アメリカ海兵隊の新型輸送ヘリCH-53Kの第2・3期低率生産承認 13億ドルで12機調達

5月20日(月)14時53分 おたくま経済新聞


 アメリカ海軍航空システム・コマンド(本部:メリーランド州パタクセント・リバー海軍航空基地)は2019年5月17日、海兵隊の新型輸送ヘリコプターCH-53Kキングスタリオンの第2期・第3期低率生産(LRIP)が承認されたと発表しました。今回の生産分では、総額13億ドル(約1433億円)で12機を調達します。

 CH-53Kキングスタリオンは、シコルスキー(ロッキード・マーティン傘下)が開発した大型輸送ヘリコプター。アメリカ海兵隊の主力大型輸送ヘリコプターCH-53Eスーパースタリオンの老朽化にともない、置き換え用の性能向上版として開発されました。



 エンジンはCH-53EのT64-GE-416(軸出力4380HP)3発からT408-GE-400(軸出力7332HP)3発と大幅に強化されたほか、機体規模も大型化されており、全長4.57m・全幅2.16mの多用途車ハンヴィー(HMMWV)を1台搭載できるほどの貨物室容量を持っています。貨物の空輸能力は、機外に吊り下げる形を含めると、最大で約14.7トンまで可能。それでいてメインローターを取り外して機体尾部を折りたたむと、空軍のC-5輸送機やC-17輸送機の貨物室に搭載できるほどコンパクトにもなります。操縦系統はコンピュータが介在するフライ・バイ・ワイヤ(3系統)となり、コクピット計器も最新のデジタルディスプレイを装備するグラスコクピットとなりました。



 2015年10月に初飛行したCH-53Kはこれまでに、2017年4月に始まった第1期低率生産分を含めて20機が製造され、アメリカ海兵隊によって1400時間以上に及ぶ試験が行われてきました。アメリカ海兵隊航空部門の副司令官、スティーブン・ラダー中将は「第2期・第3期のLRIPが承認され、海軍と我々の生産パートナー(シコルスキー)に感謝申し上げたい。これによって海兵隊の重量物空輸能力が将来にわたって保証され、国家の安全保障戦略に資することができます。私はCH-53Kプログラムの成功を確信していますし、その能力を現場で発揮することを楽しみにしています」と、今回の新たな低率生産承認を受けてコメントしています。



 シコルスキーのプログラム・ディレクター、ビル・ファルク氏は「我々シコルスキーの従業員とサプライチェーンは、2023年〜2024年に予定されるCH-53Kの生産率向上に向けて準備を整えています。今回の生産承認は、海兵隊がシコルスキーの生産拡大に対して信頼を置いていることの表れといえるでしょう。我が社の工場では、将来のヘリコプター計画に対応する設備を実装済みですし、我々の技術部門では製造シミュレーションや3Dレーザー検査技術も持っています。これら人材、システム、生産設備における投資は、シコルスキーの生産技術を向上させると同時に、CH-53Kのアメリカ及び海外の顧客の要望に応じた生産を可能としています」とコメントし、本格生産の準備はすでに整っていることをアピールしています。



 今回承認されたCH-53Kの第2期・第3期低率生産(LRIP)分12機は、2022年から引き渡しが開始される予定。海兵隊では老朽化したCH-53Eを2030年までに退役させる計画で、後継機となるCH-53Kの生産は今後加速していくことになります。

<出典・引用>

アメリカ海軍「CH-53K LRIP contract awarded for 12 heavy-lift helicopters」

USMC

(咲村珠樹)

おたくま経済新聞

「生産」をもっと詳しく

「生産」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ