小学生の流行語、1位はあの名言!! 親世代との流行語を比較してみたら、明確な違いが浮き彫りに

2022年5月7日(土)6時1分 マイナビ子育て

ここ数年で、子どもを取り巻くデジタル環境は劇的に変化。私たち親世代は、子どものデジタル機器の付き合い方や、ITリテラシーの教え方にどう向き合ったらよいのでしょうか? ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーとして活躍し、自身も二児の母である鈴木朋子さんに教えてもらいます。

執筆者プロフィール 鈴木朋子さん ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザースマホやSNSなど、身近なITサービス全般に関する記事を執筆。なかでもSNSに関しては、コンシューマーからビジネスまで広く取材を行い、最新トレンドを知るジャーナリストとして定評がある。また、安全なIT活用をサポートするスマホ安全アドバイザーとして記事執筆や講演も行う。著書は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『インターネットサバイバル 全3巻』(日本図書センター)など。

小学生の流行語に現れるネットの影響

先日、女子小学生が交わすLINEを見せてもらう機会がありました。「やば」「え」「草」「それな」「マジで」など単語が並んでおり、同席した大人は「今どきはこうなんですね。驚きました」と話していました。小学生以上のお子さんをお持ちの皆さんなら、これは普段から友達同士で使っている言葉をLINEでも使っているとおわかりになるかもしれませんね。

では改めて、今どきの女子小学生に流行っている言葉を見てみましょう。2023年5月、小学館が発行する小学校低学年女児向け雑誌『ぷっちぐみ』と少女まんが誌『ちゃお』による女子小学生のトレンド研究「JS研究所」が発表した「クラスや友達のなかで流行っている言葉」ランキングには、上記の言葉も出ています。

「クラスや友達のなかで流行っている言葉」1位〜10位(出典:小学館)

『ちゃお』読者の女子小学生に流行っている言葉の1位は「それな」。2位には「マジで?」と、普段の会話のあいづちが入っています。3位は「それってあなたの感想ですよね」です。これは実業家の「ひろゆき」こと西村博之さんの言葉が流行語になっているもの。続いて、4位の「草」は、笑っている様子を表す文字「www」が草が生えている様子に見えるため、「草生える」と言うようになり、現在は省略して「草」だけになったものです。5位「かわちい」(かわいいを幼児のように言っている言葉)、6位「やばい」、7位「しらんけど」あたりは想像がつきそうですね。8位「ギャルピース」は、ギャル全盛期に流行ったポーズで、腕を前に出して逆さにピースをする姿です。9位「ぴえん」は少し悲しいとき、10位「ガチで」は「マジで?」と同様にあいづちに使われます。

ランキングを見てみると、簡単なあいづちのほか、ネットやチャットで使われる用語やネットから人気になった人の言葉がランクインしていることが印象的です。11位以降でも、「おいしいヤミーかんしゃかんしゃ」(YouTuber「スカイピース」のセリフ)や、「りんごごりららっぱぱせり」(お笑い芸人メンバーのYouTubeでやっているリズム遊び)も入っています。

「クラスや友達のなかで流行っている言葉」11位〜25位(出典:小学館)

女子の流行語だけでなく、小学生全体の流行語も見てみましょう。ベネッセホールディングスが2022年12月に発表した「流行語ランキング」によると、1位は「それってあなたの感想ですよね?」、2位は「それな」、3位は「ギャルピース」、4位は「パワー!」、5位は「草」になっています。ひろゆきさんのセリフは男子の方が好んで使っているのかもしれません。YouTubeやTikTokでひろゆきさんの動画や切り抜き動画が多数配信されていることや、会話に使いやすいことで人気があるのでしょう。4位の「パワー!」はお笑い芸人なかやまきんに君のセリフですが、約20年経った今リバイバルヒットしています。

「小学生の流行語ランキング」(出典:ベネッセ)

女子高生の流行語にもネットの影響が大

実はネットで流行っている用語が流行語に影響を与えているのは、小学生だけではありません。マイナビティーンズラボが13〜19歳の女性を対象に行った「2022ティーンが選ぶトレンドランキング」のコトバ部門でも、ネットで流行った言葉が数多くランクインしています。

1位「それでは聞いてください、チグハグ」は、7人組男性アイドルグループ「THE SUPER FRUIT」のデビューシングル『チグハグ』という楽曲を披露する前に発する言葉で、TikTokで流行しました。4位「美味しいヤミー感謝感謝」(スカイピース)、5位「まぎか」(平成フラミンゴ)、8位「好きが止まらない!俺もー!」(iLiFE!)もTikTokやYouTubeで使われていたことから流行しています。

2022ティーンが選ぶトレンドランキング」のコトバ部門(出典:マイナビティーンズラボ)

特にTikTokは、流行っている投稿を真似して投稿する「ミーム」により拡散していくため、そのまま流行語として定着しやすいのです。学校から帰って動画サイトを見ると同じような動画が何度も再生され、翌日も学校の仲間と真似して遊ぶという図式になっています。

親世代はテレビが大きく影響

では、ネットがそれほど浸透していなかった2000年の高校生たちの流行語はどうだったのでしょうか。渋谷トレンドリサーチ(INGTeens調べ)が2021年に高校生男女200名に行った『流行と嗜好に関するアンケート調査』では、2021年6月にその時点の高校生と2000年にの比較として掲載しています。

調査によると、2000年に行われた「今流行っている言葉は?」ランキング(N=200)は、以下の通りです。

1位 おっつー 2位 まいうー(石塚英彦)3位 おっはー(香取慎吾/慎吾ママ)4位 〜かよ(三村マサカズ)5位 ありえない6位 素で7位 きまずい8位 ジモピー9位 しゃしゃる10位 ファイナルアンサー

2位「まいうー」や3位「おっはー」、4位の「〜かよ」、10位「ファイナルアンサー」など、当時テレビで人気芸能人が発していた言葉が上位にランクインしています。テレビの影響が大きかったことがわかりますね。また、「おっつー」や「ありえない」、「ジモピー(地元ピープル)」など、当時ギャル語と言われた言葉も入っています。2000年といえば、今の若者が「Y2K(Year2000)」と呼んで憧れている時代です。ギャルピースの再流行もY2Kブームに起因しているのかもしれませんね。

まとめ

以前はテレビの影響が大きかった流行語ですが、ネットの普及によりYouTubeやTikTokで使われる言葉がインパクトを持つようになりました。昔からネットをヘビーに使っている大人からすると、子ども達が「草」と口語で言うことに不思議な感覚を覚えるかもしれません。言葉は時代を映す鏡だと実感するこの頃です。

(文:鈴木朋子、編集:マイナビ子育て編集部)

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