インテリアとの相性が一層良くなったパナソニックの「レイアウトフリーテレビ」「ウォールフィットテレビ」
2025年5月12日(月)16時29分 マイナビニュース
パナソニックは5月下旬から、「くらしスタイル」シリーズとして展開するテレビ製品「レイアウトフリーテレビ」「ウォールフィットテレビ」の新モデルを発売する。シリーズ名の通り、ライフスタイルやインテリアとの親和性、テレビという機器の使い方を広げる製品だ。
はじめに、家庭で「テレビ」とどのように付き合っているだろうか。リビングに大画面の薄型テレビを置く、加えて個人の部屋に応じたサイズのテレビを置く——といったケースが多いと思う。
視聴コンテンツについては、地上波/BS放送/CS放送とともに、ここのところインターネットの動画配信サービスの視聴時間が急増している。近年は各社のテレビがインターネット接続機能を備え、テレビ内の機能としてさまざまな動画配信サービスにアクセスできるようになった。また、ゲーム機やレコーダーをつないでいる家庭も多いだろう。
総務省の調査資料によると(令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査)、テレビにおけるオンデマンド型の動画配信サービスの利用率は60%。そしてパナソニックの調査では、テレビのインターネット接続率は83%にまで伸びている。
○テレビの新しいスタイルを提案するパナソニックの「くらしスタイル」シリーズが好調
こうした状況はコロナ禍で加速した一面があり、パナソニックは2021年に新しいスタイルのテレビを提案する「くらしスタイル」シリーズを立ち上げた。画面部分とチューナー部分を分離型として、画面部分のスタンドにキャスターを設けて家の中を自由に移動させられる「レイアウトフリーテレビ(43V型)」を投入。翌2022年には、壁掛け設置を前提とした「ウォールフィットテレビ(55V型)」も加えた(そのほか持ち運び可能なポータブルテレビもある)。
レイアウトフリーテレビとウォールフィットテレビは登場当初から好評を博しており、ユーザーからも好意的な声が寄せられている。例えばレイアウトフリーテレビだと、位置が固定されないのは思ったより便利、手軽に動かせるので部屋を掃除しやすい、料理するときにキッチン近くに持ってこられる、43V型でも近づけば大画面——といった具合だ。
ウォールフィットテレビは、自分で壁掛けできる点や(業者に工事を依頼しなくてもよい)、壁にかなり密着させて設置できるため見映えが良いといった点が評価されている。どちらも単に「テレビを置く」だけでなく、インテリア全体の一部として考えたときに相性が良いところも大きなポイントだ。
○さらなる要望に応えた「くらしスタイル」シリーズの新モデル
ただし当然ながら改善要望もあった。レイアウトフリーテレビとウォールフィットテレビの大きなメリットはケーブルレスであるところだが(画面部分とチューナー部分はワイヤレス)、これは地上波/BS放送/CS放送やインターネット動画配信サービスを視聴する場合に限られる。ゲーム機やレコーダーはテレビ部分にケーブル接続する仕様であるため、見た目の問題や、レイアウトフリーテレビの場所を動かすときはゲーム機やレコーダーも一緒に移動させる必要があった。そのほか、レイアウトフリーテレビでは白以外のカラーが欲しい、ウォールフィットテレビではより大画面の65V型が欲しいといった要望が多かったという。
今回、これらの要望に応えた新モデルが5月下旬から順次発売となる。もっとも大きな進化は、チューナー部にHDMI入力を設け、ゲーム機やレコーダーの映像/音声もワイヤレスで画面へ送れるようになったことだろう。パナソニックの体験会場で試した限り、映像/音声の遅延やカクつきなどは気にならなかった。ただ、操作にシビアなアクション系のゲームをがっつり楽しむ場合、プレイヤーのスキルや感覚によっては遅延を感じる場面があるかもしれないので、量販店などで確認してみることをおすすめする。
○レイアウトフリーテレビ
レイアウトフリーテレビの新しいラインナップは3モデル。チューナー部に2TBハードディスクを内蔵し、HDMI入力×3系統を持つ上位モデルの「TH-43LF2」は21万円前後だ。内蔵ハードディスクなしでHDMI入力×1系統の「TH-43LF2L」は17万円前後(USBハードディスクを別途つないで録画可能)。
この2モデルは本体カラーがホワイトだが、内蔵ハードディスクなしのモデルにマットダークグレーの「TH-43LF2L-H」を新たにラインナップした(18万円前後)。近年はリビングやキッチンをはじめとした住空間をグレー系の雰囲気でまとめたインテリアがひとつのトレンドになっており、それに応えた新モデルだ。
余談だが、家電量販店の品ぞろえを見渡すと、テレビ以外の生活家電でもグレー系の本体カラーが増えていることが分かると思う。パナソニックが取り扱っている住宅建築用のコンセント部品やスイッチ部品でも、ブラウンやブラックといったカラーの人気が高まっている。
ちなみに今回の新モデル、画面は従来と同じ43V型の液晶だ。より大画面を求める声もあるそうだが、本体の重さに加えて、スタンド/ネックの設計と重さ、そこから生じる安全面など、クリアすべき箇所がたくさんあるという。パナソニックでもニーズを注視しながら研究開発は続けているとのことだ。
○ウォールフィットテレビ
ウォールフィットテレビの新しいラインナップは、有機ELの3モデルが用意される。従来と同じ55V型モデルに加えて、新たに65V型モデルが登場した。
パナソニックの調べでは、家庭のリビングにおける大型テレビは壁掛け率/壁寄せ率が年々高まっており、大画面になるほど割合が高くなる(55V型で約14%、65V型以上で約23%)。こうした状況と、より大型のウォールフィットテレビを求める声を背景として、65V型モデルが加わった。
機能面でのおもな進化は上述したように、チューナー部にHDMI入力を新設してゲーム機やレコーダーの映像/音声をワイヤレス化したこと。チューナー部に2TBハードディスクを内蔵した65V型「TH-65LW2」(48万円前後)と55V型「TH-55LW2」(38万円前後)、ハードディスクを内蔵しない55V型「TH-55LW2L」という構成だ。
ウォールフィットテレビの壁掛け設置は、壁から画面までが約3.5cmと、まさに壁と画面が一体化するような美しさが得られる。基本的には石膏ボードが使われた壁への設置を想定しており、パナソニックのWebサイトではユーザー自身が取り付ける様子や注意点を動画付きで詳しく解説している。興味がわいたら一度ぜひ見てみてほしい。