「川に転落した車から、何とか抜け出した私と恋人。ずぶ濡れのまま近くの民家に助けを求めると...」(東京都・60代男性)

2023年5月2日(火)11時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Nさん(東京都・60代男性)

その日、Nさんは恋人と映画を観にいった。その帰り、彼女の具合が悪くなり、川の路肩に車を止めて介抱しようとしていたら、車ごと川に転落してしまう。

何とか車から抜け出すことができた彼らが、近くにあった民家に助けを求めに行くと......。

<Nさんの体験談>

まだ私が故郷に住んでいる時ですから、今から40年も前になります。

当時付き合っていた女性とオールナイト映画を観て、当日は大学の卒業式だったので、彼女を家に送る途中でした。

逆さまに川に落ちた車、開かないドア

その時、彼女が「具合が悪い」と訴えたので、介抱しようと思い車を川の路肩に止めました。

ところが、サイドブレーキがちゃんとかかっておらず、そのまま車ごと川に転落してしまったのです。

逆さまに落ち、車内に水がどんどん入ってきます。ドアは開かずこのまま溺れるのではないかと思いました。

幸いあごのあたりで水は止まり、10分くらいかけてなんとかドアの隙間を開けられたので、彼女を引き上げ川から抜け出し......3月の朝方、ずぶ濡れの私たちは凍えそうでした。

周囲は田舎なので車も止まらず、困り果てた私たちは近くの民家に助けを求めることに。

すると、その家の皆さんが家族総出で起きてくれて、着替えの着物を貸してくれてお風呂まで沸かせてくださいました。

「1日ずれていたら死んでいたよ」

その後、ご家族へのお礼もそこそこに友達に迎えに来てもらい、彼女を家まで送り届けた後、水没した車を見に行ったら、人だかりができていました。

車の持ち主だと言ったら、先日この川は水抜きをしたばかりで「1日ずれていたら死んでいたよ」と......。

私は大学を卒業した後、地元を離れた就職先に赴きました。

それから一緒に川に落ちた恋人と結婚し、仕事を全うし、地元に帰ることなく定年を迎え、今では孫3人いる生活を過ごしています。

あの日、朝方から総出で助けていただいたご家族に対して、ちゃんとお礼できていないことが今でも心残りです。

ありがとうございました。その日助けていただいたことで今の自分があります 本当に感謝しています。 

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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