子育ての正解っていったい何? 理想の親になれないことにいら立ちを感じたら

2023年5月11日(木)7時3分 マイナビ子育て

育児で疲れたり孤独を感じたりすると、子育ての正解がわからず自己嫌悪に陥ることがあるかもしれません。そんなとき、自分が毒親化しないためにはどうしたらよいのでしょう。精神科医の井上智介先生の『子育てで毒親になりそうなとき読んでほしい本』(主婦の友社)から、毒親にならずに自分と向き合う子育てのヒントについてご紹介します。

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子育ての正解って?

自分がされた嫌なことは絶対にしない

理想の親を演じるのは危ない

子育て中の人が自分は毒親育ちと気づいたら、自分も毒親にならないように、試行錯誤しながら一生懸命やっていらっしゃると思います。毒親育ちが毒親にならないためには「自分がされた嫌なことは絶対にしない」というシンプルなルールを守れるかどうかに尽きます。

なんでもかんでも親に決められるのが嫌だったなら、子どもにはなんでも決めさせる、勝手に部屋に入られたのが嫌だったら、絶対に入らない。ただ毒親育ちの人は自分の親のようにならないようにとがんばるあまり、完璧を目指しがちです。

特に理想の親を演じようとすることが多いですが、これは危ないです。この“理想”というのが、まさに世間的なルールや情報に偏っている可能性があるからです。

そもそも完璧を目指すと、すごく疲れるし、子どもにも完璧を強要してしまって、かえって毒親化するおそれもあります。では、どうやって子どもを育てていけばいいのでしょうか。その答えは“子ども”にあります。

子育ての主役は子ども

やはり子育ての主役は子どもであって、世間の声ではありません。大切にしたいのは、子どものいまの気持ちや欲求。そこに対して親は承認したり、共感したりして、常に目線を合わせつづけなければいけません。

しかし、毒親に育てられると、いま一つ正解がわからないので、世間の声にすがりたくなります。しかも世間の声は、どうも正解っぽく思えます。しかしそれは、子どもの気持ちを無視している可能性もあります。

もちろん子どもの気持ちや欲求にすべてこたえることは、単なる甘やかしになります。特に自分の健康や命にかかわることや他人に危害を与えることはいけないことだと、しっかり教えなくてはいけません。

しかし、子どもにもそれをしたい何かしらの理由があり、親はその気持ちをとらえてあげないといけません。子どもは頭ごなしにダメと言われるだけだと、それをすること自体怒られている気持ちになります。ですから伝え方も大事なのです。毒親に育てられた人は「自分がされて嫌なことを子どもにしない」という大前提をもちつつ、子どもの「いま」に焦点を合わせ、子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。

(井上智介『子育てで毒親になりそうなとき読んでほしい本』(主婦の友社)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)

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書籍『子育てで毒親になりそうなとき読んでほしい本』について

『育児はとてもストレスフル。誰でも毒親になりえます』 子育てというのは、非常にストレスフルなもの。仕事は嫌ならやめられるけれど、子育ては嫌でもやめられない。逃げるという選択肢がまずありません。初めての子育てに、不安や心配のない親御さんは、いないのではないでしょうか。

しかも子育ては、独自性の高いもの。つまり一つ一つの家庭によって違いが大きく、親は基本的に自分の家庭しか知りません。そんなふうに、子育てというのはとても難しいものにもかかわらず、世の中では「子育てができてあたりまえ」「誰でもやっているもの」というイメージがもたれています。それが、ますます親御さんを苦しめているのです。 『毒親にならない気持ちの持ち方を知りましょう』 この本では、自分が毒親化していると気づいた人が呪縛から脱し、わが子に向き合い、自分らしく生きていくステップをご紹介します。

子どもの接し方に悩んだとき、心に寄り添ってくれる一冊です。

井上智介先生のプロフィール

産業医・精神科医兵庫県出身。島根大学を卒業後、大阪を中心に精神科医・産業医として活動する。産業医としては毎月30社以上を訪問し、一般的な労働の安全衛生の指導に加えて、社内の人間関係のトラブルやハラスメントなどで苦しむ従業員にカウンセリング要素を取り入れた対話を重視した精神的なケアを行う。精神科医としてはうつ病、適応障害などの疾患の治療だけではなく、自殺に至る心理、災害や家庭、犯罪などのトラウマケアにも力をいれている。さらに、ブログやSNS、講演会などでこれらを分かりやすく「ラフな人生をめざすこと」を発信している。『職場のめんどくさい人から自分を守る心理学』(日本能率協会マネジメントセンター)など著書多数。Twitter @tatakau_sangyoi

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