ギース尾関が娘の絵を完コピした弁当写真集【森永卓郎氏書評】

5月16日(木)16時0分 NEWSポストセブン

『ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ!」 おえかきキャラ弁』/尾関高文・著

写真を拡大

【書評】『ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ!」 おえかきキャラ弁』/尾関高文・著/永岡書店/1200円+税

【評者】森永卓郎(経済アナリスト)


 本の世界では、ときどき想像を絶する作品に出合うことがある。本書もその一つだ。


 本書は4歳の娘のために、父親が作った弁当のエッセイ付き写真集だ。ただし、その弁当は普通ではない。娘が、「こんなお弁当を作って」と描いたキャラクターを、完全に再現した弁当なのだ。幼児が描く絵だから、当然、滅茶苦茶な絵になる。それをチーズや海苔などを使って、完コピする。その再現性の高さは、驚くばかりだ。


 著者であり、お弁当の作者でもある尾関高文氏は、最近急速に人気を高めているお笑いコンビ、ザ・ギースのボケ担当だ。若手芸人の生活は厳しく、共稼ぎで生活を支える妻の負担を少しでも軽くしようと、娘の弁当作りを始めたのだそうだ。


 著者に絵心があったから、そうした取り組みを始めたと思われるかもしれない。だが、私は逆だと思う。もし絵心があったら、娘の絵の特徴をつかんで、娘の絵とは、異なる作品を作っていたはずだ。似顔絵の名手が、極端なデフォルメをして、まったく本人とは異なる似顔絵を書いてしまうのと同じだ。尾関氏のお弁当は、逆で、一切のデフォルメがない完コピだ。


 絵心が要らないということは、こうしたキャラ弁は誰にでも作ることができるということになる。尾関氏は30分程度で作ってしまうようだが、初めてでも、一時間くらいあれば作れそうだ。問題は、どういう素材をどのように使えばよいかなのだが、そのノウハウは、本書に収められた豊富な作品のなかに詰まっている。だから、もし機会があったら、孫娘のために、一度こんなキャラ弁作りをやってみようかなと思ってしまった。


 いずれにしても、本書の一番の特長は、頭を使わずに、心の底から楽しめるということだ。お弁当作品を見つめているだけで、笑いがこみあげてくるし、ほのぼのとしたエッセーも楽しい。子供が描いたドラえもんに、大人の事情で「みんな大好き青いロボ」というタイトルがつけられているのも、ご愛嬌として、許せてしまうのだ。


※週刊ポスト2019年5月17・24日号


ザ・ギース尾関の「娘の絵を完コピ! 」 おえかきキャラ弁

NEWSポストセブン

「弁当」をもっと詳しく

「弁当」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ