荻原博子 銀行が振込手数料をこんなに値上げしているのは「窓口に来てほしくないから」。「私たちもよほどのことがない限り銀行に行かないほうがいい」と断言できるワケ【2023編集部セレクション】
2024年5月17日(金)6時30分 婦人公論.jp
2023年に配信したヒット記事のなかから、あらためて読み直したい「編集部セレクション」をお届けします。(初公開日:2023年9月23日)。
******経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する新連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「振込手数料が値上げへ銀行の真の狙いとは?」です(イラスト:さかがわ成美)
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振込手数料が値上げへ 銀行の真の狙いとは?
三菱UFJ銀行は、10月2日から、振込手数料を値上げします。振込額に関係なく、店舗窓口で他行あてに振り込むと990円、ATMでの現金振込は他行あてが880円、同行あてが550円。
なんと、最大で500円を超える値上げです。おそらく、他の銀行も、早々に追随することでしょう。
なぜ、こんなに窓口での振込手数料を値上げするのか。それは銀行側が、もう皆さんに窓口に来てほしくないからです。
銀行の店舗は、たいてい駅前の一等地にあって地代が高い。そこで、そこそこいい給料をもらっている銀行員が安い手数料の振込の手続きをするのでは、採算が合わないのです。
店舗では、儲けの大きい資産運用や相続税、住宅ローンなどの相談業務をメインでやりたい。そのために、昔はいくつもあった振込などのハイカウンターを減らし、じっくり相談ができるローカウンターを増やしています。決して口には出しませんが、「振込などの客は銀行に来ないで」というのが本音なのです。
私たちも銀行には行かないほうがいい
窓口での振込手数料をバカ高くする一方で、ネットバンキングの振込手数料は10月以降も据え置きます。
他行あての場合、振込額3万円未満だと154円、3万円以上でも220円と、窓口の5分の1の料金。つまり、「振込などは、インターネットでお願いします」と誘導しているのです。
だとしたら、私たちも、よほどのことがない限り銀行には行かないほうがいい。この際、ネットバンキングを活用しましょう。
ネットが苦手という人は、最初の登録だけをネットの得意な近しい人にお願いするといいでしょう。登録さえできれば、振込などの操作はそれほど難しくない。ATMが利用できる人なら苦にならないでしょう。
ネットバンキングなら、夜中に振込をしなくてはならないことを思い出しても、そのとき操作しておけば、翌日の朝一番で振込が完了する仕組みです。
「代理人カード」とは
(イラスト:さかがわ成美)
家族に毎月仕送りをする人は、送りたい相手の口座の「代理人カード」をつくって入金するとよいでしょう。ほとんどの銀行で発行手数料は無料です。
たとえば、富山在住の親が東京に住む子どもにお金を渡したい場合。ゆうちょ銀行はカードを2枚つくれるので、親子でそれぞれ持っておき、親が入金する。
子どもは時間帯にもよりますが、郵便局だけでなくコンビニのゆうちょATMでも無料で引き出し可能です。
業者への支払いなどはクレジットカードを利用。一括払いと2回払いは手数料無料です。
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