流出した「イスラム国」の訓練映像がトホホすぎる! 覇気なし、体力なし、リズム感なし…まるでコント!

5月8日(火)7時0分 tocana

イメージ画像は、「Thinkstock」より

写真を拡大

 もはや組織的な防衛戦は不可能といわれ敗走を続けるISIS(イスラム国)だが、この期に及んで新たな新兵募集動画が投稿された!? アメリカ側から投稿されたこの動画をよく見ると、なんと新兵募集“NG集”動画だったのだ。


■拍子抜けする新兵募集“NG集”動画

 2014年6月に“建国”した「イスラム国」の特徴は、主にインターネットを活用したプロパガンダ戦略にあった。念入りに編集されたインパクトある動画の数々に魅了されて入隊を志願する者も増えたといわれているが、昨年10月にイスラム国が首都と定めたラッカがシリア民主軍によって完全制圧されて以来、敗走を余儀なくされて今日に至っている。

【動画と画像はコチラ→http://tocana.jp/2018/05/post_16784_entry.html】

 ISISが放棄した拠点には、プロパガンダ映像の素材になったと思われる映像素材もいくつか残されており、この4月初旬にも米軍が数時間にも及ぶ映像素材を回収している。

 その内容はイスラム教の礼拝堂であるモスク内部で撮影された兵士の訓練の様子を収めた映像だったのだが、よく見るとなかなか“トホホ”な光景も繰り広げられていて、遊び心を刺激されたのか(!?)担当者が4分ほどの“NG集”を編集して先日YouTubeに投稿している。イスラム国の発足当初の勇ましいプロパガンダ動画の数々に比較すれば拍子抜けしてしまうような、なんともお粗末な“NG”が連発しているのだ。

 登場する兵士たちの多くは迷彩柄の戦闘服に身を包み、頭を目出し帽(バラクラバ)で覆っているのだが、どことなく覇気が感じられないというか、それほど強そうには見えないのだがいかがだろうか。

 前かがみになった兵士の肩に手をついて順番に馬飛びするシーンでは、かなりの“NG”が収められている。馬になった兵士が目出し帽が気になっているのか起き上がろうとするため、後ろからきた兵士が飛び越えられないのだ。逃げるようにして持ち場を離れる動きすらも見せている。

 マーシャルアーツ(軍隊格闘技)の組み手のシーンもなんだかどうにも迫力に欠けている。ある組み手ではパンチもキックもはじめから当てる気がなく、お互いに向かい合ってシャドーボクシングをしているような格好になっている。また軍隊式訓練の定番ともいえる腕立て伏せでは、号令に息が合わずにバラバラのタイミングになってしまっている。さらに山道を移動中に足元を滑らせて少しばかり滑落してしまう兵士の姿も収められている。

 きわめつきは、ISIS旗を立てた旗手の傍らでカメラに向かってメッセージを発するおなじみの(!?)シーンなのだが、目出し帽がどうもユルユルで目が半分隠れたり、スピーチの最中に口もとのシワを伸ばしたりと、どうにも威厳に欠けるビジュアルになってしまっている。これではどんなに凄んでみてもコントのようにも見えてしまうだろう。プロパガンダ戦略に長けたISISだが、その裏にはこうした“使えない”映像も大量にあったということになる。


■3000人の“残党”が民間人居住地域に潜伏

 この動画は最初に「星条旗新聞(Stars and Stripes)」で紹介されたのだが、記事によれはこの動画の組織は正確にはISISではなく、アフガニスタンのホラーサーン州に拠点を持つISIS−K(ISIS-Khorasan Province)という支部組織であるということだ。

 ISIS−Kは2015年に結成され、東部のナンガルハール州とクナル州の大部分を支配下に収め、その後北部に勢力を拡大して、首都カブールへ複数の大規模攻撃を行っている。

 昨年、米軍とアフガニスタン軍が手を組み、この地域からISIS−Kを駆逐する合同軍事作戦を実施。ISIS−Kのトップであるアブドゥル・ハシブ幹部の殺害に成功するなどして、領土の大部分を奪還したがISIS−Kを完全に根絶することはできなかった。2017年末の時点で、ISIS−Kには3000人の戦闘員が残存していると見られ、その中には志願して入隊した外国人戦闘員も含まれている。彼ら“残党”は民間人居住地域に潜伏しているため攻撃が難しい。

 動画でも撮影の舞台はモスクであったが、モスクを拠点にするのはISIS−Kの常套手段で、昨年にナンガルハール州のPacheer Agam地区を2ヵ月にわたって支配した時も現地のモスクを占拠して拠点にしていたということだ。国軍は信仰心が篤く、モスクを攻撃する決断はなかなか下すことができないことをISIS−Kは熟知しているのである。

 ISISにしてもこのISIS−Kにしてももはや組織的戦闘が不可能になっていることから、最後はこうしてモスクのある民間人居住地区に潜伏して破壊活動を行うしかないのだろう。地元住民によればISIS−Kの活動はまだまだ活発で油断がならないということだ。イスラム国は確かに事実上は崩壊したと言えるのかもしれないが、テロとの戦いとしてはむしろ難しい局面に入ってしまったのかもしれない。
(文=仲田しんじ)


※イメージ画像は、「Thinkstock」より

tocana

「イスラム国」をもっと詳しく

「イスラム国」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ