萩原流行、長嶋一茂、高島忠夫... うつ病を患った芸能人の壮絶な闘病生活とは?

5月8日(金)9時0分 tocana

「Wうつ ~うつが、ふたりを本当の夫婦にした。」(廣済堂出版)

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 先月22日、俳優の萩原流行がバイク運転中の事故で亡くなった。東京都杉並区内の青梅街道を大型バイクで走行中、車線変更した警察車両と接触したのが原因とみられている。

 萩原は、13年から乗用車・バイクを運転中に4度の事故を起こしており、92年ごろから患っていたうつ病の影響ではないかと指摘されている。萩原亡き後、事故との因果関係について知る由もないが、並大抵ではないプレッシャーの中、芸能界ではうつ病を患う人々が多いとされる。

 うつ病と戦いながら活動を続けた、芸能人を紹介したいと思う。

丸岡いずみ

 現在はタレントとしての活動が多い丸岡いずみ。かつては"奇跡の38歳"と呼ばれた美貌の持ち主で人気の報道キャスターだった。しかし11年、体調不良を理由に突如として『news every.』(日本テレビ系)の降板を宣言。原因はうつ病だった。

 入院治療に専念したことでうつ病を克服し、13年、芸能界に復帰した丸岡は『ミヤネ屋』(日本テレビ系)に出演し、自身のうつ病体験についてこう語っている。東日本大震災の直後から被災地に入り惨状を伝えている時に、数々の悲惨な現場を目撃した。そのしばらく後、頭に発疹ができるなどの症状が現れ始め、次第に原稿に書かれた簡単な漢字にもふりがなを振らなければ読めなくなった。

 さらに症状は悪化し、「人の不幸を報道してきた報いだ」という思い込みや、「母親からヒ素を盛られている」という被害妄想に悩まされたという。

長嶋一茂

 元プロ野球選手でタレント・スポーツキャスターの長嶋一茂もうつ病と戦ってきたひとりだ。長嶋の父は"ミスタージャイアンツ"こと長嶋茂雄。日本プロ野球の歴史に燦然と輝くスーパースターだ。

 父の背中を追ってプロ野球選手への道に進んだ長嶋だったが、思うように成績を残せなかった。しかし、世間の目は厳しい。スターである父親との容赦ない比較をやめない。

 そうしたストレスの中、ついにはめまいや過呼吸の発作を起こすようになり、医師からパニック障害と診断される。その後、野球選手としての道はあきらめ、タレントとして再出発するも、症状は治まらず、08年にはうつ病を併発。ロケ現場の千葉へ向かう車内では、何度も「このまま死んでしまいたい」と考えたというから深刻だ。10年以上も症状に悩まされ続けたが、食事を1日1食にするなど生活習慣を見直すことでパニック障害とうつ病を克服。その体験については『乗るのが怖い—私のパニック障害克服法』(幻冬舎)として出版された。


高島忠夫

 俳優・高島忠夫は、98年に重度のうつ病を発症し、レギュラー番組を降板。明るくテンションの高いキャラクターのイメージが強かっただけに、世間に衝撃が走る。

 高島はうつ病の原因について、13年に『カスペ!』(フジテレビ系)に出演した際、長男の死を挙げている。高島と妻で女優の寿美花代の間には、現在俳優として活躍する政宏・政伸兄弟が誕生する以前に長男を授かっていた。

 その長男が、64年、家の家政婦である17歳の少女に殺害されてしまう。まだ生後5カ月だった。この動機について、高島夫妻のファンだった少女は、「長男へ愛情が移ってしまい、自分は疎遠に扱われるようになった」ことで犯行に及んだという。

 その後、夫婦は長男の話題について口にすることはなかった。そして高島は長男の死を忘れるように、仕事に没頭、カメラの前で明るいキャラクターを演じていたが、それはつらい事件を忘れるための虚勢であった。そうして、徐々に精神をむしばみ重度のうつ病を患ってしまう。

 さらに、精神的な病のほかに糖尿病や心臓病を患うという度重なる困難に直面すると、看病をしていた妻をはじめ、家族全員がうつ病のような状態になってしまう。しかし、家族に支えられた高島は、現在、奇跡的な回復を見せている。


■桂枝雀

 上方落語(大阪落語)の名人として活躍した桂枝雀は、99年に自宅で首をつっているところを発見され、搬送された病院で亡くなった。

 生前の枝雀は上方落語の宝ともいえる"爆笑王"だったが、すべて緻密に計算されていた。落語に対して異常なまでにまじめな努力家だった。しかし、落語の研究に没頭するあまり、30代で最初のうつ病を発症。舞台に上がれなくなってしまう。3カ月の休養後、舞台に復帰したが、50代になって再発。

 晩年の枝雀は、新たな道を模索したいという気持ちがあったようだが、観客が爆笑を求める以上、それにも応えなければならないというジレンマに陥る。そうした背景もあり、うつ病は悪化の一途をたどり、ついには自殺という最悪の結末で、59歳という人生に幕を下ろした。

——心の病を患ってまで芸能人であり続けることは、一般人からすると理解しがたいことであるが、芸能界にはそれほどの魅力があるのもまた事実なのだろう。茨の道を歩くことも芸能人の使命なのだろうか。
(文=近添真琴)

※「Wうつ ~うつが、ふたりを本当の夫婦にした。」(廣済堂出版)

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