ファッションは定番スタイルを決めて着ないものは処分。電話は常に留守電に。60・70代、人生の残り時間を楽しむための習慣見直しアイデア

2024年5月16日(木)12時28分 婦人公論.jp


(写真提供◎photoAC)

快適で心地よい暮らしを探究し続けてきた阿部絢子さん。人生の後半に突入したら、衣食住や人づきあいなどを見直して、残り時間は「自分のために使うべき」と言います(構成=浦上泰栄 イラスト=宮下和)

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人生の残り時間を「やりたいこと」に使う


私は、人生の時間は5段階に変化すると考えています。第1期は5〜20歳で、生きるための基礎をつくる時。第2期(20〜30代)は、社会人として成長する時間。次は、知力や社会での影響力を発揮するハイライト期(40〜50代)。そして、私がいる第4期(60〜70代)は、人生の最終章である第5期(80代以降)を迎える前の貴重な残り時間です。

子育てや仕事から解放され、「人生の最後にやっておきたいこと」に取り組むなら、心身ともに自由がきく今しかありません。義理のつきあいで時間をムダにし、何も考えず以前と同じ方法で家事をしていたら、時間はあっという間になくなってしまう。

以下に、人生の残り時間を楽しむために私が実践している「家事、習慣、お金、人づきあい」のアイデアをお伝えします。少しでもみなさんの参考になれば幸いです。

【習慣】ファッションの定番スタイルを決める


衣類の数や種類が多いと、手入れに時間やお金がかかるし、収納場所も必要になります。

以前はクローゼットに入りきらないほど洋服を持っていましたが、今はジャケットとジーンズを定番のスタイルに決め、着ないものは処分しました。

ボトムがカジュアルなぶん、ジャケットにはこだわって、お気に入りの洋品店でオーダー。

出番が少ない服をたくさん持つより、自信を持って着られる服を何枚か揃える。そのほうが迷わないし、心も豊かになると思います。


(イラスト:宮下和)

【習慣】メイクより素顔の美しさを大切にしたい


歳を重ねるほどにその人の生き方が顔に表れます。

きれいにメイクをしているけどいつも眉間にシワが寄っている、心からの笑顔が少ない、そういう人を見ると残念に感じ、「もっと顔つきを大事にしたい」と思うようになりました。

最近は街中に出かける時もすっぴん。メイクの時間が減り、コスメ代の節約にもなっています。ただしヘアは手を抜かず、月に1度はサロンでのお手入れを欠かしません。

また、ショーウィンドウに映った姿を見て、背筋が曲がっていないか、暗い顔になっていないかを常にチェックしています。

心が豊かで、よく笑い、よく眠れる。そんな人生を過ごして、毎日、いい顔つきでいられたら幸せですね。

【習慣】つねに留守番にし、相手を確かめてから応答する


5年前のある夏の日、電話を使った特殊詐欺の被害に遭い、280万円ものお金を失いました。

きっかけは自宅にかかってきた1本の電話。「法の改正で医療費の一部が還付されます。ATMで手続きを」という連絡をまんまと信じた私は、銀行職員を名乗る男と携帯で通話しながら、大事なお金を次々と振り込んでしまったのです。

翌日、振り込みのために銀行に行き、残高がマイナスになっているのを見て、初めて詐欺だったことに気づきました。警察に被害届を出しましたが、失ったお金は戻ってきません。

あのお金があれば、もっと豊かな時間を過ごせたのに! と思うと、すごく悔しくて……。

仕事柄、自分は大丈夫だと思っていましたが、その手口は驚くほど巧妙です。固定電話は必ず留守電にして出ない、万一、相手と話をしても、行動を起こす前に家族に相談することを肝に銘じてください。


(写真提供◎photoAC)

【お金】週に1万円の生活費で暮らしてみる


特殊詐欺でお金を失ったことをきっかけに出費を見直し、生活費を週1万円以下に抑えようと決めました。キャベツなら1個300円まで、それより高い時は買わない、残金が1000円になるまで追加の1万円をお財布に入れない、などルールを決めて節約に励むことに。

とはいえ、節約ばかりではつまりません。1000円台でも美味しいワインを頑張って見つける、時々、友人たちと外食に出かけるなど、メリハリをつけて楽しんでいます。

【お金】万一に備えてできる範囲で働く


学生時代に取得したままになっていた薬剤師の資格を使って、64歳から薬局で働き始めました。60代になって年金を受け取ってみると、金額がかなり少なくて不安を感じたからです。

78歳の今も薬局勤めを続けていますが、万一、金銭的なトラブルが起きても、定期収入が心の支えになってくれる。だからできるだけ長く働こうと思います。

読者のみなさんも、元気なら働きましょうよ。

ただし、その仕事が自分に合っているか、やりがいを感じるかを考えることも、もちろん大切です。

婦人公論.jp

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