明治時代の「海軍のカレー」がラーメン&焼そばに エースコック「よこすか海軍カレー」麺で浸る郷愁

2023年5月21日(日)20時0分 Jタウンネット

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第百七回 エースコック「よこすか海軍カレー」のカップ麺とカップ焼そば

文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第百七回目となる今回は、エースコックの「魚藍亭監修 よこすか海軍カレーラーメン」と「魚藍亭監修 よこすか海軍カレー焼そば」をレビューします。

神奈川県横須賀市のご当地カレーとしておなじみの「よこすか海軍カレー」。その名店のひとつ「魚藍亭」が監修した商品です。

「よこすか海軍カレー」のルーツは明治時代に

「よこすか海軍カレー」の歴史は、明治時代に遡ります。

当時、海軍では脚気に罹患して死亡する人が多く、その対策として軍隊食に採用されたもののひとつが、ビタミンB1やたんぱく質を多く含むカレーでした。

時を経て、海軍の街である横須賀では、海軍にルーツのあるカレーを利用して地域の活性化につなげようと、1999年に「カレーの街宣言」を行い、、カレーを使った街おこし活動をスタートさせたのです。

海軍で食べられていたカレーのレシピは明治時代に発行された「海軍割烹術参考書」に掲載されています。

「よこすか海軍カレー」はそのレシピに基づいた、横須賀市内で供される昔懐かしいカレー。そのうえで、提供する各店がアレンジを加えています。

今回の2品も、「海軍割烹術参考書」のレシピをアレンジして作られたラーメンと焼そばであることが明記されています。

今では50店近いお店が「カレーの街よこすか事業者部会」から「よこすか海軍カレー」として認定を受けていますが、その第1号となったのが「魚藍亭」です。

「よこすか海軍カレー」は、牛乳とサラダを添えることが主な定義。今回はカップ麺なので、牛乳やサラダは自分で用意しなければなりませんね。

「魚藍亭監修 よこすか海軍カレー」カップ麺の内容物

「ラーメン」には別添袋はなく、カップに麺の他にスープ粉末やかやく類があらかじめ入っていました。

一方の「焼そば」は袋が3つで、カップには麺のみ入っています。

どちらもかやくには、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎ、鶏肉(そぼろ)が入っていました。

鶏肉そぼろ以外は懐かしいカレーの雰囲気を漂わせる構成で「よこすか海軍カレー」の定義が守られているようです。

実はシュリンクを破った瞬間から、「ラーメン」からはスパイスの香りが漂ってきています。

懐かしい味わいに感慨「魚藍亭監修 よこすか海軍カレーラーメン」

まずはそんな「魚藍亭監修 よこすか海軍カレーラーメン」から食べていきましょう。

実際のお店のメニューに「カレーラーメン」があるわけではないですが、これまでに毎年のように「魚藍亭」監修のカレーラーメンが出ており、この時期の定番商品化しています。

ややとろみのついたポークやビーフベースのカレー味のスープに、中細でストレートの油揚げ麺と、鶏挽肉、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎといった具が合わせられています。

麺量が少なく具もちょっと乏しいので、多少安っぽく感じられます。

ただ、あまり定価で売られていることはなく、多くのお店でディスカウント価格で売られているものと思われますので、気にならないかもしれません。

玉ねぎの旨みが感じられるカレースープは、現代風のスパイスの強さや辛味、飛び道具的な甘さなどはなく、最近のカレーを食べ慣れていると地味な味に映ります。実際、よこすか海軍カレーのお店でカレーを食べると、刺激よりも懐かしさが前にくることが多いです。

明治の人はこういう味のカレーを食べていたのかと思うと、感慨深いものがありますね。

刺激はそれほどないですが、食べ進めていくうちに徐々に口の中に蓄積されていくスパイスと、口に残る玉ねぎの味わいが印象的でした。

ラーメンより少しスパイシーで濃い味「魚藍亭監修 よこすか海軍カレー焼そば」

続いては、「魚藍亭監修 よこすか海軍カレー焼そば」。カレー味はカップ焼そばとしては比較的よく見かけるフレーバーです。

以前は「カレーラーメン」と一緒に出ていたのは「カレーうどん」でしたが、今回から汁なしの「カレー焼そば」になりました。こちらもお店にメニューがあるわけではありません。

カレー味のソースに、中細の油揚げ麺と、鶏挽肉、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎが合わせられています。

「カレーラーメン」と同じく、現代風のカレーに比べるとスパイスや甘さが大人しく、辛さもほとんどありません。甘さもほとんどなく、懐かしさが前面に出てくる味となっています。

目立っているのは玉ねぎの風味。ラーメン同様、食べ進めていくとだんだん口にスパイスが蓄積され、玉ねぎの風味とハーモニーを奏でるようになります。

基本やさしい味ですが、「ラーメン」のスープに比べると多少味が濃く、スパイシーだと感じました。

具の構成も「ラーメン」と同じで、カレーラーメンの味をほぼそのまま焼そばにしたと捉えて問題なさそうです。

カレー味としてはあまり刺激がない中で、玉ねぎがカレーの味にエッジを立てており、最も特徴的な存在でした。

懐かしい郷愁の味を楽しめる

昔ながらの懐かしいカレーの味わいを、ラーメンと焼そばで楽しめる商品でした。

現代風のカレーのような刺激はないですが、ホッとして、また食べたくなる味です。

カップ麺で郷愁に浸ってみるのはいかがでしょうか。

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