やっぱり米が好き! 至極の「銀シャリ」が味わえる東京の最旬店3選

2019年5月9日(木)12時0分 食楽web


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「炊きたての銀シャリは、いつだって最高」と誰もが言います。

 確かにその通り。しかし「いつでも美味しい」のには理由があります。IT技術みたいに、お米だって実は時代とともに進化を続けています。現代人の味覚に合うよう、常に味わいや調理法、知識がアップデートされているが故に、いつ食べても銀シャリは最高なのです。

 そこで、ごはんの魅力を再発見すべく、“旨い銀シャリ”を看板メニューにし、お米に合う最高の料理を供する東京のお店を3店ご紹介します。

おこん(代々木上原)


コース料理4,000円〜。一例「牛モモ肉のすき焼き風」と青木功樹さんの「ミルキークィーン」は昭和天皇にも献上されたお米

前菜も〆も炊きたてのごはん

 代々木上原の閑静な高級住宅街の一角に店を構える『おこん』。ここでは、お米・食味鑑定士の資格を持つ店主・小柳津大介(おやいづ・だいすけ)さんによるコース料理が供されるお店。

 それは前菜から衝撃的。いきなり炊きたての土鍋ごはんが登場するんです。取材した日は、山形の青木功樹さんが作る「ミルキークイーン」と、福井の「いちほまれ」の2種類。

 前者は、錦糸町の『玄米耕房かめた』で薄皮一枚残して旨味や甘味を表現する精米法。後者は、静岡県沼津『長谷川多作商店』で、粒を2.5ミリに揃えて、口どけを重視しています。まるで違う料理を食べているように印象が違うお米。


小柳津氏は「日本一炊かれたい男」という異名を持つほど米に精通。「恋愛と一緒で、ご飯は冷めてから味が出ますよ」など、ウィットに富んだお話が聞ける面白い方。手に持っている土鍋は信楽焼作家・中川一辺陶のもの(左)。「秋鮭のいくら醤油漬けアボガド和え」(右)

「同じお米でも精米で全然味が変わるんです」という小柳津さん。ちなみに前菜に銀シャリを出すのは、「後で味のついた土鍋ごはんもお出しするのですが、ごはん自体の味を最初に舌で知って欲しい」から。そこで銀シャリの繊細な味を知ると、それが基本となり、続く料理の味もクリアになるというわけです。〆は「うににく土鍋ごはん」。もう、ごはんだけで深く酔えそうなお店です。

●SHOP INFO

店名:おこん

住:東京都渋谷区西原2-48-2
TEL:03-3469-5004
営:18:00〜23:30LO、土曜、日曜、祝日は予約に限り15:00〜22:00LO
休:火

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米ル(恵比寿)


2.10月のお米は、いずれも新米。佐賀の「七夕コシヒカリ」、茨城県の「一番星」、佐賀の「将躍コシヒカリ」。他に土壌に藻塩を撒いて栽培した、ミネラル豊富な「藻塩米」+300円、正式に市場に出回る前の希少な「名もなきお米」+500円もある

自家製米の土鍋ごはんがメインディッシュ

 目立つ看板もない恵比寿の路地に、突然、地下につながる階段が現れます。その下に広がる空間が『米ル』です。人気の焼鳥屋『中目黒いぐち』が、お米をコンセプトに出した和食店。

 品書きはおまかせコースのみで、そのメインディッシュとして供されるのが、精米したて&炊きたての自慢の「土鍋ごはん」です。月替りで5種類のお米が用意されており、注文時に好みで選べます。ごはんが炊き上がるまでの間、お酒とお造りや茶碗蒸しなどを楽しんでいると、途中で「煮花(にえばな)」という椀が登場。蓋を開けると藁のような稲のような香りがふわりと漂います。


「米ル おまかせコース」5,980円。この日の「焼き魚山椒のソース」はアマダイ

「これは、お米からごはんへ変わる炊き上がり直前の一瞬の状態なんです。お米ごとに独自の風味があり、それをまず楽しんで欲しい」と料理長の井上智博さん。

 そして、いよいよ土鍋ごはんと焼き魚、さらに、ごはんのお供6品が並ぶ至福の時。井上さんの腕が光る料理は、主役のごはんを引き立てる、いぶし銀の名脇役ばかり。ポーションは小さ目でも、繊細な味で舌も心も満たされる料理ばかりです。

●SHOP INFO

店名:米ル

住:東京都渋谷区恵比寿西1-16-7 HAGIWARA BLDG.7 B1F
TEL:03-6416-9637
営:17:00〜24:00
休:無休

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AKOMEYA厨房(銀座)


月替わりの「季節の小鉢膳」2,315円の一例。鰆の炙り生七味醤油、きのこと菊花の塩ポン酢おひたし、函館産秋鮭“龍鮭”のフリット、京小芋の含め煮鶏そぼろ味噌あん からし添えなど8種類の料理に、土鍋で炊いたごはんが付く

銀シャリLOVERのワンダーランド

「一杯の炊きたてごはん」。その至福の時をテーマに、日本のお米、食材、調味料、雑貨などを提案するライフスタイルショップがこちら。銀座本店1階には厨房を併設しており、全国から厳選したお米を、御膳としていただけます。「5合炊きの土鍋5台を使い、常に炊きたてのごはんを用意しています」と店長の稲本智子さん。


お米の販売コーナー。全国から選りすぐったお米を店頭精米してくれる

 特に人気なのは、昼の「季節の小鉢膳」。この日は、千葉県全体の2%しか生産されていないというコシヒカリ「多古米」。その希少なごはんを8種類の小鉢たちが引き立てます。例えば京小芋にかかった鶏そぼろの味噌、鰆の炙りの生七味醤油、おひたしに使われる塩ポン酢……。これらの食材や調味料の一部は、ショップで購入することができます。

 ゆえに、食後は、米販売コーナーに立ち寄るのがオススメ。好みの分づきで加減精米をしてくれるうえ、お米に合った炊き方も紹介してくれます。さらに店内の出汁や調味料についてもスタッフが味を熟知し、話しているだけでも楽しくなる、まさにお米好きの楽園です。

●SHOP INFO

店名:AKOMEYA厨房

住:東京都中央区銀座2-2-6
TEL:050-3134-5256
営:ランチ11:30〜14:00、お茶14:00〜17:30(16:30LO)、ディナー17:30〜22:00(フード21:00、ドリンク21:30LO)
休:不定休

(文◎土原亜子 撮影◎貝塚 隆)

※当記事は『食楽』2018年冬号の記事を再構成したものです

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