50歳女性におすすめの筋トレ。プロトレーナーが教える、腰や関節に負担がかからない身体の使い方とは?

2025年4月28日(月)12時40分 婦人公論.jp


(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

内閣府の令和4年版「高齢社会白書」によると、女性の「介護が必要となった主な原因」では、「骨折・転倒」が2位となっています。そのようななか「筋力をつける習慣は、歳をとればとるほど重要になります」と話すのは、プロトレーナーで元アジア&全日本ボディビル(女子)チャンピオンの西本朱希さん。今回は西本さんの著書『女性のための50歳からの筋トレ入門』から一部を抜粋し、<50歳からの女性におすすめなウエイトトレーニングの方法>をご紹介します。

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「効かせる身体の使い方」と「重い重量を持ち上げる身体の使い方」の違いを理解しよう!


トレーニング時の身体の使い方を大きく2つに分けると、

・特定の筋肉だけに“効かせる”身体の使い方

・多くの筋肉を使って“重い重量を持ち上げる”身体の使い方

があります。この2種類の動作を区別してトレーニングすることが、上達の秘訣です。

まずは「効かせる体の使い方」を、身体の前で両手に持ったバーベルを肘を曲げて持ち上げる「アームカール」を例に説明します。


<『女性のための50歳からの筋トレ入門』より>

もし、「重い重量を上げる身体の使い方」をするのであれば、Aのように上げ始めにいったん肘を背後に引いてから、身体を反らせるようにグイッと反動をつけて持ち上げると、全身の多くの筋肉を使えるので楽に持ち上げられます。

対して、二の腕の前側にある「上腕二頭筋」だけを鍛えるのであれば、Bのように身体を反らさず、肩から腕を若干前方にスライドさせながら肘関節を曲げて、バーベルを持ち上げます。

こうすると、上腕二頭筋だけで重りを上げることになるので、Aと比べて重い負荷は上げられなくなります。その代わり、鍛えたい筋肉(今回なら上腕二頭筋)のみに強い負荷がかかるので、その筋肉だけを的確に鍛えることができます。

特定の筋肉を狙って鍛えたいときは、“効かせる”体の使い方をしましょう。

“重い重量を持ち上げる”身体の使い方とは?


“効かせる”トレーニングによって、それぞれの筋肉を個別に鍛えたけれど、「大きな力を出すのは苦手」では、トレーニング効果をしっかり発揮できたとは言えません。

そこでおすすめなのが、「ビッグ3」と呼ばれる「スクワット」「ベンチプレス」「デッドリフト」の3種目。これらは、個別の筋肉に効かせることよりも、多くの関節と全身の多くの筋肉を稼働させて、“高重量を上げる”ことを主な目的とするトレーニング種目です。


<『女性のための50歳からの筋トレ入門』より>

これらの種目は、身体の中心にある筋肉を最大限に働かせ、強くする効果があります。生活動作の中で重い重量を安全に持ち上げるために有効ですし、代謝アップや姿勢の改善にも役に立ちます。デッドリフトは初心者でもぐんぐん上達して重量を上げられるので、モチベーションアップにつながりますよ。


『女性のための50歳からの筋トレ入門』(著:西本朱希/かんき出版)

自分のおこなう種目は、一つの限定した筋肉を鍛えるために選択したのか、それとも大きな力を発揮するトレーニングとして選択したのか、しっかり区別して、目的に合ったフォームでトレーニングするようにしましょう。

重りを動かす方向を理解しよう


鍛えるべき筋肉に正しく負荷をかけ、筋力をバランスよく鍛えることができれば、トレーニングをすることでついた筋肉が関節を安定させ、痛みの改善につながります。

しかし、トレーニングはあくまでも普段よりも重い負荷をかけながら関節を動かす「関節に負担をかける動きの繰り返し」でもあるということを忘れてはいけません。負荷がかかっている筋肉と鍛える筋肉がちぐはぐだったり、自分のやりやすい動きに終始したりして負荷の上げ下げをしてしまうと、関節にダメージばかり与える運動にもなりかねません。

そこで大事なのが、「重りを動かす方向」です。重りを動かす方向を理解して、関節にはできるだけ負担をかけずに、筋肉にしっかり負荷のかかるフォームをつくりましょう。そうすれば、「筋トレをしたせいで、関節を傷めた!」なんていうことも避けられます。

次のページでは、正しい軌道になるようなフォームを説明していきます。難しく考えずに、書いてある順序でフォームをつくりながら、トレーニングをしてみてくださいね。

<器具ごとの重りを動かす方向>

・マシン

狙った筋肉に負荷をかけられるよう、器具の軌道が決まっている。ただし、脚のプレスであればつま先方向に膝を向ける、胸のプレスであれば手首と肘を同じ軌道上に置くなど、関節の位置に注意が必要。

・ケーブルなど

滑車を起点に、そこから引っ張る方向と鍛える筋肉の収縮方向を合わせる。

・ダンベルなど

基本的には、重力の方向に合わせて負荷を上げ下げする。鍛える筋肉の部位によって、体勢を変えて重力の方向に合わせる。

デッドリフトのやり方



<『女性のための50歳からの筋トレ入門』より>


<『女性のための50歳からの筋トレ入門』より>

全身の筋肉を同時に使って大きな力を発揮し、床からバーベルを持ち上げる「動きの基本」となる種目です。お腹の奥にある筋肉を働かせて正しいフォームで重い負荷を持ち上げる練習で、腰痛を引き起こすリスクから身体を防御する力がつきます。

一瞬にして大きな力を生み出す動作の練習にもなるため、ゴルフの飛距離を伸ばす等の効果もあります。ヒップアップにとても効果的です。

・上げるとき

頭からお尻までを一直線に保ったまま、股関節と膝を同時に伸ばして立ち上がる。手で引き上げるのではなく、肩を下げたまま一気にみぞおちを引き上げるイメージ。

・下げるとき

お尻を後方に突き出しながら膝を曲げ、バーを太ももからできるだけ離さないようにしながら元の位置に下げる。背中は丸めず「板にしたまま」下ろすイメージで。


<『女性のための50歳からの筋トレ入門』より>


<『女性のための50歳からの筋トレ入門』より>

※本稿は、『女性のための50歳からの筋トレ入門』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

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