社長「俺を裏切るなら辞めろ!」 → 「辞めました」 月220時間残業でボロボロ、ワンマンすぎるブラック企業を辞めた男性の記憶
2025年5月10日(土)12時45分 キャリコネニュース

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最近は世の中全体で“働きやすさ“を意識する動きが広がっているが、昔はひどいものだった。岐阜県の40代男性が、24年前に経験したという衝撃的な体験談を寄せた。
「地元では、年に何人も退職する有名なブラック企業でしたが(当時はブラック企業なんて言葉はありませんでした)知らずに入社しました」
そこは社長が一代で築き上げたワンマン経営の会社。逆らう者やミスを犯した者には、社長自らによる3時間以上にも及ぶ説教が待っていたという。しかし、男性が社長の恐ろしさを実感したのは、説教だけではなかったようだ。(文:篠原みつき)
気に入らない社員に「1週間張り付いて辞めさせているのを見て、ゾッとしました」
会社には、社長を恨んでいる先輩がいたという。それが表情に出ていたため、社長は現場に出入りするたび、その先輩社員に嫌がらせをしていた。
「(社長が先輩に)一日中後ろに張り付いて、仕事のやり方などに説教し、1週間張り付いて辞めさせているのを見て、ゾッとしました」
そんなありさまのせいか社員が1年に10人以上も辞めていく。そのため残業は常に多く、22時、24時退社も当たり前だった。ある朝、出勤するなり工場長から衝撃的な言葉を告げられた。
「『悪いが、今日は死んでくれ』と言われ、多忙すぎてキャパオーバーで、納期を忘れていたらしく、『明日までの納期の仕事を忘れていたので朝まで寝ずに仕事をしてくれ』と工場長に言われ、24時間、朝の8時まで仕事を行い、後輩が来て『もう帰って下さい!あとは俺がやります!』と言われたので帰宅しようとしたら」
なんと社長が現れ、「仕上げの連中は2〜3日徹夜でやるのが普通だから、お前もついでに今からもう1日通しで仕事していけ!」と、さらなる連続勤務を命じられた。2日間ぶっ通しで働き、もちろん残業もさせられたという。
「2日も3日も徹夜仕事するようなターミネーターみたいな社畜の上司ばかりいたから、やって当たり前と勘違いした社長。そんなんだから人が年に何回も辞めていくんだろうと今からなら思います」
と当時の異常さを振り返る。
学歴マウントの大卒社員「君、高卒?俺、大卒だから宜しくね!」
この会社では、他にも問題がある人物が多かった。工場長は、社長からの説教を避けるためなら部下も犠牲にしたという。
「自分のミスを『こいつが勝手にやった。俺はやってない』と、人に押し付け、早々に帰宅する人でした。なおかつ、仕事を何度も忘れ、『忘れてた!この仕事、明日までだから今日中にやってくれ』が、頻頻にあり、残業がさらに加速していく」
さらに、CAD部署の大卒社員たちからは、心無い言葉を浴びせられた。
「入社した際、『君、高卒?俺、大卒だから宜しくね!』『やっぱり君にはこの内容は理解できないかー。仕方ないな、高卒だもんなー』など、大卒というのを鼻にかけて、馬鹿にしてくる人達の溜まり場で、ストレスはとても溜まりやすい職場でした」
濡れ衣で5時間説教、社長の暴言に「信用ありません!」
そして、男性の退職の引き金となる事件が起こる。納品した製品に傷が見つかり、男性のせいにされたのだ。一緒に製造にかかわっていた後輩が男性の責任を否定してくれたが、「お前がやった!」と、事務所で5時間以上も立ったまま説教されたという。
後日、取引先から「うちの従業員が傷をつけたようです」と連絡があったにもかかわらず、社長はその事実をもみ消し、謝罪すらなかった。これまで会社に尽くしてきた男性の我慢も限界に達した。
「社長に『会社に220時間も残業したり、2日間も徹夜で仕事をしたりして尽くしてきたのに、そんな仕打ちをされるなら、社長への信用がもうありません!辞めます』と伝えた」
当然の抗議だったが、社長からは「そんなこったろうと思ったわ!俺を裏切るならやめていけ!」と攻撃的なセリフを吐かれたため「辞めました」と顛末を明かす。男性が、いまだに「許せない」と感じているのももっともだ。
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