絶対ハズさない! 東京周辺の旨すぎる最旬「焼肉店」5選

2019年5月7日(火)12時0分 食楽web


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 古くから日本で親しまれてきた「焼肉」ですが、近年では、少ないポーションで多種構成のコースとして提供する割烹スタイルや、今まで見たことも無かった調理法を駆使する店、ジビエを低価格で食べさせる店など、進化と広がりを続け、まさに群雄割拠の様相を呈しています。

 近年、様々な業態が登場し躍進目覚しい焼肉業界。でも本当に実力をもっているのは実のところ昔ながらの店です。そういった町焼肉の名店は得てして口コミも広がらないもの。では一体どこに行けば最高の焼肉にありつくことができるのか? その答えがここに!

大幸園 小宮本店(東京・八王子)


(左)「特選ヒレ」(3,800円)。ヒレ特有のやわらかさと、口全体に広がる旨味の洪水を楽しめる。こっそり暴露しちゃうと、本当にいいものを使っているので実は赤字メニュー。(右)圧倒的なインパクトを残すのが「レバぶつ焼き」(1,100円)。ロースターで周りを炙って食べれば、そこは天国

想像もできない異界が待つ、町焼肉のシンギュラリティ

『大幸園』は、地元の人達で賑わう本来的な町の焼肉屋。しかし、今では日本全国のみならず、台湾や香港など海外からのゲストも訪れるようになったお店です。なぜ、今これほどのブレイクを? そのきっかけは「孤独のグルメ」の放映。

「放映以来、ファンの方々が来てくれるようになって、一気にお客さんが倍増しました。それに応えるために週に数回だった仕入れも毎日するようになって。おかげさまで精肉もホルモンもより良いものを使えるようになりました」

 つまり、メディアに登場したことで、お客が増え、質が良くなり、焼肉ラヴァーに注目されるという好循環。もちろん、この流れは主人である金本さんの目利きによる部分も大きいです。

 それを象徴するのが、つい当たり前に聞いてしまう「どこの和牛を使っているんですか?」の質問に「産地やブランドはこだわっていないです。だって、本当にいい状態の黒毛和牛ならどこのでも美味しいですよ」と話す姿。この言葉こそが目に相当の自信がある証左です。


丁寧な仕事が施された「上ミノ」(1,000円)。今まで食べていたミノは何だったのだろうか

 目を疑うほど厚切りの牛タンや、あまりの美しさに呆れるレバぶつ焼きは当然オススメですが、取材時に一番衝撃的だったのは上ミノだったと付け加えておきます。ぜひ現地で試してみてほしいです。

●SHOP INFO

店名:大幸園 小宮本店

住:東京都八王子市小宮町863-3
TEL:042-642-1129
営:17:30〜23:00(22:30LO)、日曜、祝日17:00〜22:30(22:00LO)
休:水曜

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ホルモン千葉(東京・渋谷)


ホルモンの焼きから〆の麺まですべて料理人が目の前で作ってくれる贅沢

高級店には出せない「味」真のエンターテイメント焼肉

 京都のホルモン料理店『ホルモン千葉』が東京初の店舗として渋谷にオープンして2年半が経ちました。その人気ぶりは衰えることを知らず、開店前の行列は渋谷・宇田川町に当たり前の景色として溶け込んでいます。

 店内はコの字型のカウンター席のみ。訪れた人のほとんどが注文するのが「千葉コース」。中落ちの赤、マルチョウ(小腸)、アブタン(舌)、ツナギ(首)、タンコリ(喉)が盛りつけられたコク塩の皿、アブシン(心臓)、ホホニク(コメカミ)、ホソ(小腸)、アカセン(第四胃)を揉み込んだ黒ダレの皿、そして〆の麺までが盛り込まれたコースです。


醤油ベースの黒ダレは味噌などを調合し、甘みのある味わいに仕上がっている

 酒と、刺しを注文して飲んでいると目の前に鉄板が置かれ、肉が登場。ここでは焼き物はすべて料理人が焼き上げてくれます。「最高の焼き加減で食べ頃の瞬間を逃してほしくない」との強い思いからこの業態になったそう。杯を進めていく間に、完璧な火入れを施したホルモンが皿に盛られていきます。後は、部位ごとに食感や味わいの異なる肉をリズミカルに、そして一心不乱に食べるのみ。

 そして穴の開いた鉄板の下には、特製の黒ダレの器が。ホルモンを焼く時に出る旨味たっぷりの脂を一滴も逃したくないと、“肉汁口”のついた鉄板を考案し、〆の麺のためにタレを育てていくののです。ぽたりぽたりとタレの中に落ちていく脂を見ていると、麺への期待が高まるというもの。


千葉ダレで作る〆の麺を楽しみに肉を食らおう

 麺は京都発祥の店らしく、うどんか焼きそばからチョイス。肉の旨味が染み込んだ鉄板に生麺を焼き付けるように炒め、最後に肉の旨味が凝縮した黒ダレを投入し、卵を落として完成。具材は、黒豆もやしとキャベツのみ。肉が入らずともここまで満足度の高い焼きそばはなかなかお目にかかることができません。

●SHOP INFO

店名:ホルモン千葉

住:東京都渋谷区宇田川町37-12
TEL:03-3485-3257
営:17:00〜23:00LO
休:木曜

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焼肉ジンギスカン つるや(神奈川・八丁畷)

長年、行列が絶えない川崎屈指の老舗正統派焼肉

 焼肉激戦区の川崎において、大衆焼肉の雄とされる『焼肉ジンギスカン つるや』。「孤独のグルメ」で一躍話題となっている店ですが、その歴史は古く、八丁畷(はっちょうなわて)で暮らす先代が、自宅で焼肉店を始めたのは1964年。その後、1972年に現在の地に店を構えました。

 開業当時、北海道を訪れた先代が、初めて食べたジンギスカンに感動し、関東ではまだ珍しかった羊肉も取り入れると、たちまち口コミで話題となり、地域の人々に愛される繁盛店となりました。

 先代の引退後、次男の金山成洙さんが、2代目として肉の仕入れや接客を受け継いでいるのですが、そのスタイルは不変。「父の代から長い付き合いのある肉卸店は何軒もあるので、部位ごとに一番良い店を選びながら毎日買い付けをしています。毎日売り切る量を仕入れることで、新鮮なものを新鮮なうちに提供し続けることができるんです」と語る金山さん。

『つるや』では月・水・木曜しか予約は受け付けず、その他の日は先着順。そのため、開店前には長蛇の列が続き、40席ある店内ながら、すぐに満席となる日が多いといいます。並んででも食べたい肉。それこそが、この味と店の活気を長年支え続けているのです。


生後1年以内の仔牛からしかとれない胸腺を使用した「シビレ」(770円)。フワッとしながらムチムチ感もある独特の食感が病みつきに

 そんな『つるや』で必ずオーダーしたい肉といえば「シビレ」。やわらかさと弾力が同居した肉は、溢れ出る旨味の応酬がクセになる一品です。また、開店時からの人気メニュー「ジンギスカン」は、オーダー時に「辛くする?」と聞かれるのが慣例。客の好みに応じて、肉の上に粉唐辛子をトッピングしてくれるのだが、この一振りが肉の味をグッと引き立てます。唐辛子は国産と韓国産数種類を料理や好みに応じて使い分けるこだわりぶり。さらに、肉の付けダレはフルーティーで甘口に仕上げているが、ここに粉唐辛子とおろしニンニクを加えた、つるや流の食べ方はぜひ一度試してみて欲しい一品です。

●SHOP INFO

店名:焼肉ジンギスカン つるや

住:神奈川県川崎市川崎区日進町19-7
TEL:044-211-0697
営:18:30〜21:30(20:50LO)
休:火曜、不定休

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金楽(東京・浅草)


(左)「タン」は驚きの分厚さで1,500円。しっかりと脂がのり、歯切れの良さがクセになる逸品。(右)厚さ1cm程にカットされながら、ほどけるようなやわらかさと旨味をもつ「ハラミ(塩)」950円

炭火の香りを纏った分厚いハラミとタンが秀逸

 今では焼肉店がひしめき合う浅草の地で、1974年に開業した先駆け的存在の『金楽』。韓国は済州島出身の店主・金英哲さん夫妻が店を始め、現在は2人の息子夫妻らも共に支える、家族経営のアットホームな店として長年愛され続けているお店です。

 いまは亡き英哲さんの妻に代わり、店を切り盛りする長男の妻・任琴淑さんは「お父さんは味にとてもこだわる人で、肉や炭だけでなく、お母さんが作ってきたキムチやタレの味もしっかりと受け継いできました。建物は古いですけど、うちにしか無いこの味と雰囲気は残していきたいです」と話します。

 七輪には火力の強い岩手のナラ炭をセット。厚切りながらやわらかい肉は、特注の焼網でやや遠火になるよう高さ調整しています。英哲さんがこまめに炭や火力の具合を見て回る徹底ぶりには、老舗のプライドが垣間見えます。


昼からの通し営業のため、終日多くの人で賑わう

 料理には手間と真心を込め、常に客目線であること。英哲さんの教えを守り続け、さらにその味を進化させている不動の存在です。

●SHOP INFO

店名:金楽

住:東京都台東区浅草1-15-4
TEL:03-3844-3357
営:12:00〜23:00
休:第1〜4火曜

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今久 本店


「前沢牛特選サーロイン」2,160円

前沢牛を焼いたらハンバーグで〆る! コレ、千葉のジョーシキ

 前沢牛の優良店としても知られている『今久 本店』。明治の頃から精肉業に携わり、銚子で牧場を営んできた布川家は、三代目の時に旭の地でこの店をオープンしました。さまざまな牛を見てきた中で三代目が惚れ込んだのは岩手県の前沢牛。「遠野に牛を見に行った時に、その血統の素晴らしさに感銘を受けました。牛の良さはエサや肥育もあるけれどやはり血統です」と言い切ります。


まるで絹のごとき舌触りの「黒毛和牛ローストビーフ」860円。枝肉で仕入れて15日ほど寝かせ、提供する

 前沢牛は脂が上品で甘く、寝かすほどにとろけるような味わいになります。『今久』では前沢牛のほか黒毛和牛を一頭買いし、店内奥の冷蔵庫で寝かせて、解体から加工・販売まで一手に行うことで、コストを抑えて提供することを実現。そのコスパの良さに週末の予約は1ヵ月先まで埋まっているそう。


前沢牛と黒毛和牛のみで作る「極旨特製和牛ハンバーグ」は美味しさもさることながら、650円というその値段にも驚かされる

 この店で、常連が焼き物を一通り食べた後、〆に注文するのが「ハンバーグ」。前沢牛やA5ランクの黒毛和牛で作る手ごねハンバーグは、とろけるような舌触りで〆にもさらりとイケるほどの極上の味わいです。

●SHOP INFO

店名:今久 本店

住:千葉県旭市川口3435-7
TEL:0479-63-6768
営:17:30〜22:00(最終入店20:20、21:3OLO)、土曜、日曜、祝日17:00〜22:00(最終入店20:20、21:30LO)
休:水曜

(文◎島貫朗生/佐藤由美/千葉泰江 撮影◎加藤史人/宮本信義/辻嵩裕)

※当記事は『食楽』2019年春号の記事を再構成したものです

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