シャワーにランドリー、レトロゲームまで... もはや住みたい!埼玉の自販機レストラン「まんぷく」
2019年5月6日(月)18時0分 Jタウンネット
そば・うどん、ハンバーガーにトースト——自動販売機でこれらのメニューを買い、その場で食べるオートレストラン。かつては全国の国道沿いにあったがコンビニエンスストアの隆盛でその姿を見かける機会も少なくなった。
しかし、一部の地域ではこうしたオーレストランも未だに健在。Jタウンネット編集部では東京からも行きやすい埼玉県の店舗に行ってみた。今回は埼玉県久喜市の「オートパーラーまんぷく」。果たしてどんな店なのだろうか。
我が家のような居心地
オートパーラーまんぷくがあるのは国道125線沿い。茨城県古河市との県境も近く、埼玉県の端っこにあるオートパーラーといっても過言ではない。
筆者がここを訪れたのは金曜の深夜。日付が変わっていつもは交通量の多い県道3号線から125号を通る。東武日光線を超え、コンビニでもありえないような光を放っている。
ド派手な外観は少しびっくりしてしまう。大型車の駐車スペースもあるためか、一般車の駐車スペースがほんの少し狭く感じる。
店舗のスペースは2か所に分かれている。
1つはコインランドリーがメインの部分。大型トラックの運転手への配慮かコインシャワーも設置されており、自販機コーナーやゲームスペースもある。そういった部屋がないのにコンドームの自販機があるのも風情がある。
コインランドリーのコーナーから外へ出て、道路側へすこし出っ張ったところにも部屋がある。
ここは自動販売機が充実しており、ゲームコーナーも併せて休憩スペースのようだ。コインランドリーのコーナーに比べて自販機のレパートリーも多彩で、冷凍食品からアイスにお菓子、カップラーメンと何も不自由がない。24時間営業で、もはや住めそうな勢いだ。
立地的にも車が大前提なはずなのに、なぜかお酒も多いのは謎だ。
本題であるレトロな自販機だが、そば・うどん自販機のメニューをいただく。先のコインランドリーの部屋だけでなく、休憩スペースにもそば・うどんの自販機がある。
駅中のかけそばでも300円をこえるものが多い中、ここでは天ぷらそばでわずか200円。なんともありがたい。
うどん県1位を狙っていると噂されている埼玉県だが、加担したくないため「天ぷらそば」を選んだ。
レトロであるが、しっかり温まっている。しかもわずか20数秒で出来上がってしまうのだから驚きだ。
心なしか太いようにも見える麺とすでに汁を吸いきっている天ぷら——程よいクオリティだ。あまりの短時間調理だったせいか、たまにベビースターのような食感の麺もあったが、愛すべき欠点としてありがたさすら感じる。
揚げ物というより小麦粉と野菜を混ぜただけの新手の食べ物といったところだが、汁の味を本物の天ぷら以上に吸い込んでくれており、食べやすい。
自販機の上に乗ったテレビを見ながらグッタリ。日頃のストレスが浄化されていく。道路を走る車の音、ゲームの音声など静かではないが、生活感溢れる空間がすべてよしとしてくれる。
あまり長居しすぎるとここで一夜を明かしてしまいそう。程よいタイミングで退散。誰もいない国道を南に走らせた。