千葉県ネットパトロール、中高生の問題ある書き込み急増

2024年5月15日(水)15時15分 リセマム

2023年度ネットパトロールの実施状況

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千葉県は2024年5月10日、2023年度青少年ネット被害防止対策事業(ネットパトロール)の実施結果を公表した。問題のある書き込み人数は1,113人と、前年度の約3.5倍に急増。自分自身の個人情報を公開する「レベル1」の補捉範囲を広げたことで、書き込み人数が大きく増加した。

 千葉県では、青少年がインターネット上のトラブルに巻き込まれることを未然に防止するため、青少年ネット被害防止対策事業を実施している。2023年度の実施校数は、県内すべての中学校、高校、特別支援学校など632校。専門的な知見やノウハウ、AIなど最新技術をもつネットロールに精通した事業者に委託し、生徒が投稿しているSNSなどについて検索・監視を行った。

 ネットパトロールで発見した問題のある書き込み人数は1,113人。前年度の323人から約3.5倍に増えている。自分自身の個人情報について学校名に加え、氏名または本人とわかる顔画像を公開している「レベル1」の補捉範囲を広げたことで、レベル1が前年度の240人から、2023年度は1,021人と大幅に増加した。

 問題のある書き込み人数を性別でみると、男子554人、女子513人、不明46人。学年別では、中学1年生124人、中学2年生167人、中学3年生157人、高校1年生175人、高校2年生193人、高校3年生91人、不明206人。

 レベル2とレベル3に該当する「特に問題がある書き込み」の件数は119件、人数は92人。前年度の115件83人から、件数・人数ともに増加した。特に問題のある書き込みのおもな事例は、学校行事の集合写真など肖像権侵害にあたる恐れがある投稿、特定の人物に対する誹謗・中傷、危険行為や喫煙・飲酒を連想させる投稿など。

 特に問題のある書き込みの内訳は、「他人の個人情報の公開」46件がもっとも多く、「暴力・問題行動」32件、「個人を特定した誹謗・中傷」22件、「自傷行為等(自殺予告等)」7件、「わいせつ表現」5件、「自分自身の詳細な個人情報の公開」4件、「緊急性のある少年の刑事事件、自殺に係るもの等」3件。「レベル3」に分類される「緊急性のある少年の刑事事件、自殺に係るもの等」は、前年度の12件から減少した。

 なお、「他人の個人情報の公開」の投稿は、前年度と比較して約2倍に増えているが、これは同一人物が複数の書き込みを行った事例によるもので、人数比では前年度と大きく変わっていないという。

 千葉県では、特に問題のある書き込みを発見した場合、教育委員会などに連絡し、削除を含めた生徒への指導を依頼しており、2023年度も学校を通じて指導・削除などを行った。事件性・緊急性が高いものは、学校や教育委員会、警察など関係機関と早急に対応。2024年度も生徒間でよく使われる学校名の略称や文化祭などの行事をキーワードに活用して調査するなど、効果的なネットパトロールを継続してトラブルの未然防止を図る。また、千葉県の各種相談窓口の周知を図り、悩みや不安を抱える青少年の早期発見・支援に努めていくとしている。

リセマム

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