しらす丼にたこせんべいも。江の島で絶品グルメを楽しむための半日散策モデルコース

2024年5月18日(土)10時50分 食楽web


食楽web

●湘南エリアを代表する人気スポット・江の島のオススメの巡り方&絶品グルメとは?

 東京から日帰りで行ける湘南エリアの超有名観光スポット「江の島」(神奈川県藤沢市)。おそらく日本人なら一度はその名を耳にしたことがあると思います。しかし江の島は知ってるけど実際に上陸したことはない、なんて人も意外と多いのでは?(関東圏以外に住んでいる人の場合は特に)。

 そんな江の島ビギナーのために、今回は江の島で一度は食べておきたいグルメの数々を、半日のモデルコースとともにご紹介していきましょう。

江の島は美食の島

 江の島について改めておさらいしておくと、ざっと以下のような感じです。

1.神奈川県藤沢市にある周囲約4kmの小島。陸路で行ける
2.鎌倉時代から人気の行楽地。江戸時代は参拝客で大賑わいした
3.令和の今も変わらず国内外の観光客に大人気
4.神社、展望台、植物園、岩屋など見どころと絶景が多数
5.しらす、サザエなど相模湾の海の幸が有名。料理やスイーツも美味

 食べるのが好きな食楽の読者諸賢のことなので、1〜4までは「ハイハイ」とナナメ読みしたかもしれませんが、注目は最後の「5」です。

 そう、江の島は風光明媚な観光地ではありますが、実はグルメがめっぽう美味しい島でもあるのです。

AM10:00|江の島上陸


レトロで可愛い江ノ電の江ノ島駅

 都心から江の島までは、新宿駅や東京駅から電車で約1時間。利用する列車によりますが、最寄り駅は片瀬江ノ島駅(小田急線)、江ノ島駅(江ノ電)、湘南江の島駅(湘南モノレール)の3駅です。


江の島弁天橋を渡れば、そこはもう江の島

 駅に着いたら、まずは「江の島弁天橋」を目指しましょう。駅を降りると案内板や地図がたくさんあるので、迷うことはないはず。この橋を15〜20分、てくてく歩いて渡ると、そこはもう江の島です。

AM10:30|江の島弁財天仲見世通りでアイス最中を買う


青銅の鳥居は延享四年(1747年)創建、文政四年(1821年)に再建された歴史的価値の高いもの。これをくぐった先が「江の島弁財天仲見世通り」

 橋を渡って道沿いに歩くと、やたらと渋い雰囲気の青銅の鳥居が見えてきます。これをくぐると、そのまま「江の島弁財天仲見世通り」に入ります。

 ここは江の島を代表するスポット「江島神社」まで続く参道。道幅は2.75mで、狭く感じると思いますが、その理由は、江戸時代から幅が変わっていないからです。道の両側に飲食店や土産物屋など、さまざまなお店が軒を連ねており、見ていて飽きることがありません。


入口から歩いていくと右側にある『紀の国屋本店』

 この参道でまず立ち寄りたいのが、寛政元年(1789年)創業の老舗和菓子店『紀の国屋本店』です。名物は薄皮で手練りのあんを包んでふかした〈女夫(めおと)まんじゅう〉。寒い時期は、できたてをハフハフ頬張るのが最高ですが、温かい季節は、〈アイス最中〉(370円)が断然オススメ。


〈アイス最中〉(370円)。この日は小倉アイスをチョイス

 自家製の手練りあんと甘すぎないアイスをパリッと香ばしい最中でサンドしたスイーツです。これをかじって体をクールダウンさせつつ参道を冷やかすと、風情があってイイ感じです。

 ちなみに最中のカタチ(ハマグリ・ホタテ・サザエ)と、アイスの種類(バニラ・小倉・抹茶)は自由に選択可能。この“マイ最中アイス”が作れるのも地味に楽しいです。

●DATA

住:神奈川県藤沢市江の島2-1-12
TEL:0466-22-5663
営:8:00〜18:00
休:水曜(祝日の場合は営業・繁忙期は無休)

AM10:50|『あさひ本店』の〈丸焼きたこせんべい〉


入口から歩いていくと左側にある『あさひ本店』

 甘いものを食べたら、今度はしょっぱいものを食べたくなるのが人の性(さが)。お次はこの仲見世通りで人気の『あさひ本店』へ。〈丸焼きたこせんべい〉(500円)が大人気の行列店です。


〈丸焼きたこせんべい〉500円

 この〈丸焼きたこせんべい〉、その名の通り、小麦粉をまぶした新鮮なタコを2〜3匹、185度という高温のプレス機で1トンもの圧力でプシューッと押しつぶしてカリッカリのおせんべいに仕上げた江の島の名物グルメ。


ぺったんこにプレスされるタコさんたち

 パリッとかじると、タコの風味が口内にふわっと広がり、噛めば噛むほど旨味が染み出してきます。よく「名物に旨いものなし」なんて言いますが、これは別。スナックとしてかなり優秀です。

●DATA
住:神奈川県藤沢市江の島1-4-8
TEL:0466-23-1775
営:9:00〜18:00
休:木曜

AM11:15|江島神社で弁天様詣で


今ある鳥居は昭和11年(1936年)に山田流筝曲の家元・林敏子氏が再建・寄進したもの

 さて、「江の島弁財天仲見世通り」を歩き終えると、その先に真っ赤な鳥居が見えてきます。これが参道入口にあった“青銅の鳥居”に続く、江島神社の第二の入口といったところでしょうか。


右手前に見えるのが瑞心門(ずいしんもん)。石段を登ると辺津宮に到着できる

 石段を登り、「辺津宮(へつみや)」を目指します。意外と勾配のある石段をひいふう言いつつ登ること5分ほどで到着。辺津宮では建永元年(1206年)に時の将軍・源実朝が創建した社殿に参拝することができます。


辺津宮に参拝して旅を続けましょう

 辺津宮の左側にある「奉安殿」には、日本三大弁天のひとつ「妙音弁財天」が安置されています。江戸時代にはこの弁財天を詣でるために、多くの人が江の島を訪れたそう。

AM11:45|江の島エスカーで江の島シーキャンドルへ


エスカーを乗り継げば江の島の頂上まで一気に登れる。高低差46mを4分ほどで上れる。4連で結ぶエスカレーターは全長106m

 そんな辺津宮を出て再び石段を登っていくと、江島神社の「中津宮」。さらに登ると「江の島サムエル・コッキング苑」と、その中にある展望灯台「江の島シーキャンドル」に到着できるのですが……。

 正直、けっこうハードな道のりです。体力がない人や高齢者・子供連れの人、汗をかきたくない人は、思い切って「江の島エスカー」(日本初の屋外エレベーター)を利用しましょう。辺津宮の左手に乗り場があり、一気に江の島の頂上までワープできます。


奥にそびえ立っているのが「江の島シーキャンドル」

 そんなこんなで到着した「江の島サムエル・コッキング苑」。ここは江の島の頂上にある和洋折衷の庭園跡。明治15年(1882)に、英国人貿易商のサムエル・コッキング氏が造成した、当時東洋一の規模を誇った温室庭園だったそうです。17時までは無料で入場可能です。


「江の島シーキャンドル」から望む江の島と湘南の風景。入場料は500円

 この敷地の奥には、高さは59.8mの展望灯台「江の島シーキャンドル」がそびえ立っています。江の島サムエル・コッキング苑に入る理由の半分以上は、ここに登るためと言っても過言ではありません。最上階は、江の島が一望できる絶景スポット。天気の良い日には富士山も望めます。

PM12:30|『江之島亭』で食べるしらす丼は格別


『江之島亭』の外観。休日は行列必至なので早めに訪れたい

 さて、目の保養が済んだら、今度はお腹の保養へ。江の島と言えばしらすが有名。湘南エリアに来たら、やっぱり食べたいですよね。しらす丼!

 江の島の頂上から、今度は島の西側に向けて歩いていくと道の右側に見えてくるのが『江之島亭』。明治42年創業の老舗レストランで、一品料理から定食や丼ぶりに至るまで、相模湾の海の幸を堪能できる名店です。


店内から海を一望できる

 初めてなら「しらす三昧御膳」(2750円)なんてどうでしょうか。刺身、生しらす(オフシーズンは〈しらすのつみれ〉に変わる)、かき揚げ、たたみいわし、小鉢、味噌汁、お新香、しらすご飯がセットになった、贅沢な御膳です。


「しらす三昧御膳」のしらすご飯

 相模湾の穏やかな海を眺めつつ、無心で新鮮な生しらすや刺し身に舌鼓を打つひと時。この上なく幸福な時間です。

●DATA
住:神奈川県藤沢市江の島2-6-5
TEL:0466-22-9111(予約不可)
営:10:30〜17:30(土日〜19:00)
休:不定休

PM14:00|最後にパワースポット「江の島岩屋」へ


絶景を望みつつ、赤い欄干の岩屋橋を渡ると、江の島岩屋に到着

 お腹がいっぱいになったところで、江の島の最奥部にあるパワースポット「江の島岩屋」に足を延ばしましょう。ここは江の島信仰発祥の地と言われ、弘法大師や日蓮上人などの高僧や有名武将らが修行したとされる霊験あらたかな洞窟。

 岩屋は長い年月をかけて波濤の侵食でできた「海蝕洞」で、富士山の氷穴に通じているといわれる第一岩屋(奥行152m)と、龍神伝説が伝わる第二岩屋(56m)で構成されています。


入場料は大人500円

 岩屋の内部は少しひんやり。ところどころライトアップされてはいるものの、けっこう暗いです。しかしご安心を。途中のブースでろうそくを貸し出しているので、それを持って歩きましょう。ゆらめく炎に照らし出されるのは、洞内に設置された石仏や句碑、石像など。雰囲気満点です。


無料でろうそくを貸してもらえる。かなり暗いので借りましょう

 この江の島岩屋、2024年の干支・辰年にちなんで、名前に辰、龍、竜が入っている人は、2024年中に限り入場無料です。

PM14:30|帰り道もまた楽し


徒歩で帰るならカフェなどで休憩しながら戻りましょう。画像は大正期の建築を改装したカフェ『しまカフェ 江のまる』の店内

 さて、十分に江の島を堪能し尽くしたところで、いざ帰路につきます。

 そのまま徒歩で引き返してもいいですが、江の島岩屋からの帰り道は超急勾配の石段を登り続けることになるので、道中にたくさん並んでいるカフェや食事処で休憩しながら歩きましょう。

 体力に自信がない人や時間が推している人は、岩屋を出たところにある稚児ヶ淵から乗れる遊覧船「べんてん丸」への乗船がオススメ。江の島に上陸した際に渡った「江の島弁天橋」に約6分で戻ることができます。

まとめ


[食楽web]

 18〜19世紀のドイツの詩人・ゲーテはイタリアのナポリを旅した際、その素晴らしさに感激して「ナポリを見てから死ね」という名言を残しましたが、江の島もまた、死ぬまでに一度は行っておく価値のある島です。

 まだ江の島に行ったことがない人や、行ったけどずいぶん昔だなぁ、なんて人は、ぜひ次の休みや週末にお出かけしてみては?

(撮影・文◎弁天くまお)

食楽web

「江の島」をもっと詳しく

「江の島」のニュース

「江の島」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ