群馬・高崎で見かける謎のグルメ「オランダコロッケ」とは? 現地調査してきた!

2023年5月2日(火)10時49分 食楽web


食楽web

●群馬・高崎の名物「オランダコロッケ」を調査。高崎とオランダの意外な接点と、「オランダコロッケ」の味を確かめに、高崎まで行ってきた

 都市部では飲食チェーンなどが続々と進出し、安くて美味しいものがいっぱいあります。しかし、どこに行ってもチェーン店ばかりで「そこでしか食べられない味」というものが減りつつあり、正直寂しく思うところもあります。そんな今ですが、茨城・栃木・群馬といった北関東にはまだまだ「そこでしか食べられない味」が存在し、ある意味で「B級グルメの砦」となっています。

 そんな中、群馬・高崎には「オランダコロッケ」なる他地域では聞きなれない名物グルメがあると聞きつけました。しかし、「高崎とオランダって、親和性もあるし合うよね!」とはすぐには思えないのも正直な感想です。

 今回は、「オランダコロッケ」にまつわる謎を探るべく、高崎まで行ってきました。そして、噂の「オランダコロッケ」の味わいについてもご紹介します。

23年前に開催された『オランダフェスタin高崎』で考案

「オランダコロッケ」が誕生したのは今から23年前の2000年のこと。同年「高崎市制100周年」と「日本オランダ国交400周年」を記念して、『オランダフェスタin高崎』というイベントが開催されました。このイベントに出店することになった高崎市内の食肉関連企業が考案したのが「オランダコロッケ」でした。

 オランダのアムステルダム界隈ではファストフード店の自動販売機で、コロッケが買えるほど人気があります。もしかすると、このことも「オランダコロッケ」を作るきっかけになったのかもしれません。

 このイベントで「オランダコロッケ」は「これまでになかった味」として老若男女に受け入れられ、地元では「イベントが終わった後も、続けて作ってほしい」という声が多かったため、以降今日まで高崎市内の複数の精肉店で販売され続けるようになりました。

「オランダコロッケ」の定義とは?

「オランダコロッケ」は、一般的な小判型のコロッケとは少々趣きが異なります。俵型のカタチで、チーズ、ジャガイモ、ベーコンそしてパセリなどを材料に作られたもの。使われるベーコンは、養豚が盛んな高崎産豚肉で、チーズと豚の脂が絡むことで豊かなハーモニーを奏でるのだそう。

 ここまでのエピソードを知り、かなり気になった筆者は高崎市内の中でも特に人気だという2つの精肉店で、「オランダコロッケ」を購入。その味比べをしてみることにしました!

「オランダコロッケ」の2つの名店で食べ比べ


左『平井精肉店』の「オランダコロッケ」、右『まつしま精肉店』の「オランダコロッケ」

「オランダコロッケ」の定義は前述の通りですが、そのカタチ・味わいは各精肉店ごとに異なるようです。今回購入した『平井精肉店』は、細長く黄金色の揚げ上がり。一方、もう一つの購入先、『まつしま精肉店』の「オランダコロッケ」は、俵型でありながらも少しもっこりした見た目です。


左:『平井精肉店』の「オランダコロッケ」の断面、右:『まつしま精肉店』の「オランダコロッケ」の断面

 割ってみても、その中身には各店の個性が感じられます。『平井精肉店』、『まつしま精肉店』ともにパセリが見え、真ん中にチーズが仕込まれているのがわかります。

『平井精肉店』の「オランダコロッケ」には細かくカットされたベーコンがふんだんに使われています。対する『まつしま精肉店』の「オランダコロッケ」はベーコンは見えませんが、その代わりチーズがビッシリ入っているのがわかります。


『平井精肉店』の「オランダコロッケ」をいただきます

 ソースを添え、さっそく『平井精肉店』の「オランダコロッケ」からいただきました。黄金色に揚げられたそれは、見た目よりも爽やかな口当たりで、まるでヨーロッパ料理をいただいているかのようなオシャレな味わい。白ワインにも合いそうな印象です。言うまでもなく一般的なコロッケとは似て非なるもので、その味は複雑でクセになる味でした。


『まつしま精肉店』の「オランダコロッケ」をいただきます

 続いて、『まつしま精肉店』の「オランダコロッケ」もいただきます。『平井精肉店』の「オランダコロッケ」よりも濃厚な味わいで、こちらも美味。『平井精肉店』のオシャレな印象もある「オランダコロッケ」に対し、『まつしま精肉店』の「オランダコロッケ」はどこか日本的な口当たりも感じさせ、こちらもクセになります。ご飯のお供としてはもちろん、ビールやサワーなどにピッタリのように思いました。

独特の調理設計と、「高崎の人たちの思い」がこもった一品だった!


『平井精肉店』の「オランダコロッケ(生)」。お土産にもピッタリ!(食楽web)

「オランダコロッケ」の2つの名店、その定義を守った調理設計である一方、やはり独自の個性を生み出していることがわかりました。いずれも絶品でしたが、このように高崎市内の「オランダコロッケ」を出す店を複数回って、その違いを楽しみながら、好みの店を見つけるのも楽しそうです。

 また、その場ではお腹いっぱいで食べられない場合でも生の状態の「オランダコロッケ」を購入できる店も多いとか。高崎のお土産の一つとしてチョイスしてみるのも良いように思いました。

●まとめ:高崎名物「オランダコロッケ」は、地元のオランダ関連イベントがきっかけだった。一般的なコロッケとは似て非なる高崎でしか味わうことができない絶品の味だった!

 高崎に根付く「オランダコロッケ」は、一般的なコロッケとは似て非なる味わいで、地元の人たちの思いが詰まった一品でした。

高崎を含む群馬エリアには、チェーン店にはない「そこでしか味わえないもの」がたくさんあります。こういった群馬のグルメ探訪の一つとして高崎の「オランダコロッケ」をチョイスし、食べてみてください。その絶妙な美味しさに頬が落ちることウケアイです。

(撮影・文◎松田義人)

●SHOP INFO

店名:平井精肉店

住:群馬県高崎市大橋町7-18
TEL:027-3222-3625
営:10:00〜19:00
休:日・祝

店名:まつしま精肉店

住:群馬県高崎市新町2665
TEL:027-3222-3625
営:火〜金8:30〜19:00/土・日9:00〜17:00
休:月曜

食楽web

「オランダ」をもっと詳しく

「オランダ」のニュース

「オランダ」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ