どうして使わないの?5月の連休を「ゴールデンウィーク」と呼ばないNHKの放送ルール

2025年4月29日(火)7時30分 婦人公論.jp


(イメージ写真:stock.adobe.com)

ゴールデンウィークの期間中は、渋滞や帰省ラッシュが盛んに報道されますが、実はNHKでは「ゴールデンウィーク」という言葉を使わないのだそう。なぜNHKは、世間一般に使われている言葉を使わないのでしょうか。

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NHKの厳しい「放送ガイドライン」


NHKでは「放送ガイドライン」において、商品名や企業名、キャラクター名などの使用は、必要性が認められる場合を除き、原則として避けることとされています。これは放送法第83条で、「他人の営業に関する広告の放送をしてはならない」と定められているから。

過去には岩崎良美さんが「ペリエ片手に」という歌詞を「ジュース片手に」と変えて歌ったり、かぐや姫が『紅白歌合戦』出場を辞退した理由が、歌詞にある「クレパス」を変えて歌うようにと言われたことだったりと、想像以上に厳しく運用されています。

しかし、なかには例外もあるようで、aikoさんが『紅白歌合戦』に出場した際には、歌詞にある「テトラポット」をそのまま歌いました。これは、消波ブロックの商標名である「テトラポッド」ではなく「テトラポット」という表記だったため、特定商品の宣伝にはあたらない、と判断されたからだそうです。


(イメージ写真:stock.adobe.com)

「ゴールデンウィーク」は映画業界が作った宣伝用フレーズ


実は「ゴールデンウィーク」は、元々は映画業界が宣伝のために作った言葉でした。しかし1950年代には一般的に使われる言葉になったので、宣伝行為には該当しないと思われます。

NHK公式によると、「外来語・カタカナ語はできるだけ避けたい」「長すぎて表記の際に困る」という放送の制作現場の声や、「前後の土曜・日曜を加えると10日ぐらいになることもあり、ウィーク(週間)も的確な表現ではない」などの理由で「大型連休」と言っているそう。

しかし「大型連休」という言葉も、同じニュース番組などで繰り返し使用されると耳障りな場合があります。そこでNHKは、「今度の連休で…」「今度の春の連休で…」や「この連休中に…」「この連休期間中に…」など言い回しを変えて伝える工夫をしているのだとか。

これまで何気なく放送を見聞きしていたNHK番組。注意深く聞いてみると、他にも民間放送とは違うNHK独自の放送ルールが見えてくるかもしれませんね。

婦人公論.jp

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