【最悪のシナリオ】北朝鮮による核発射からわずか「72分」で世界は滅亡する

2024年5月5日(日)12時0分 tocana

 現在の地球上で核戦争が起きた場合の最悪のシナリオとは——。北朝鮮のアメリカ本土への核ミサイル攻撃からわずか72分で世界が滅亡するという。


■北朝鮮の核ミサイル発射から72分で人類滅亡


 2年以上も続いているロシアによるウクライナ侵攻、昨年10月からはじまったガザ地区とイスラエルとの紛争、さらに今年4月のイランによるイスラエルへの空爆、そして依然として緊張が続く台湾情勢と、世界の軍事的緊張は収まる気配を見せない。


 状況の行方如何では核戦争の可能性はゼロではないとも言えそうだが、最悪の核戦争が起きた場合、世界はどうなってしまうのだろうか。


 ピューリッツァー賞の最終候補にも選ばれたことのあるジャーナリスト、アニー・ジェイコブセン氏は今年4月刊行の新著『Nuclear War: A Scenario(核戦争:シナリオ)』で、最悪の核戦争シミュレーションを解説し、北朝鮮の核ミサイルによって引き起こされる一連の出来事によってわずか72分で世界が滅亡する戦慄のシナリオを提示している。


 その最悪のシナリオの鍵を握る人物はただ一人、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)である。


 ジェイコブセン氏は、北朝鮮が特定の国にミサイルを向ければ文明の終焉を引き起こす可能性があるため、世界の運命は金正恩氏の手にかかっていると言及している。


 北朝鮮が実際にアメリカ本土を核ミサイル攻撃できる能力を備えているかどうかはまだわかっていないのだが、ジェイコブセン氏によればその場合、標的はワシントンD.C.の国防総省(ペンタゴン)とカリフォルニア州の原子力発電所「ディアブロ・キャニオン発電所(Diablo Canyon Power Plant)」の2つになり、その直後に起きる全面核戦争で72分後に世界は終焉を迎えるという。


 具体的にはまず北朝鮮が大陸間弾道ミサイル「火星17」でワシントンD.C.を奇襲攻撃し、SLBM「北極星1号」でディアブロ・キャニオン発電所を攻撃する。


 攻撃された原子力発電所はメルトダウンを引き起こす大災害を引き起こし、これに対する報復攻撃でアメリカは北朝鮮に向けて数十発のLGM-30ミニットマン大陸間弾道ミサイルを発射。


 アメリカから発射された大陸間弾道ミサイルが北朝鮮に到達するには北極圏とロシアを通過する必要があり、これをロシアへの攻撃と誤解したロシア軍は、アメリカとNATO同盟国に反撃を開始する。そして世界全面核戦争へと発展するのである。


■“情緒不安定な”最高指導者こそが致命的なリスク


 この最悪シナリオが展開した場合、72分で世界は滅亡し、“核の冬”が地球を飲み込み、北半球は居住不可能になる。


 アメリカ大統領は、アメリカ本土に向かうミサイル発射の報告を受けてから判断を下すまでにわずか6分しか与えられておらず、軍事顧問らから報復攻撃を開始するよう圧力を受ける可能性が高いという。


 ジェイコブセン氏は“情緒不安定な”最高指導者こそが世界にとっての致命的なリスクであると指摘しており、金正恩の愚かな決断と、それに続くアメリカ大統領の怒りにまかせた拙速な意思決定によって、世界は滅亡へと導かれるという。


 ジェイコブセン氏は一国のリーダーとして「健全な精神を持ち、自分の精神能力を完全に制御できる人物であり、感情が不安定で怒りっぽくない人物が望ましいでしょう」と説明する。


「これらは、人々が大統領に投票する際に考慮すべき重要な人物像です。それは大統領が核兵器を発射する唯一の権限を持っているという単純な理由からです」(ジェイコブセン氏)


 この場合、ロシア、イギリス、フランスなどが核紛争に巻き込まれる可能性が高く、専門家らは2018年初めからその懸念が浮上してきていると説明する。また米メディア「Vox」の取材に応じたある専門家は、問題は金正恩氏に大量破壊兵器を発射する「動機」があるかどうかを読み取ることだと語っている。


 ビル・クリントンとバラク・オバマの国防政策顧問であったミシェル・フルノワ氏は「北朝鮮軍が特に優れているということではありませんが、北朝鮮が核兵器やその他の大量破壊兵器を保有しており、現在、それらを使用する真の動機を持っているかもしれない状況にあるということです」と話す。


 はたして“情緒不安定な”リーダーによって核戦争が引き起こされてしまうのだろうか。ちなみに我々がいつまで経っても地球外文明が発見できないでいるのは、発見・接触する前にそれらの文明が自ら滅びてしまうからだという説もあるが、人類もその例に漏れなくはないことを願いたいものである。



参考:「Daily Star」ほか

tocana

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