なぜ今まで無かった? “耳に入れるスピーカー”『INAIR』— 上質かつナチュラルなサウンドの愉悦

5月18日(金)18時0分 ガジェット通信

なぜ今まで無かった? “耳に入れるスピーカー”『INAIR』― 上質かつナチュラルなサウンドの愉悦

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本日紹介するのはGreenFundingでプロジェクト支援募集中の“イヤースピーカー”『INAIR(インエアー)』です。

「世界初の耳に入るスピーカー」と聞いて、あなたはどう思いましたか? やはり、こんな風に思った方が多いのではないのでしょうか。

……それって「イヤホン」じゃないの? と。

でも、違うんです。『INAIR』が“イヤホン”ではなく“スピーカー”であることについて開発元の方にお話を伺いました。

“スピーカーの音”を外に持ち出したい

今回お話を伺ったのは『INAIR』の開発を手がける『&COLOR INC.』代表の佐川大介氏。
佐川氏はもともと劇場や映画館用のスピーカーの製造で知られる『米ウェスタン・エレクトリック』製のスピーカーメンテナンスやレプリカの製造に携わる技術者でした。

国内有名オーディオブランド製品のOEMや商品企画・デザインを経て、佐川さんはある製品の開発を手がけることとなります。それが知る人ぞ知る『VTS-384』という製品です。

『VTS-384』はiPod用ドックスピーカーで初めて真空管を用いた本格的なiPod用サウンドシステムでした。当時話題になったので覚えている方も多いのではないでしょうか? このシステムはロバート・デ・ニーロの経営するニューヨークのGreenwichホテルのスイートルームに採用されるなど、ハイクオリティなサウンドで好評を博しました。

据え置きの巨大なスピーカーや本格的なサウンドシステムを通して佐川氏が接していたのは紛れもなく“高品質な音”。そんな佐川氏が次に求めたのは「オーディオシステムがもたらす高品質な音を家の外にも持ち出したい」という欲求でした。

……こう書くと、まず僕らは「高品質なヘッドフォンやイヤホンを買えばいいんじゃないの?」と思いますし、実際、佐川氏のお話を聞き始めた時にも筆者は同じことを思っていました。

しかし『INAIR』の説明を受けるにつれ、「そういうことじゃないんだ」という事がわかってきました。

基本構造がイヤホンと大きく異なる

佐川氏は従来のカナル型イヤホンに代表されるような「耳の奥に入れて密閉する」タイプのデバイスが苦手だったそう。

「スピーカーから流れるBGMって、普段聴いてて“疲れる”ことって少ないと思うんです。けれども、硬いプラスチックのイヤホンやシリコンキャップで密閉するタイプのイヤホンをずっと付けていると、どうしても圧迫感があったり、長時間付けていると耳が痛くなることもありました」

自分の頭の周りに、スピーカー環境の音をそのまま持ってこられないだろうか、という発想のもと、『INAIR』の開発がスタートしました。

『INAIR』が従来のイヤホンと大きく異なるのはその構造です。

通常、イヤホンはドライバと呼ばれる音を鳴らすユニットがイヤホンのボディの奥に内蔵されています。しかし『INAIR』の場合、ドライバユニットはボディの奥ではなく、耳の穴近くに配置され、ユニット全体を “AIR TUBE(エアチューブ)” というパーツで包み込んだ構造をしています。

カナル型イヤホンの多くは、ボディの奥にあるドライバから音が発生し、ボディの空洞や構造を経て、耳の奥に届けられます。その音作りの前提には密閉した状態。しかし人によって耳の大きさも形も違いますし、密閉状態は耳内部の圧力も高まり、耳への負担がかかってきます。

対する『INAIR』の場合、前述のとおりドライバは耳の穴すぐ近くに配置されます。

先端に配置されたドライバを後方から包み込む、医療用にも使われる生体適合性ハイテンションシリコン素材の「エアチューブ」、その外側にスポンジのクッション「インエアーキャップ」を重ねた、異素材3重構造となっています。

このエアチューブは6mmのドライバユニットから発生する音を前方だけでなく、360°あらゆる方向に広げる役割を果たし、低音の解像度向上にも貢献しています。

エアチューブの外側にある丸型のスポンジ「インエアーキャップ」は耳を圧迫することなく、「音漏れしないレベル」かつ「耳内部と外界が薄い空気の層でつながっている(= 耳内部の気圧と外界の気圧が同じ)」という絶妙な状態を創り出し、「ドライバユニットを宙空に浮かしたような状態」で支えているという形になります。

つまり『INAIR』は外耳に近い場所で空間を保ったまま、音を耳内部に届けているのです。

「これはスピーカーだわ……」試聴してみて納得

当日は「バーブラウン社製のD/Aコンバータが搭載された」iPhone3GS(音源はあえてmp3とAAC)と『INAIR』の組み合わせで試聴を行いました。

一番の特徴は内耳を全く圧迫しない装着感でした。「丸型に削るのに実はとても苦労した」という球形のスポンジは耳に負担を掛けずフィットしつつ、耳から落ちることのないような絶妙な大きさと柔らかさにデザインされています。

この形状も耳の大きさや形に関わらず、ほぼすべての人がワンサイズのスポンジで装着できるよう試行錯誤した結果。

実際に聴いてみると非常に解像度が高いことがわかるのですが、特に低音の表現が秀逸でした。カナル方式が筒(音道管)を通すことで低音をブーストしているのに対し、インエアー方式イヤースピーカー【M360】での低音の表現には、ドライバ周りに装着されたエアチューブが一役買っています。

低音の解像度を保ったまま、見事にその厚みを増しているのです。

さらに、外界の音をほどよく遮らずに音楽を楽しむことのできるというのも、これまでにありそうで無かった体験でした。内耳が密閉されていないので鼓膜にかかるストレスがカナル型のイヤホンとは桁違いに少ない印象です。確かにスピーカーから出る音を長時間聞いていても疲れる事はほぼありません。『INAIR』であればその感覚に極めて近い体験をすることが可能になっています。

「僕自身、イヤホンをずっと付けているのが苦手なのですが、INAIRを開発してからは、耳から外したくなくなるほど音楽を一日中聴くようになり、寝る時に横向きになっても耳が痛くないのは本当に最高でした」と佐川氏。実は筆者も長時間イヤホンをつけているのが得意ではないタイプなので、今回のINAIRによる音体験はきわめてナチュラルで快適でした。

スピーカーから聴こえる、という当たり前の感覚を実現した『INAIR』、これは確かにイヤホンではなく耳に装着するスピーカーなのだ、という実感を得ることができました。

装着方法によって聴こえ方を選べる

『INAIR』は装着方法によってサウンドの傾向を変えることも可能です。

■カナル型イヤホンと同じく、耳の穴に取付ける方法
(スピーカー放射面を、耳の穴から鼻の方向へ向けて取付けた場合)
・装着感は軽く、開放的
・低音がやや弱めのオープンBGMスタイル

※やや耳から外れやすい傾向もあるので、下記の取り付け方法がオススメとの事

■インナーイヤー型のように、耳の窪みにすっぽりボディ全体を収めてしまう方法
(スピーカー放射面を、耳の穴から自分の正面方向へ向けて取付けた場合)
・耳内空間(スピーカーで言うところの筐体、リスニングルーム)が最大化。
・低音がぐっと持ち上がり、全体的にバランスの取れた音圧を感じる。
・しっかりしたスピーカーで聴いているような音になる。推奨する装着方法
・寝ながら聴く際も耳が痛くならない。

ちなみに音漏れは思っていたよりずっと少ないです。音漏れの目安としては、現在iPhoneに付属されている白いスタンダードなイヤホン程度だと感じました。

筆者は視聴するまで価格や構造含め、今回あえて情報を入れずにお話を伺ったのですが、その装着感やサウンドのクオリティから実売は3〜4万円なのかと想像していました。しかし、クラウドファンディングでの現在の(募集)価格は9000円前後となっています。

メインのイヤホンと取って代わるクオリティの『INAIR』、イヤホンの歴史を根底から変えうるポテンシャルを秘めた製品と言えそうです。

現在、『INAIR』はGreenFundingにて20018/6/1 23:59まで支援募集中で、既に2000万円以上の支援を集めています(※目標金額1000万を大きく超え、プロジェクト成立確定見込みです)。

興味のある人はお早めにどうぞ。

世界初! 耳に入るスピーカー『INAIR(インエアー)』 新開発「AIR TUBE」搭載 360°音に包まれる新感覚 インエアー方式イヤースピーカー【M360】 | GREEN FUNDING by T-SITE
https://greenfunding.jp/lab/projects/2251

※VTS-384画像はamazonより引用。カナル方式とインエアー方式の比較図はGREEN FUNDING『INAIR』より引用。装着図は&COLOR提供。

—— 面白い未来、探求メディア 『ガジェット通信(GetNews)』

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