青木さやか「平成の飲みニケーション」を思い出す…令和に働く娘、平成にOLだった母……東京ガス〈ふたつの人生〉CMに思うこと

2025年5月14日(水)9時15分 婦人公論.jp


写真提供:青木さん

お笑いの仕事だけでなく、俳優・エッセイストとしても忙しい毎日を送る青木さん。この春『Nスタ』ゲストコメンテーターを務めることも決まりました。今回は「CMで感動したものとして」を綴ります。

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友人から「これいいよ」と送られてきたのは東京ガスのCMだった。

令和の時代に働く娘と平成の時代に働いていた母親の姿を通して、今と昔のあたりまえの違いを描いた「ふたつの人生」ショートムービーCMで、池谷のぶえさんと富田望生さんが出演している。

ちなみに、このシリーズはどれもとても素敵なのだ。(ちなみにわたしも過去出ている!)


青木さんが娘を持つ母を演じたショートムービー(東京ガス「家族の絆 似たもの親子」篇ショートムービーCMより)

「ふたつの人生」篇では、会社員として働いている娘と母の、あれこれを対比してみせているのだが、確かにあった懐かしい「平成の飲みニケーション」的な場面も出てくる。

誘われるたび重圧があった


CMの内容からは離れるが、当時

「今夜飲みに行く人?」

という誘いは日常だったし、なんとなく断るのはまずい?マイナスになるのでは、という誰に言われたわけでもないが重圧があった。

そんな理由で行くこともあったし、行きたくて行ってることもあった。
だが、大体が話を合わせるというか、
そこにいる男性陣に作られた役割を演じるというか、

「お前はモテないもんな〜」

と言われれば道化になり、

「青木さんを見習いなさい」

と言われれば、いえいえそんな、と謙遜しながら、急遽できるふうを装った。

わたしはそんな感じで飲み会に参加していたから、楽しいというだけではなかった。

奔放に自分を出しているようにみえる女性を羨ましく、時に嫉妬していたように思う。


本連載から生まれた青木さんの著書『母』

誰かの求める自分を演じた


飲み会において、本当の自分なんてものはどんなものなのか全くわからず、誰かの求める自分であることに全力を注いだ。

これぞ飲み会!これぞ仕事!

「これ」はわたしの癖で、今でも時々、そこにいる誰かに合わせるモードに入る。

他者の心を読み解き、きっとわたしに求めているのはこんな自分に違いないと想像し、瞬時に自分を演じるカメレオン青木

しかし、結果読み解けていないこともあり、誰も求めてないんかい!と、どこにぶつけて良いかわからないモヤモヤを抱えて帰ることもあり…。

わたしに「こうであってほしい」なんて求める人なんていないのかもしれない。
きっと「この癖」は令和には相性が悪いんだと思う。


自転車通勤する娘を演じる富田望生さん(東京ガス「ふたつの人生」ショートムービーCMより)

心にしみる母娘の姿


話をCMに戻すと、令和の時代で働く娘は、みんなで飲むのはちょっと、と伝え、自分の好きなことに時間を使う。

平成もそんな空気感、いや今的に言えばそんな世界感があってくれたら良かったのになあ、と思ったりする。


娘の働き方を見て、当時の自分を思い出す母(演・池谷のぶえ)東京ガス「ふたつの人生」ショートムービーCMより

平成と令和、変化したことも多いが、変わらぬ悩みもあり、CMの母が娘に伝えたように、娘の選択を応援していきたいと思う。

心にしみる母娘の姿—
教えてくれた友人にありがとうと伝えよう。
(ちなみにわたしも出てますので!似たもの親子。それも最高です)

▼東京ガス「ふたつの人生」篇ショートムービーCM

婦人公論.jp

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