70キロのダイエット後、医師から「うつ状態」と…体重140キロあったルイボス(33)が語る、心療内科での壮絶な治療

2025年5月4日(日)12時10分 文春オンライン

〈 《140キロ→68.5キロ》劇的チェンジに成功するも、突然「過食」に…92キロのルイボス(33)が明かす、辛かった休業期間「街中で涙が出て…」 〉から続く


 1年間で140キロから68.5キロまで痩せたルイボスさん(33)。ダイエットに成功した後、筋トレを始め、ボディビルダーを目指す過程で過食に苦しみ、うつ状態となった。


 なぜ過食に陥ったのか。体重が99キロまで増量したというルイボスさんに、そのきっかけや症状について聞いた。(全2回の2回目/ 最初 から読む)


◆◆◆


心療内科で処方された薬がきっかけで過食も落ち着く


——心療内科ではどのような診察を受けたのですか。


ルイボス まず、うつ状態かどうかの検査を受けました。「死にたい気持ちがある」と先生に話をしたら、うつ傾向にあると診断されて。「こんなに食べてしまうなんて甘えですよね」と告げたら「そんなことないよ」「つらい時はそんなこともあるよ」「誰にだってそうなることがある」と言ってもらえて。それから気持ちを落ち着かせる薬をいただくことになったんです。「副作用で食欲が落ちることもある」と説明いただきました。


——その時の心境を教えてください。


ルイボス 気分が落ち込むことって自分では普通の状態だと思っていたんですよね。人生ってしんどいことが続きますし。でも、毎日死にたいと思うようになっているのはおかしかったし、先生と話をしてうつ状態にあるんだなと納得しました。


 いつ復活できるか自分ではわからなかったんですが、先生から「少し気分が落ちている状態だから、手助けする感覚で薬を飲んでいけば復活できるよ」と言われたので、薬を飲みながら休もうと決めました。



約70キロ落としたダイエットをしていた時のルイボスさん


——薬の効き目はいかがでしたか。


ルイボス 効果が強くない薬を処方してもらったんですが、実際に飲んでみると効き目が強すぎて。飲むと倦怠感が出てきて、1日中なにもできなくなりました。起きて、寝てを繰り返すだけ。死にたい気持ちは薄れましたが、気力が全くなくなったんです。


 ずっと寝ていたので、食べることもなくなりました。1週間で体重が2キロくらい落ちましたね。それはよかったんですけど、寝る以外に何もできなかったので、社会に戻れないかもしれないと不安になって。ずっと体がだるかったので、錠剤を飲むこともだんだんと怖くなりました。


 結局、薬を飲み始めて2週間経った後の診察で先生に相談して、錠剤の量を1/4の量に減らしてもらいました。


——そこから回復していきましたか。


ルイボス 症状はマシになりましたね。食べなかったおかげで食欲が安定したのか、過食もしなくなりました。少しずつ回復して、2ヶ月が経った頃には、先生と相談して、薬も飲まなくなりました。


メンタルが回復した後に痛風となる


——メンタルが安定した後に再びダイエットを始めたんですよね。


ルイボス はい。ただ、ダイエットを本格的に始めようと思っていた時に痛風になってしまったんです。右足の親指のつけ根が腫れてしまって。


 痛いと思った翌日には激痛に変わって。なんとか歩くことはできたので、病院で注射を打ってもらって薬をもらいました。でも痛みは治らず3週間くらい続きましたね。


——そんな状態ではトレーニングもできませんよね。


ルイボス 尿酸値が上がるのでウエイトトレーニングも控えていました。


——痛風で思うようにダイエットができないことはストレスになりませんでしたか。


ルイボス 自分のせいではあるんですけど、早くトレーニングとダイエットを再開しなきゃと少し焦りました。以前だったら爆食いを始めちゃっていたと思います。怪我や体調不良になった時のストレスって大きいんですよね。


 でも、今回は本当に頑張ろうと思っていたので、カロリー管理アプリを使って記録しながら食事に気をつけて。


——ちなみに食事量はどのくらいだったんですか。


ルイボス 自分の場合はトレーニングをしている時は、3000キロカロリーに抑えると体重が落ちていきます。トレーニングをやめると体重の変化がなくなるんですよね。なのでとりあえず3000キロカロリーで様子を見ていたんですが、痛風がまったく治らなかったんです。


「2〜3日で痛みが治るかな」と思っていましたが、1週間経っても2週間経っても治らない。それで2500キロカロリーに抑えるように食事量を減らしました。


——カロリーを記録しているということですが、どういうものを食べているんですか。


ルイボス 脂質を抑えたいので、たんぱく質を摂取できるような食事をとっています。白米やパスタをメインにしつつ、皮のない鶏胸肉、たまご、シャケなどを食べています。


——冷静にダイエットに臨まれているんですね。


ルイボス 僕の場合、うまくいかないと感じたストレスが過食のきっかけになるんですよ。目標を高く掲げて、計画が狂っていくとストレスが増えて、段々と過食が加速する。それがわかっているから、そうならないように気をつけています。


——過食している時はすき家によく行っていたと言っていましたが、現在はいかがですか。


ルイボス 1人ではできるだけ外食に行かないようにしています。


 すき家自体は何にも悪くないんですよ。ダイエットをしている人向けのメニューもあるので、気をつければいいだけなんです。ただ、僕は1人で行っちゃうとリミッターが外れるので、店に行かないようにしています。もちろん誰かとの食事会は別です。その時は食べるって決めています。


——リミッターが外れないように工夫しているんですね。


ルイボス 心が弱いので、1回やってしまうと崩れるんですよね。過食になる前はコンビニでお菓子を買うこともあったんですが、今は買わないように気をつけています。


ノルマを下げてダイエットに臨むように


——ダイエットに臨む姿勢は変わりましたか。


ルイボス 最初のダイエットでは毎月5キロほど痩せていました。その時は2000キロカロリーの摂取量で、毎日歩いたり運動したりしてたんですが、今同じことをするのは厳しいんですよね。5年経って体も衰えていますし、ハードな運動やトレーニングをすると怪我するかもしれないので。


 ダイエット中に怪我すると落ち込みますし、メンタルも弱くなって立ち直れなくなるかもしれないので、毎月1〜2キロずつ痩せるような長いスパンでのダイエットを考えています。


——いつまでに達成しようと考えているんですか。


ルイボス 2年後の35歳までには自分にとって最高の状態に持っていきたいです。ただ、細かい目標の設定や期限も設けていません。以前は「大会までに何ヶ月で何キロ痩せる」と宣言していたんですが、それもプレッシャーが大きいと実感したので、やらないように気をつけていますね。ノルマを下げて、ストレスがない形で痩せることを目指しています。


——堅実な目標設定ですね。


ルイボス そうですね。今の自分は根性で乗り切ることが難しいと思っています。以前は「頑張ればなんでもできる!」と思っている部分もありました。でも、診察を受けたおかげで、心も身体もダメージを受けることを理解できました。自分を見つめ直せたんですよね。


——ボディビルはまた目指されるのでしょうか。


ルイボス やっぱりボディビルの大会に出られなかったのが大きな後悔として残っているんですよ。このまま挑戦できずに終わると、一章負い目を感じて生きていくことになると思って。前回できなかったボディビルに挑戦して、胸を張って生きていきたいですね。


(中 たんぺい)

文春オンライン

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