人類と恐竜が共存していた? 紀元前6500年の「恐竜土偶」は本物のオーパーツか

2023年4月30日(日)11時10分 tocana

 人類と恐竜が共存していた証拠なのか——。古代人が手がけたといわれている恐竜土偶の謎は深まる一方である。


メキシコ・アカンバロで発見された恐竜土偶の謎

 発掘された化石を科学的に検証することでかつてこの地球上で恐竜たちが我が世の春を謳歌していたことを我々は理解しているが、我々の祖先の古代人が恐竜を知っていたとは考え難い。


 だがこの定説を覆すような古代の土偶の数々が発見されて専門家を困惑させている。古代の人々が手がけた恐竜のフィギュアが数多く発掘されているのだ。


 1944年にメキシコ・アカンバロの町外れでドイツ人商人、ワルデマール・ユルスルートが馬に乗って移動中、地面にいくつかの奇妙な土偶が埋もれているのを見つけた。


 馬を降りて現場を調べてみると、土偶は恐竜の姿を模したものが多く、地中にはまだ多くの土偶が埋まっていることがわかった。ユルスルートは近隣の農家の助けを借りて最終的に3万体以上の土偶を発掘したのだった。


 土偶は恐竜を模したもの以外にも、さまざまな人種の人物像やエイリアンのようなヒューマノイド像、さらに空飛ぶ円盤のような形状のものなどもあった。そしてこのコレクションは発見場所にちなんで「アカンバロ・フィギュア」と呼ばれるようになったのだ(日本では「恐竜土偶」の呼称が一般的になっている)。


 このアカンバロ・フィギュア、恐竜土偶はいつ頃に作られたものなのか。


 ユルスルートは専門家をあたって恐竜土偶の年代測定を依頼したが、その結論は学者によってまちまちで、紀元前6500年のものであるという者もいれば、せいぜい紀元前1500年ものであるという見解までかなり開きのあるものであった。


 そして最大の謎は恐竜土偶なのだが、恐竜が絶滅したのは6600万年前であり、仮に作られたのが6500年前であったとしてもその時代の古代人がどうやって恐竜の姿を土偶のモチーフにできたのかという問題が浮上してくる。


 恐竜を知らないはずの古代人が恐竜をモチーフにした工芸品を作ったということは、それは時代考証を逸脱した“オーパーツ”ということにもなるだろう。


 作家のデビッド・チルドレス氏らによれば、恐竜は6600万年前に絶滅したことになってはいるが、個別的あるいは地域的に生き残った恐竜が種を存続させたケースもあり、紀元前3千年以前(先史時代)までは決して珍しい生物種ではなかったと説明している。ということは人類と共に恐竜が生きていた時代があったことになる。そうであれば土偶のモチーフになっていたとしても確かにおかしくはない。


恐竜土偶は後から作られた!?

 とすれはこの恐竜土偶は古代人の作者が実際に生きた恐竜を見て作ったものなのだろうか。しかし話はそう簡単にはいかないようだ。


 ブロガーのアダム・ヘネシー氏は1930年代の初めにアカンバロから7キロも離れていないチュピクアロの遺跡から一連の人物像の土偶が発掘されていることに着目している。


 チュピクアロ遺跡は最古のもので紀元前8世紀にまでさかのぼるといわれているのだが、それらの土偶は炭素年代測定で紀元前200年から紀元前1500年にかけて作られたものであるとの測定結果が出された。


 そしてヘネシー氏によれば、チュピクアロ遺跡の土偶とアカンバロ・フィギュアの類似性は顕著であるということだ。特に人物像は目、頭の形と大きさが酷似しているという。


 こうしたことからヘネシー氏は、ワルデマール・ユルスルートはチュピクアロ遺跡の土偶のことを知って複製を作り、アカンバロに埋めてから3万体以上の土偶を発見するという自作自演を行った可能性を指摘している。


 あるいはユルスルートはチュピクアロ遺跡で別の大量の土偶を見つけたが、そのままでは金儲けはできないことから、恐竜土偶やUFOの土偶を作成して追加することにした可能性もまたかなり高いということだ。


 オーパーツ説、先史時代の人類と恐竜の共存説、そして捏造説が揃ったことになるが、このほかにも時空を超えて人類と恐竜が対面したタイムトラベル説や、時空を超える技術を持ったエイリアンの仲介説なども考えられるかもしれない。謎が深まる恐竜土偶について新たな情報があればまたお知らせしたい。



参考:「Medium.com」ほか

tocana

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