<大事なものまで捨てた><リバウンド>一気に片づけることで陥りがちな失敗の数々。整理収納アドバイザー「片づくのは一時。ものが増えることを繰り返すので無駄遣いにも」
2025年4月28日(月)12時30分 婦人公論.jp
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
「今まで片づけようとしたけれど、うまくいかなかった」という経験がある人は多いはず。そのような人たちに向けて、小さな所から片づけて、完璧を目指さず、心地いい空間を目指す「スモールフィット片づけ」を提案するのは、整理収納アドバイザーの阿部静子さん。今回は阿部さんの著書『人生がきらめく スモールフィット片づけ〜ペン1本から始める部屋と心が整う習慣〜』から一部を抜粋しお届けします。
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片づけは、一気にやろうとするからうまくいかない!
「一気に片づけないでください」と片づけ講座で言うと、参加者さんはたいてい驚きます。一気にやらないといけないと多くの方が思っています。そうすると、
「一気に片づける時間がない」
「長い休みのときにやろう」
と、いつまでも重い腰が上がりません。私自身もそうでした。
これがまず一気に片づけないほうがいい理由のひとつです。
実際、一気に片づけた方も一定数いて、
「失敗した」
「リバウンドを繰り返している」
という声を多く聞きます。
原因は多岐にわたっている
では、なぜ一気に片づけるとうまくいかないのでしょうか。
実際の声からその理由を4つご紹介します。
1 また増える(リバウンド)
2 大事なものを捨てて後悔する
3 捨てすぎて足りなくなる
4 疲れ切って次に片づけるのは1年後
うまくいかなかった原因は多岐にわたっています。
では、次の項目では、いっぺんに片づけるとなぜうまくいかないのかをひとつずつ紐解きます。併せてスモールフィット片づけの場合についてもお話しします。
一気に片づける場合と、スモールフィット片づけの違い
1 また増える(リバウンド)
一気に片づけるとき、何も考えずにものを捨ててしまいがちです。なぜこんなに増やしてしまったのか? なぜこれまで捨てられなかったのか? ということに気づかないので、また同じように増やしてしまいます。いわゆるリバウンドです。
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
なかには、「一度捨てることができたので、また増えたら捨てればいい」という「変な自信がついた」と言う方もいます。
この考えだと、一度片づいてもまた増えて散らかります。部屋が片づくのは一時で、ものが増えることを繰り返すので、無駄遣いにもつながります。
スモールフィット片づけは、1回1分でも手に取り、ものと向き合い、要・不要を判断しながら片づけるので、「ものを増やさないようにしよう」という気づきが生まれ、リバウンドを防げるようになります。
2 大事なものを捨てて後悔する
一気に捨てると、うっかり大事なものを捨ててしまうことがあります。すると後悔し、もう片づけたくなくなります。これが原因で、「片づけが嫌い」という方が多くいます。
スモールフィット片づけは、一つひとつものと向き合い、何が必要か不要かを考えて捨てるので、うっかり大事なものを捨てることを防げます。
1回1分だからこそ……
3 捨てすぎて足りなくなる
よく、「一気に服を捨てたら着る服がなくなった」という話を聞きます。いっぺんに何も考えずに捨てれば、持っている大体の数を把握できませんので、気づけば足りないということに。するとまた増やします。
スモールフィット片づけは、少しずつ進めるので、大体の持っている数を把握できているため、捨てすぎることはありません。
4 疲れ切って次に片づけるのは1年後
一気に片づけると疲れ切ります。息切れしてまだ途中であっても、次に片づける意欲がわきません。「片づけ=疲弊する」という図式ができ上がり、しばらく片づけから遠ざかります。結果として片づきません。
スモールフィット片づけなら、一カ所片づけばスッキリを実感し、またすぐ「他の所の片づけがしたい!」と思えます。1回1分だからこそ次につながり、習慣になります。
一気に片づけるとうまくいかないのは、以上のような理由があるわけです。
※本稿は、『人生がきらめく スモールフィット片づけ〜ペン1本から始める部屋と心が整う習慣〜』(アルソス)の一部を再編集したものです。
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