました。
そしてかまぼこやたまごもたくさん入っており、かなり具だくさんに見えます。
「塩焼そば」の内容物。
別添袋が3つ入っており、カップには麺のみ入っていました。
どうやら「ふりかけ」の袋の中に主役の「すじ青のり」が入っていそうです。
セブンプレミアム「すじ青のり天ぷらうどん」食べてみた
まずは「すじ青のり天ぷらうどん」。
定価は税別268円で、少し大きめのタテ型カップの商品としては一般的な価格設定ですが、コンビニPBのカップ麺と考えると多少割高。
商品名の通り、「すじ青のり」を使った天ぷらが売りのカップうどん。
カップ麺でも「アオサ」入りの天ぷらは香ばしくておいしいので、高級品の「すじ青のり」を使った天ぷらはさらに輝きを増しそうです。
関西風のあっさり味のつゆに、太め幅広で縮れのついた油揚げ麺のうどんと、「すじ青のり天ぷら」、かまぼこ、たまごが合わせられています。
とにかくかつて見たことのないほど濃い緑色の天ぷらに目が行きます。
毎年春にたくさん発売される抹茶入りのお菓子みたいな佇まいで、真っ赤な小エビ天ぷらも春の風物詩イチゴに見えてきました。
つゆは昆布とかつおのだしをバランスよく組み合わせた薄口醤油味で、昆布だしが丸いながら厚みがあり旨み強め。
醤油味がやさしいのであっさりしており、それほど個性は主張せずに天ぷらの風味を引き立てていました。
麺は、太め幅広で縮れのついた油揚げ麺のうどん。
「赤いきつね」の麺に比べると厚みがありコシがしっかりしています。
あっさり味のつゆに対して麺の主張が強すぎるようにも思いますが、高知と同じ四国にはうどん県があるので、そのリスペクトかもしれませんね。
改めて「すじ青のり」の入った天ぷら。
色鮮やかな小エビ天も入っており見た目もド派手ですが、「すじ青のり」の香りの強さは段違いで、見た目も香りも完全にこの一杯の主役。
天ぷらなので油の風味も強いのですが、その油を突き抜ける香ばしさ。
かつて味わったことがないほど力強く、青のりってこんなに香ばしいものなのかと驚きました。
セブンプレミアム「塩焼そば」
続いては、「塩焼そば」。
「すじ青のり天ぷらうどん」に比べるとそっけない商品名ですが、パッケージには「すじ青のりと紅生姜使用」と書かれており、「シーベジタブル」のロゴもあります。
定価税別236円で、普通サイズのカップ焼そばとしてはごくごく一般的な価格設定ですが、同じく東洋水産製でカップサイズや麺量が同じセブンプレミアムの「ソース焼そば」は半額以下で買えることを考えると、「すじ青のり」が高級品であることがうかがえます。
「すじ青のり天ぷらうどん」天ぷらよりさらに鮮やかな緑が眩しく、新茶の季節に陽の光を受けて燦々と輝く茶畑のよう。
ソースはチキンベースの塩味で、コンソメのような、玉ねぎが主体と思われる旨みが感じられます。
パンチがあるわけではなくやさしい味わいで、同じ東洋水産の「俺の塩」のようなホタテや昆布の分厚い旨みがあるわけではありません。
「すじ青のり」の引き立て役に徹している印象です。
麺ほぐしを兼ねて「特製油」が入っており、こってり感や多少の調理感が付与されていました。
麺は、細めで縮れのついた油揚げ麺。
細めなので伸びやすいですが、湯戻し時間を1分と短くすることである程度コシのある食感となっています。
「俺の塩」で使われている麺と同じタイプでした。
改めて、主役の「ふりかけ」の「すじ青のり」と紅生姜の入ったふりかけ。
あまりに濃くて鮮やかな色味に圧倒されました。
そして香りですが、もちろん良い香りなのは想像に難くなかったですが、想像の遥か上を行く香ばしさで、こんな強い香りの青のりが存在することに驚き。
先ほどの「すじ青のり天ぷら」よりもストレートに青のりの香ばしさが感じられます。
ふりかけ以外の具は入っていないので、正直安っぽい構成の商品なのですが、この香りによってむしろ高級感を纏っていました。
ふりかけに一緒に入っている紅生姜の風味も目立っており、ソースの味の輪郭を整えてエッジを立てています。
青のりの香りと紅生姜の風味の相性抜群でしたが、焼そばでは鉄板の組み合わせなので当たり前ですよね。
「すじ青のり」が飛び道具すぎる
青のり最高級の「すじ青のり」の魅力を手軽に味わえるカップ麺2品。
「すじ青のり」があまりに飛び道具すぎて、カップ麺の商品としての魅力を伝えるよりも、「すじ青のり」の魅力を語ることに終始してしまいました。
特に「塩焼そば」は「すじ青のり」の香ばしさをダイレクトに感じられる商品で、ソースと麺の他には「ふりかけ」しか入っていないにも関わらず、ものすごく贅沢なものを食べた気になりました。