日本人は映画館マナーに厳しすぎる?「なんでも緩い方に合わせる必要ない」「ポップコーンとかにぶち切れてるのはやばい」

2019年5月19日(日)9時30分 キャリコネニュース

はてな匿名ダイアリーに5月中旬、「日本人映画マナーにうるさすぎ」という投稿が寄せられた。投稿主は、映画館での映画上映中にスマホをいじることの是非を取り上げた番組を受け、

「テレビ番組で映画中にLINE来たから返してる若者が紹介されただけで、ぶっ殺してやると言わんばかりの罵詈雑言のオンパレード。そうでなくても飲食の音がうるさいだの、トイレに立つなだの喋るなだの、周りを気にしすぎだろ」
「こんなんで映画人口なんて増えるわけねーだろ もっとアメリカくらいアバウトに映画楽しめんのか」

と怒りをぶちまけた。(文:石川祐介)

「確かに『上映中は気配を消せ』くらいの勢いの人結構いる」

映画館では、盗撮防止の観点からも、スマホや携帯の電源は切ることがマナーになっている。快適な鑑賞のためにも、スマホや携帯は電源をオフにするべきだと思うが、投稿主はこうした一般的なマナーにも納得いっていない様子だ。

投稿には、「劇場側がすんなって言ってることをしてる方が糾弾されるのは間違ってない」、「なんでもかんでも緩い方に合わせる必要はない」と、現状のマナー遵守は当たり前だとする人がいる一方で、

「携帯いじるのは盗撮と区別がつかんし論外とは思うけど、それ以外は少しは大目に見てやってもとは思う」
「ポップコーンとかにぶち切れてるのはやばいと思う」
「確かに『上映中は気配を消せ』くらいの勢いの人結構いる」

など、投稿主に共感する人も見られた。

そもそも、こうした賛否両論が起こる原因は何か。コメントでは、料金にあるという見方が多かった。

「値段が微妙に高いからダメなんじゃないの 何かあってももう一度見ればいいやって値段ならピリピリしなさそう」
「貧乏になったからね。少しでも価値を下げるようなことをされると我慢できないんだよ」

映画館のチケットは、割引サービスを使わなければ2000円近い支出になる。会員割引などで1000円台前半に抑えられたとしても、安い値段ではない。懐の余裕がない人が増える一方、チケットは値上がりも予定されている。こうした状況から、「高いお金を払ったのだから損したくない」と、神経質になる人が増えたのかもしれない。

一方、「安すぎる」という意見もあった。もっと高くすれば、マナーの悪い客を締め出せるという考えのようだがどうだろうか。

現状では、

「マナーの基準をある程度統一しないと却って諍いが増えてみんなが不幸になるだけだと思う。劇場がやめてくれと言ってることをみんなで遵守するというのはコストが低いし良手」

というコメントが的を射ているように感じる。ひとまずマナーを守る方向で考えていけないだろうか。

いっそ「応援上映的な区分けで雑談上映」をやっては

値下げや値上げでないサービスで環境改善を提案する人もいる。「席に着いたら防音の透明のガラスで1人ずつ隔離される仕組みを導入しよう」と鑑賞スペースの整備を求める声があったが、確かにこれならリラックスして視聴できる気はする。

いっそのこと、「応援上映的な区分けで雑談上映欲しい」という声もあった。リアクションしたい人や静かに見たい人など、同じ映画を見ても求める体験は十人十色。暇つぶしをしているのか、日常生活で味わえない感情を味わいたいのか、何にお金を払っているかによっても、他人の行動への寛容度は変わるかもしれない。

ネットフリックスなど、場所を選ばず安価に映画を見られるサービスも台頭している。チケット代の値上がりもあり、映画を映画館で見るという行為は、もはや大衆的な遊びではなくなった。映画という娯楽は大きな転換点を迎えているように思える。


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